くぴぽワンマン「家虎の穴〜IDOL OF DARKNESS」(2020.8.26) | フライパンしか持ってな「かった。」

フライパンしか持ってな「かった。」

【初めてお越しの方へ】
まず「このブログの説明」をお読みいただくと助かります。
【ちょくちょくお越しの方へ】
たまに「このブログの説明」を読み返していただくと良いかも。

 あけましておめでとうございます。

 本来は喪中真っ只中の為、おめでとうのご挨拶は控えるべきところでありますが、
そーなると新年に一体どーゆー挨拶をすればいいやらわかりません。
 つーことで、もうめんどっちーので「あけおめ」でよろしくお願いいたします。

 それでは、2021年1発目の記事にいきたいと思います。

 2020年8月26日(水) 配信で観ました

 くぴぽ新体制ワンマンライブ  
「家虎の穴〜IDOL OF DARKNESS」
  at 心斎橋サンホール

 の思い出 です。


1.はじめに

(1)2度目の配信視聴
  この日を遡ること一月前、ほんぼさんの卒業ワンマンがありました。
  その時は現場に行きたい気持ちを抑え、泣く泣く配信視聴を選択したわけですが、予想以上に

 画質が良くって「思ってたより悪くないじゃん」てなことを思ったわけです。
  
  で!この日のワンマン。もちろんおれは行く気わんまん・・・いやまんまんでしたが、コロナ事情を

 考え、また前回の配信がけっこーキレイだった事もあって、前回よりはちょっと前向きな感じで

 配信視聴を選択しました。

 

2.結論

(1)面白かった
   エモいとか沸くとか、ライブの良さを表現する言葉は幾つかありますが、今回のライブはシンプル

 に面白かったです。
  お芝居パート+歌パートという「くぴぽワンマンの定番フォーマット」は既に確立されており、

 内容もとても良く出来ています。ショー全体を通じた完成度が高いと感じました。

(2)あむさんデビュー!
  今回のワンマンの目玉は新人のあむさんのお披露目です。
  くぴぽファンとしては見逃すわけにはいきません。

  特に今回は
   ①前月に、ほんぼさんが卒業されたばかりな上、
   ②ライブ直前に、twitterであむさんのビジュアル公開と

  くぴぽさんにしては珍しく仕掛けが出来ていた事もあって、ファンの人の注目はいやが上にも

 高まっておりました。
  
  配信とは言え、あむさんのデビューライブが観れたのは良かったです。

(3)見やすい映像・聴きやすい音  
  お聞きしたところ前回と映像チームは違うらしいのですが、今回の映像も非常に良かったです。
  前回は、主にフロア後ろからの映像でオタクの人も度々映る等、ライブ感が非常にありました。

 一方、今回は、ステージのみ最前正面から映した映像で、舞台中継的な観やすい映像となって

 いました。

  また音に関しても現場のスピーカーから流れる爆音と違って、クリアで聴きとりやすいです。
  ライブは絶対に現場のが楽しいと思いますが、音に関してだけはおれは配信の方が良いです。

  今もってアイドルライブと言えば「沸く/騒ぐ」前提で作られていますが、コロナ時代における
 現場ライブはステージには透明アクリル板、観客は全員着席、音はヘッドフォンで聴く・・・てな
 ショーもその内現れるんじゃないかなーと思います。

