ASDの人にサリーとアン問題は解けない
とよく言われます。
しかし、この問題をなんなく解けるASD者もいます。
私は、この
サリーとアン問題
は、いいところをついているのだが、もうひと押しが足りないと思っています。
どういうことかと言うと、
ASDの人は、実際の場面でサリーとアンのような立場になるとサリーとアンのようになる(高確率で的確な判断ができないということ)
ということです。
ペーパーテストというのはいわば「学校のテストと同じもの」です。
つまり、ペーパーテスト形式は、ASDであっても、慣れているのです。
ペーパーテストは、じっくり考えるための余裕があります。
また、「テスト」なので、「なんかひっかけがあるんじゃないか?」と勘ぐることができます。
だからペーパーテストとしての「サリーとアン問題」は、ASDでも解けるのです。
しかし、仕事などの実際の場面では、常に自分の判断が求められます。
そういう時には冷静な判断ができません。
だから、本来のASDが出て、間違います。
つまり、サリーとアン問題をペーパー形式でやるのではなく、実際の場面でやってみるのです。
すると、ペーパー形式では正解していたASD者でも間違うでしょう。
仕事などの実際の場面では
● 瞬時の判断を求められる(ペーパーテストのようにじっくり考えられない)
● 責任を持たされる、負わされる
● 誰も助けてくれる人がいない
などのいろんな要素が入り込み、よりASDが出やすくなるのです。
また、ASD者の多くは、人に(自分の思っていることを)的確に伝えるという面でも定型よりも劣っていることが多いため、誤解を生みやすいともいえます。