今日は一気に全員分書いたらだいぶ長くなってしまったので日記部なしです。
本日の記事は
2021年4月4日収録 4月5日13:00配信分で観ました
お芝居
UPSIDEDOWN~クリスマスに誘拐されました
の思い出 ラストです。
※画像は公式twitterからいただきました
本編の感想は前回の記事であらかた書いちゃったので、今日は役者さんについて書きます。
で!
またしても前置きですが、今から書くことはあくまでも「演劇」で観た「役」に対しての感想です。
その役者さんご本人の人となりとか演技プランとか他の作品とか全く知りませんし考慮も
してません。今回のお芝居の中だけで書いてますからその点ご理解下さい。
4.この日観た役者さん
※役者さんのお名前(役名)
※水谷千尋(ちっぴー)さんと吉岡大輔さん以外は初見です。
(1)蜂須賀智隆(重松隆)さん
【脇役感ハンパない】
①主人公
バイトでサンタの衣装を着てケーキを売ってる
②めちゃ演技が上手い!
演技時間の半分は泣き叫ぶか半泣きなんですけど、興奮状態の演技でありながらちゃんと
強弱があります。
更に後半では、それまでの情けない感じを維持しつつ「堂々とした演技の演技」を見せるトコが
上手いです。
キャラにはあくまでも一貫性を持たせながら、グラデーションで演技できるので全然違和感が
ありません。
③主人公っぽくない
「人生の脇役」みたいな役を演じてるせいか主人公感が全くありません。めっちゃ脇役っぽいです。
お芝居が終わった後のご挨拶の時も、必要最低限のことだけ告げてさっと去っていきました。
役になりきってるのか、元々こーゆー人なのか、なんとも言えないマット(つや消し)な存在感が
独特です。
④その他
お辞儀の時の手の動き(運び)が特徴でキレイ。おれもマネしようと思いました。
(2)小山蓮司(宮本和輝)さん
【靴が赤すぎる男】
①ほぼ主人公
物語内的には主人公
お芝居的にも一番出番が多かったし、目立つ役でした。
②叫ぶ役者の会
印象に残った演技は「叫び」です。とにかくずっと叫んでた印象です。
声質がかっちょいいので叫ぶ感じがすごく様になっています。
靴もめちゃくちゃ真っ赤だし戦隊モノのリーダーって感じです。
③一本調子
そーゆー役なんでしょうが、ピーキーゆえに高回転のまま回転数を落とさないので何となく
一本調子な演技に見えます。後半の重松とのやり取りとか、もっとコミカルさがあれば
わかりやすかったのになと、おれの「演劇リテラシー」のなさを棚に上げて思うわけですw
④気になる
登場の瞬間から真っ赤な靴に目が行ってしまい、そこばっか気になりました。
あれって衣装なのかなぁ?なんか意味あるんだろうか?もう一組の宮本はどんな靴履いてた
のか気になるところです。
(3)吉岡大輔(村上治夫)さん
【ツッコミ不在で孤軍奮闘】
①目立つ方の悪役
悪役2名の内の1名。下っ端でゲヒゲヒ言ってるタイプの悪役ですが、目立つ方の悪役です。
しかしてその正体は寿司屋(村上寿司)の息子。
②道化役
お話し的にはいなくても大丈夫な役だが、お芝居的には不可欠な存在。
全体的に「陰」な物語に「陽」をもたらし、かつ前半から後半への展開に連続性を持たせる
重要な役割。
逆にそれだけの為にいたかと思わせる。
こーゆー異質な存在を演じさせると吉岡さんはピカイチ!