  以上3点をもって、今回の配信におれは十分満足できました。

3.本編

(1)お芝居パート
  くぴぽさんのワンマンとして、定番のショースタイルですが、今回は特にお芝居のストーリー

 が良かったです。

  【良かったポイント】
 ①あむさんを全面的にフィーチャリング
 ②ファンが喜ぶ「楽屋落ち」的小ネタ
 ③ショー全体を統一的に演出


  前回のミナミの帝王のパロディも良かったですが、ほんぼさんのご卒業というシチュエイション

 とは少しアンマッチな感じがしました。もっともそれは服部さんが「湿っぽくならないよう」敢えて

 そう仕組んだ狙いがあったように思います。

  今回はあくまでもお芝居とは言え、くぴぽさんのメンバー事情を内側から斬り込みつつ、

 新人のあむさんを紹介するというお披露目ワンマンとして相応しい(相応しいか?w)内容に

 なってました。

  またお芝居はショー全体の縦軸となっており、歌パートでもお芝居は継続しています。
  歌割等に思い切った仕掛けをする等、見応えのある構成になっていました。

  また小ネタ的に

  ・前回の40万円の設定を今回も引き継ぐ
  ・服部さんが当時ハマってたプロレスネタ
  ・同業/オタクいじり


  等、常連ファンだけにわかる身内ネタ要素も多数仕込まれてあって面白かったです。


(2)歌パート

 ①沢山聴けた
  本編約1時間15分のライブ、お芝居パートがそこそこ時間を占めていましたが、歌パートも
 十分楽しめました。

 ②お芝居からの流れ
  前述通り歌パートでもお芝居のストーリーが継続していました。
  歌割や落ちサビがいつもと違ったりしましたが、セルフパロディ的なストーリーの中での話なので
 違和感なく観ることができました。

 ③ジャイアントスイング
  くぴぽ名物ジャイアントスイングは今回もありました。
  今回はなだれさんが回され役となりましたが、各メンバーそれぞれが実にスムースに

 回されていました。
  なだれさんの飛びつき方と回し役メンバーの回転フォームが揃っており、相当練習された跡が

 伺えます。

  お客さんとの接触厳禁なご時世の中「どうやってメンバー間で回すか?」という課題を持って、
 真面目に試行錯誤されてきたのだなーと大いに感心いたしました。
  とは言え、この段階ではまだ完成形ではなく、その後のライブでステージ上の見栄えや

 準備時間等を考慮し、その後はジャイアントスイングそのものを見直す等、今もって試行錯誤は

 続いておられるようです。

  歌とダンス、それと同等かそれ以上に「ジャイアントスイング」にこだわるくぴぽさん
 (・・・と言うか多分、服部さん)らしいなと思いました。

(3)メンバー
    
 ①服部さん

  1)演出家/脚本家として
   今回のお芝居の台本をどなたが作られたか、はっきりとはわかりませんが恐らく服部さん

  だと思います。
   服部さんの趣味と毒気が全面に溢れ出た脚本と演出は服部ワールドと呼べるものでした。

   また新人のあむさんをフィーチャーしつつも他のメンバーの見せ場も作る等バランスも取れて

  いました。
   普段ステージ外でメンバーと絡む様子が殆ど公にならない服部さんですが、なだれさんが

  メンバーをディスる時のセリフ等、よくメンバーの実情が分かってるなーと思いました。

  2)パフォーマーとして
   今回含むここ最近の傾向としてはダンスがかなり上達されたように思います。
   ここ1~2年のくぴぽさんは楽曲的にもメンバー的にもよりアイドル傾向が強まってきて

  いますので、必要とされるスキルに占めるダンスの割合が上がってきた結果だとは思います。

   ただご本人の頑張るがあっての事は間違いないと思います。
   また頼れるメンバーが増えたおかげで、服部さんが場持ちを気にせずバックスに集中できる

  ようになった事も少なからず影響していると思います。

   今のポジションは本来のシニカルなツッコミ屋さんとしての本領が出しやすいと思います。

 ②ひめちゃんさん

  1)信頼されている
   お芝居とは言え、らしくないキャラを演じておられましたがストーリーの進行には欠かせない役

  でそれだけ服部さんから信頼(もしくは都合よく)されているのがわかります。
   ステージ上の事ならば、およそ器用に何でもこなせるのでユーティリティープレーヤーとして、

