種最終回後の別れシリーズ(多分加筆する)
何しろ捕虜だった為、元から持っていたものなど何もない。AAクルーとなった後も、服や身の回りのものは全て支給されたものだ。
プラントに帰ることに決めた時、せめて彼女に何か渡したいと思った。でも支給品はほぼ全て置いて帰ることになっている。何かないのか…。
ポケットに手を入れてふと思い出した。あの時は頼まれた仕事を、タブレットではなたまたまく紙に書いてしていた。すると彼女が覗き込んできて言ったのだ。
「アンタ、意外と字綺麗なのね」
「意外って何だよ」
あの時も使っていたボールペンは、ポケットに入れたままだった。…そうだ。
「なぁ、ミリアリア」
「何?」
紙にアドレスを書き、ボールペンごと彼女の手に握らせた。
「え…」
「メール待ってるからな」
「え、ちょっと…!」
私のアドレスは聞かない訳?それじゃあ私から連絡するしかないじゃない…。それにしてもどういうつもりよ、何でボールペンまで…。
そう言えば…。どうしても理解出来ずに手こずっていたシステムの説明を、紙に書いて噛み砕いてしてくれたことがあった。とても分かりやすくて、本当に頭が良いんだな、と改めて思った。
何の変哲もないボールペンだ。でもきっと、見る度に彼のことを思い出すのだろう。意外と綺麗な字を、褐色の大きな手を、長い指を、その声を…。
捕虜だった彼は、そもそも身ひとつでこの艦にやってきた。だから何も、モノは残さず帰るのだと思っていたのに。…全く、厄介なもの残してくれたじゃない。
アドレスの紙とペンを、そっとポケットに仕舞った。
西松屋のCM!!!!!あそこだよね?!
★
DMMで見てるぼのぼの印象的な台詞
すなどりねこVSクマの大将 勝ったアンタの方がぼろぼろじゃない 俺は勝ってない、アイツが負けたと思っただけだ
後で困ることが何で今困るんだよ 生きることは困るんだ 困らない生き方なんてないんだ そしてそれは絶対終るんだ