税務調査手続きの法定化 第2回 | アークス総合会計事務所のブログ

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前回に引き続き平成23年度税制改正で法定化された「税務調査手続」についてお伝えします。

今回は、調査の事前通知に関する事項についてです。

1.調査の事前通知についての連絡方法・説明内容

(1)事前通知の方法

法令上、実地の調査の事前通知の方法は規定がされていません。

原則、電話で口頭で行うこととしています。納税者の方からの要望に応じて事前通知内容を記載した書面を交付することはありません。

なお、電話による事前通知が困難と認められる場合は、税務当局の判断で書面によって事前通知を行う場合もあります。

(2)事前通知の時期

実地の調査を行う場合の事前通知の時期については、法令に特段の規定はなく、また、個々のケースによって事情も異なります。

調査開始日までに納税者の方が調査を受ける準備等をできるよう、調査までに相当の時間的余裕を置いて行うこととしています。
     
(3)実地調査の理由説明

なぜ、調査が必要なのかについて知りたいが、事前通知で説明をうけられるのかどうかという疑問がおきることがあります。

法令上、調査の目的(例えば、提出された申告書の記載内容を確認するため)については事前通知すべきこととされていますが、実地の調査を行う理由については、法令上事前通知すべき事項とはされていませんので、これを説明することはありません。

(4)事前通知の有無

実地調査が行われる場合に、事前通知は必ずされるのか。あるいは事前通知がなく実地調査が行われることもあるのかという疑問がおきることがあります。

原則、調査の対象となる納税者の方に対して、調査開始前に相当の時間的余裕を置いて、電話等により、実地の調査を行う旨、調査を開始する日時・場所や調査の対象となる税目・課税期間、調査の目的などを通知します。

ただし、法令上の規定に従って申告内容、過去の調査結果、事業内容などから、下記に該当する場合には事前通知をしないこともあります。

1)違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれがあると判断した場合。
2)その他、調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると判断した場合。

なお、事前通知が行われない場合でも、運用上、調査の対象となる税目・課税期間や調査の目的などについては、臨場後速やかに説明することとしています。  
      
2.事前通知を受けた調査開始日時の変更

税務調査の事前通知に際しては、あらかじめ納税者の方や務代理権限証書を提出している税理士等(以下「税務代理人」といいます。)の都合を尋ねることとしています。

申し出のあった都合や申告業務、決算業務等の納税者の方や税務代理人の方の事務の繁閑にも配慮して、調査開始日時を調整することとしています。

また、事前通知後においても、調査担当者まで申し出れば、理由が合理的と考えられれば変更を協議します。

例えば、一時的な入院、親族の葬儀、業務上やむを得ない事情が生じた場合等ですが、それ以外の理由でも、申し出があれば変更を協議します。 

3.税務代理を依頼している税理士への事前通知

法令上、実地の調査の対象となる納税者の方に税務代理人がいる場合には、納税者の方ご本人に加え、その税務代理人の方に対しても事前通知を行うこととされています。

なお、事前通知事項のうち、税務代理人を通じて、調査の対象となる税目・課税期間等の事前通知事項の詳細については聞くことにしたいという要望がある場合には、調査担当者が事前通知を行うための連絡をした際にその旨をお伝えください。