宮野姉妹、大明  太陽と月 | 雑種犬 G種ディアミリ/テニミュリョ桜王子/DCジンシェリ・秀明 等小話ブログ

過去作に加筆

 

 

 

「お昼はこのカフェにしましょうか。天気も良いし、テラス席にする?」

「中が良いわ。私、太陽嫌いなのよね」

「志保ったら、大君と同じこと言うのね」

「え、あの人も?…確かに太陽なんて、あの人には似合わないけど」

「志保って色白よね。普段日に当たってないんじゃないの?少しは健康的に、太陽に当たりなさいよ?」

「…たまの休日にならね」

 

直射日光の当たらない、適度に明るい席に着き、メニューを選ぶ。楽しそうに最近あった出来事を話すお姉ちゃん。キラキラ輝く、眩しい笑顔…。

 

「…お姉ちゃんって、本当に太陽みたいね」

「やだ、それも大君に言われたことあるわ!」

「えっ…」

「あなた達、やっぱり似てるわよね、本当に」

「…」

 

それは決して誉め言葉ではないが、事実かも知れない。私も彼も、日の光の中を堂々とは歩けない。夜の方が体に馴染む。圧倒的な存在感の太陽に照らされてやっと、存在していることが分かる、月のようなものだ。

 

側にある太陽が、冷たい心と体を温めてくれる。時々眩し過ぎて、直視することが出来なくなる。熱過ぎて、近付き過ぎるとこの身が焼かれてしまう。

でも、太陽なしでは生きられないのだ、私も彼も。だから恋しくて愛おしくて、いつまでも輝いていて欲しいのだ。温めていて欲しいのだ。