めっちゃ浮いてるのに馴染んでる。エマルジョンのような演技。
③コメディ未満
この作品は展開こそマンガ的ですが、コメディと呼ぶには少々物足りなさを感じます。
最大の理由は「笑いが足りない」からです。
その原因の一つに、吉岡さんの面白い演技に上手く絡める人がいなかったことが挙げられます。
もちろん敢えてそーゆー演出でコメディの「強度」を抑えてたのかもしれません。
配信を見ながら、吉岡さんが良い動きをするたびに「誰かツッコんだれ!!」って思ってました。
④顔が見たかった
絶対ところどころ面白い顔とかしてるハズなのに配信は引きの映像ばっかで見えません。
現場だったらしょうがないけどせっかく配信なんだからUPの映像も欲しかったなぁと思います。
・・・まぁ覆面被ってるから結局見えないかもですけどw。
(4)水野奈月(唯川恵美)さん
【語り部じゃなくて語らし部】
①キーマン兼進行係脇役
脇役の中では最重要な人物です。この物語を成立させるために不可欠な存在で説得力の
大部分をこの人が担っています。
②絡む女
進行方法としては、全ての登場人物に絡んで(会話して)、色んなお話を語らせる役目です。
テンポ良いセリフで登場人物と上手くキャッチボールできてていい感じでした。
③長いセリフなのに聴き心地が良い
おれが一番すげーなーと思ったのは、後半に重松が帰ってきた後、仲間に新たなシナリオを
伝えるときの一連の長いセリフです。クライマックスの一つに挙げても良いと思うくらい聞いてて
気持ちよかったです。
また短いセリフも決して悪くないです。特に後半のポンポンと歯切れのいいセリフはホント
聴き心地が良いです。
一人で色んな役をやってるくらい演技に幅のある役。お芝居が上手い人にとっては、これは
良い役だろなーと思って観てました。
(5)水谷千尋(東野藤子)さん
【やっぱちっぴーじゃん!】
①スタンダード脇役
ストーリー的には多分、一番重要ではない役だと思います。実際、前半の大半はソファで
寝てるだけでしたw。後半においても見せ場らしい見せ場はありません。
②ポジション的にヒロインかと思いきや・・・
並び的にはヒロインポジションなんかなぁと思って観てましたが、前述のとおりさしたる見せ場は
なく、そもそも「重松とはそんなに関係性は深くない」って事がわかったときは
「もうちょっとなんか設定できたろー!」
って思いましたw
③出番少ない!
そーゆーわけで、全体的に出番(見せ場)が少なかったのが正直不満です。
こんな事言ってはなんですが、おれの目当てはちっぴーさんなわけですから。
とは言え今回の役は悪くないと思っています。おれが知ってるちっぴーさんそのまんまだからです。
役者さんってのは色んな役をやられるわけですが、毎回ファンが望む役をされるとは限りません。
毎回舞台を観る前は「自分のイメージと違う役だったらどうしよう」って意味なく心配になるわけ
ですが、良いのか悪いのかちっぴーさんは、今のところ何やってもちっぴーさんで安心ですw
ちっぴーさんをオファーした人もわかってんだなと思います。
④おもしろかわいい
ちっぴーさんらしさは「おもしろかわいい」トコだと思います。
ずば抜けてかわいいってんじゃないですけど、やることなすこと嫌味なく「かわいい成分」が
含まれています。
チョコレートで言うと塊じゃなくてチョコチップ。かわいいが散りばめられてる感じです。
⑤「まだ22歳よ!」はギャグなのか?
ちっぴーさんのセリフ「私まだ22歳よ!」を聞いて、クスクスっとしてしまったのですが、
それはおれがちっぴーさんの実年齢を知ってるからであって、知らない人からしたら全然
おわらいポイントじゃないかもと思い直しました。
このセリフはギャグなのか普通のセリフなのか、いまだにおれの心の中で物議を醸していますw
(6)青瀬博樹(東野圭司)さん
【目立つわりに印象が薄い】
①悪役
悪役その2。親分っぽいけど目立たない方の悪役。
その正体は、ちっぴーさんのお兄さん役です。
②見せ場がない
悪役の特性上、主役・準主役に次いで出番が多いです。
脇役陣の中では一番、出てる時間が長いです。
しかし!
