◆G種(DM) 死なない3/3 | 雑種犬 G種ディアミリ/テニミュリョ桜王子/DCジンシェリ・秀明 等小話ブログ

先週アップの「死なない」の続き→

 

 

「怖くないの?戦場に出て、戦うなんて…」

「そうだな…、あまり考えたことなかったかもな。自分が死ぬなんて考えもしなかったし、…少なくとも、身近な仲間が死ぬまでは」

「…」

 

ニコルの死を目の当たりにして、誰もが死ぬ可能性があると改めて思い知った。俺やイザークも、死ぬかもしれない。もうこれ以上仲間を失わない為に戦わなければ、ニコルの分まで。そう思った矢先に、俺はAAの捕虜となった。

自分が死ぬことを恐れて投降した、あぁそうだ、俺は負け犬で臆病者だ。だからつい、泣いていた少女に八つ当たりした…。

 

「…今は、怖いの?」

「………ちょっとな」

 

痛い所を付いてくる。怖いのは、戦場で元仲間と、…イザークと対峙するかもしれないこと。

そして、もしもこの目の前のたったひとりの女の子を守れなかったら、…そう思うと恐ろしい。

哀しそうに目を伏せたお前は、そんな俺の弱さに気付いていたのだろうか。

 

不思議だよな、頼まれた訳でもないのに。大概鬱陶しがらるだけなのに。名前をちゃんと呼ばれたことすら、数える程しかないのに…。

 

 

 

『ディアッカッ!!!』

「…」

 

瞼が重い、体が動かない。体中が痛い…。幻聴まで聞こえるとは、俺、死んだのか…?AAはどうなった?アイツは無事か…?

 

『ディアッカッ!応答して!』

「…ミリ、アリア…」

『ディアッ?!無事なのね?生きてるのね?!』

「…AAも…」

『大丈夫よ、アンタが守ってくれたから』

 

本当か?何とか目を開ける。機器は半分以上がイカレていた。エネルギー残量は極僅か、何とか宙に浮いている状態のようだ。声は聞こえるが、画面は死んでいた。

 

「…そっか、良かった…」

『うん、私もアンタも生きてる。だから早く戻ってきて、ディアッカ』

「…あぁ」

 

早く帰って、その顔を見ないと安心出来ない。早く帰ろう、今俺が命にかえても守りたい、大切な場所へ…。