◆G種運(DM) 会いたくない<終> | 雑種犬 G種ディアミリ/テニミュリョ桜王子/DCジンシェリ・秀明 等小話ブログ

デス辺りのDM+サイ、仕事はカガリの補佐設定。



街明かりの少ない高台に来た。車を降りてふたりで黙って空を眺める。

「やっぱり地球から見る星空は、特別綺麗だよな…」
「そうね」

草原に寝転がるディアッカに、ミリアリアは呆れる。

「ちょっと、風邪引くわよ酔っ払い」
「…ごめんな、でもやっぱり、会いたかったから」
「………もう良いわよ」

仕方なく隣に寝転がる。暗くて互いの顔すらよく見えない。もう良いや。

「星空は全然上手く撮れないのよね、やっぱり専用のレンズとか技術が必要なのよね」
「目に焼き付ければ良いじゃん」
「…そうね」

そう言えばAAでも、『星を観にいこう』と展望デッキに休憩に行くことがよくあった。宇宙空間、戦争中で自由はない、生きるか死ぬかの毎日…。でも確かにあそこで見た星空は綺麗で、心が洗われる光景だった。

「無理するなよ、ストレス溜め込んだらロクなことにならないぞ」
「…」
「サイやカガリは分かってくれるって。サイも、最近元気ないって心配してたし。…俺だって…」
「…うん」
「やっぱり無理にでも会って良かっただろ?」
「…うん」

こんな時に一番会いたくないのはコイツだけど、それでもやっぱり、一番会いたいのも、悔しいけどコイツなんだ。モヤモヤしていた気持ちが晴れたのは、アンタと一緒に星空を見られたからだ。

「…ディアッカ、今夜泊まってく?」
「え?!」
「嘘よ。…明日、良い所連れてってあげる。丁度満開で綺麗な花畑があるの」
「あー、来て良かった」

暗闇に紛れ、そっと手を伸ばすと冷たい指先に触れた。ふたりして夜空を眺めたまま、黙って指先を温め合った。