出てる時間が長いわりに、これと言った見せ場がありません。
③スタンガンしか思い出せない
だもんで、正直なところ全然印象が残ってません。
「どこのシーンが良かった?」と聞かれても「スタンガン」しか思い出せません。
④サングラスとマスクとスタンガンと私
これだけ印象が薄い原因の一つとして「サングラスとマスク」が挙げられると思います。
顔が見えない上に、配信だと喋ってるのか喋ってないのかもわかりません。
普通、お芝居のサングラスやマスクは個性を付けるための小道具のはずなのに、配信だと
そのサングラスとマスクが普通に本来の役目を果たしてしまうのです。
そこに持ってきて「スタンガン」。このお芝居に限って言えば、スタンガンはスターウォーズの
ライトセイバーくらい存在感がある武器です。一番目立たない人が一番目立つ道具を振り回す
もんだから、そりゃ「スタンガン」以外の印象は残らないって話です。
(7)桑原とおる(薄井裕太)さん
【短時間で印象深い】
①いじられ仲間脇役
役どころとしては、父親が市の福祉課で働く役人。色々あって現在宮本の兄。
仲間とは少し違う行動をしますがそれで逆に仲間の結束が固くなるような・・・良い感じの
いじられ役です。
②複雑な役
出番は後半のみでそんなに多くはないですが、コミカルな演技は後半のお芝居の雰囲気作りに
欠かせません。ただのおもしろ担当だけではなく、お芝居的に色んな要素を持ったなかなか
複雑な役です。
③見せ場が多い
先の東野とは逆で、出てる時間は多少短めですが見せ場が多いです。
その一つ一つが印象深くて「第1回UPSIDEメリクリ人気キャラクター投票」とかやったら
間違いなく上位に入りそうな勢いです(微妙なホメ方w)。
④大きな動きと大きな声
登場人物がたくさん出ているシーンで最もセリフの識別が付きやすかったです。
声質の良さもさることながら、大げさな動きとクリアで大きな声のバランスが良くて配信でも
「ああ、今この人が喋ってるな」というのがわかりやすかったです。
それがお芝居の上手さかどうかはわかりませんが、唯一「配信向き」の演技をされてた
気がします。
(8)森下和(妹尾薫)さん
【おれ的助演男優賞!】
①大物ポジション脇役
役柄は実況アナウンサー。主要な登場人物と絡むことはありませんが非常に重要な役割を
担っています。
映画とかだったら、大御所の大物俳優の人が呼ばれてやるような役です。
②奇跡の実況アナウンサー
15年前の事件そして現在の事件、図らずもこれに奇跡の演出を施したのがこの人です。
③静かな名シーンがいっぱい
姿の見えない声だけの実況以外は、記者の倉本との「立ち話」のシーンのみ登場します。
進行する物語と並行する形で、そのシーンは挿入されますが、後半に続くにつれて色々な
謎が明らかになっていきます。その時の会話が抜群に良いです!間とかセリフとか手振りとか
演技がめちゃ上手いです。
「君は記者より探偵の方が向いてるんじゃないかぁ」って言って去っていくシーンとかすっごく
良いです。ここだけ何回も繰り返して観ましたw
④声がめちゃめちゃ良い
さすがアナウンサー役をやられるだけあって、声がめっちゃ良いです。明瞭かつとてつもなく
通る声です。
お芝居終わりのご挨拶で全出演者が一斉に「ありがとうございました」って言う時あったんですが
森下さんの声だけめっちゃ通ってました。
上記③とも関連しますけど、なんせこの人の会話の演技は絶品でした。
今回のお芝居でおれが一番気に入った役者さんがこの人です。
(9)平田耕太郎(倉本壮志)さん
【昭和の新聞記者】
①推理担当脇役
役柄は社会部の新聞記者。
この物語を物語たらしめる上で絶対に欠かせない役です。
②謎解き的面白さ
幾分無理のあるストーリーに、倉本の「語り(謎解き)」が加えられることによって徐々に
納得感が出てきます。単なる断片的な出来事が物語として形を持つことになります。
③会話シーンが良い
アナウンサー妹尾との会話に引き込まれました。
ラストの主要登場人物とのやりとりもまた良い感じです。
セリフ自体はこれってのはないんですが、誰とどう絡んでもとにかく間が良いです。
「妹尾が一番」と言いましたけど、もしかするとこの人との絡みだから良かったって可能性も
あるかもしれません。
④衣装がなんか昔っぽい
確かに見るからに新聞記者って感じはしますけど、今時あんなフラットキャップ被って、
ベスト着てシャツの腕をまくった新聞記者なんています?
