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「ディアッカ、ちょっと良い?」
「ミリアリア、何?」
「ちょっと手伝って欲しいんだけど」
「良いよ、休憩中だし。じゃあな」
渡りに船とさっさと話を切り上げ、彼女の後に続いた。
「で、何すれば良いんだ?」
「…あーごめん、やっぱり良いわ」
「え?」
「休憩中邪魔して悪かったわね」
「何だよ一体…」
どうしたんだ?普段俺に頼み事をするのを嫌がる彼女が、手伝って欲しいと言っておいて直後にやっぱり良いだなんて…。
…まさか、俺がアイツのことが苦手だと気付いたのか?俺は顔や態度に出したつもりはないが、向こうの話を聞いていれば、ザフトを嫌っていることは分かっただろう。もしかして気を利かせて、連れ出してくれたのか?…本当に素直じゃないよな。
「なぁ、休憩なら、ちょっと展望台でも行かない?」
「は?何でよ」
「綺麗な景色を見て日々の疲れを癒そうぜ」
「………5分だけね」
狭い艦内、少人数のクルー。出来れば関わりたくない奴もいるが、5分でも一緒にいたい奴もいる。幸せだよなぁ…。
ディアッカと珍しい組合せのクルーが話しているのが見えた。あの人、前から食堂でザフトを嫌っている発言をしていた人だ。その人がディアッカと?心なしか彼の表情がウンザリしているように見える。
彼が世渡り上手なのは間違いないが、人間関係で気を遣って疲れるなんて可哀想だ。見ていられずに思わず声を掛けた、用なんてないのに。
知ってか知らずか、展望室に行こうと誘ってきた。まぁ5分だけなら付き合ってあげても良いけど。
テニミュドリライ中、遂に卒業公演………。