ノイマンとフラガから見たDM
食堂でノイマンとフラガが食事をとっていた。向こうにはディアッカとミリアリアがいて、しばらくするといつもの如く彼女は不嫌そうに出て行ってしまった。それを呆れながら見ていたノイマンが言った。
「ディアッカのアレって計算なんですかね」
「あのボウズがどうかした?」
「いつもあんな調子で彼女に鬱陶しがられるのに、凝りもせずに毎日毎日。お陰でアイツ、周りからからかわれたり、話のネタになって整備班達とすっかり打ち解けてるらしいですよ。取っ付きやすい奴だって分かって、元敵っていう壁を感じない。彼女のお陰ですよね。戦闘中のアイツからは考えられないですよ」
「確かになぁ」
「彼女だって、本当に酷い状態であんな事件まで起こしたのに、アイツのお陰で立ち直って。アイツがいなかったら、一体どうなっていたか。そういうのも全部含めて計算なのかなって、つい思っちゃいますよ」
「でも俺は、アイツはとんでもない大馬鹿だと思うけどな。だってさ、エリート軍人の人生棒に振って、こんな先行き不透明な反逆者集団に自ら飛び込んできたんだぜ?たったひとりの女の子の為に。余程の馬鹿じゃないと出来ないだろ」
「…それもそうですね」
ふたりで笑っていると、気付いたディアッカが近付いてきた。
「何人のこと見てニヤニヤ笑ってんの?」
「お前って稀代の大馬鹿だよな、って話してたんだよ」
「はぁ?」
「少しくらい報われると良いな、ディアッカ」
「何の話だよ?」
Dの捕虜当初の暴言は本当に最低だったけど、大人しく捕まっていたら多分ミリィの心には残らず、その後接点もなく、仲良くならなかっただろう。つまり仲間にもならなかっただろう。結果論だけど必要だったんだよな…。
捕虜から解放する時、ミリ独りで何の警戒もなく鍵を開けた。開錠キー教えた人(マリュー?)含め、襲われる心配は一切していない、それだけ信頼している証拠。2か月間食事を運び、ある程度話をしていたからに違いない。