お芝居の一番最初に出てくる登場人物がこの人だったので、おれは
「この作品はちょっと昔のお話なんだな」と思い込んでしまったくらいです。その後「スマホ」って
セリフが出た時に「これもしかして現代の話?」ってようやく気付いたくらいです。
ただまー2時間ドラマの主人公よろしく事件の謎に独断で迫っていく姿は「昭和の男」って感じが
して良かったです。最後のクサいセリフも令和じゃあなかなか出てこないですよねw
色々勝手な感想を書かせていただきましたが、多分、もう1回観たらもうちょっとお話への理解が
できて、作品も役者さんも感想が変わる気がしています。ただこう感じたのは事実なので記録として
残しておきたいと思います。
5.まとめ
(1)新規や素人に忖度しないお芝居
「お話はイマイチ、演出はそこそこ、役者さんは抜群に上手い」
・・・てのが全体的なイメージですが、多分、それはおれが「観劇素人」だからです。
twitterなんかを見てますと、他の方・・・恐らく演劇ファンの方のものはとても「読解力がある」
感想が多かった気がします。
twitterの中においては「予め感動する準備ができた」観客がほとんどだったからではないかと
思います。
この作品に限らず「わかってる人向け」のエンタメには一つの傾向を感じます。
それは観客に「業界内」の一種身内の人の割合が多いというところです。
特に小劇場系の演劇では、その傾向は顕著な気がします。
観客層がそうなると当然お芝居もそーなるんだろうなぁと・・・今まで割とわかりやすいお芝居しか
見てなかったので、今回の「わかってる人向け」っぽいお芝居は新鮮な感じがしました。
(2)次回の集客は、今のお芝居が終わった時が一番大事
お芝居の最後に「#UPSIDEメリクリ」で感想を書いてくださいってアナウンスがありました。
どんな感想があるのかなぁと思ってちょっと見てみたわけですが、おれの探し方が悪かったかも
しれませんが、半分以上は出演者か関係者で、純粋な観客のポストは正直思ったより少なかった
と思います。
以下は完全な推測ですけど、これには理由が2つあって
①観客に身内が多い
②感想へのリアクションがない(少ない)
からじゃないかと思います。
特に②の理由は大きい気がします。
それは、お芝居でもお笑いでもアイドルでもいわゆる「ライブハウス」的な小さな小屋でやる
エンタメのお客さんが望むものは「コミュニケーション」でもあったりするからです。
コロナで舞台後のご挨拶タイムがない今、SNS上でのコミュニケーションは重要な手段の
一つだと思います。
観客の興味は、お芝居を観終わった瞬間が最も高いです。
その時に「ファンにする」工夫をしないと、いつまでたっても身内でチケットを融通し合うサイクル
から抜け出せない気がします。
前から同じこと言ってますけど、
「次回の集客は今の舞台が終わった時から始まっている」
と思います。
つーわけで、本日の記事はここまで!
また次回。
【今後の記事の予定】
①ツリ ィハウスvol.9」@寺田 町Fireloop(2021.4.17)
②ふ くやま国際大 道芸(2021.5.15)
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〇私家版「魔法 女子☆セイ レーン3/4史」第3章
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