  くぴぽさんのライブには欠かせないメンバーです。

  2)消えないアイドルの陰
   ライブ終わりの挨拶時、来場者へはもちろん配信視聴者への挨拶を忘れないところは流石

  だと思いました。
   ああ見えて色々気が回ってしまうのが、ひめちゃんさんの長所であり短所でもあると思うのです

  が、それはまだまだステージ上で余裕があるからだと思います。
   ステージ上のひめちゃんさんは見れば見る程、感心するところが沢山あるのですが、一方で

  「アイドルの陰」がより色濃くなってきているようにも感じます。気が回るという能力は、先を読む

  能力とも言えます。エンタメ界がこーゆー状況になって、恐らく一番先行きに不安を感じている

  のはひめちゃんさんではないかなと思います。
   アイドルとしてそこそこのキャリアを持つひめちゃんさんですから、もう今までと同じ景色ばかり

  では満足できないと思います。一日も早く「売れた世界」を見て欲しいと思います。
  
 ③なだれさん

  1)多彩な表情
   なだれさんと言えば、アイドル界1・2を争うほど「めっちゃ楽しげにライブをする」アイドルさん

  ですが、この日もまた楽しげでした。

   ただ今までとちょっと違うのは、表情にメリハリができていた事です。
   ライブ全編が歌パートも含めてお芝居の中に組み込まれていた影響もあろうかと思いますが、

  ただただ楽しいだけでなく、泣いたり怒ったり困惑したり・・・色々な表情が見れました。   
   これは今後パフォーマーとして更なるステップアップの為に非常に重要な事だと思います。

  2)ご生誕サプライズ  
   本来なら別日で行われる予定であったなだれさんの生誕祭(3/3)。2020年は残念ながら

  開催ができませんでした。その替わりにこの日ファンの人がラストの「PAINT PAIN 平成」で

  サプライズお祝いをされてました。
   残念ながら配信にはフロアの様子は映りませんでしたが、その後のMCの内容からフロアは

  なだれさんの担当カラーである青色(のサイリウム?)で埋め尽くされていたようです。
   こーゆーのって良いですよね。

 ④あむさん

  1)衝撃デビュー   
   前述通りこの日があむさんのデビューライブ。
   通常のお披露目ならライブ後半のMCの時くらいから出て来て、残り2~3曲でお披露目って

  パターンが多いのですが、あむさんはライブ冒頭のお芝居パートから、トップで登場されました。
   お芝居パートの主役はあむさん。そして歌パートにおいても全曲、メンバーと共に歌い・踊り

  されました。
   事前にtwitter上で「顔見せ」もあり、登場のサプライズこそありませんでしたが、予想のはるか

  上を行く「仕上がりっぷり」には本当に驚かされました。すごい大物新人だと思います。
 
  2)完成形アイドル
   自ら「新メンバーで新エース、新センター」と名乗る(お芝居の中です)だけあって、これが
  初アイドル活動の初ステージとは思えない完璧なアイドルっぷりでした。

  【アイドルさんの基本3技能】である
    ①歌
    ②ダンス
    ③トーク

   の内、少なくとも①②は軽く標準をクリアしています。加えて

  【アイドルさんの個性3技能】である
    ④キャラ
    ⑤特技
    ⑥趣味

   の内、④のキャラがお披露目ステージで既に出来上がっているのは本当に凄い事だと

  思います。

   アイドル活動は初めてとの事ですが、コンカフェの名門「エミュリボン」のご出身であり、

  アイドルとしての基礎はそこで確立されていたのかもしれません。  

   ※コンカフェってのに行った事ないのですが、アイドル業界とかなり近しい位置関係にあり
   ・これからアイドルを目指される人
   ・現アイドルのバイト先として
   ・元アイドル
   が多数働いてらっしゃいます。
 中でもエミュリボンは、アイドル界のレジェンド栗原ゆうさんが主宰されている名門中の名門です。
   
  3)アイドル芸
   これはこの日に限っての話ではありませんが、あむさんはアイドル芸に長けており

  セルフプロモーションがとても上手いです。恐らく歴代くぴぽメンバーの中では最強に近いと

  思います。
   現代型アイドルが人気を得るにはアイドル芸は不可欠であり、それを難なくこなされているのは
  相当な才能だと思います。

  
  【アイドルさんの人気3要素】
    ⑦容姿
    ⑧人柄
    ⑨アイドル芸


    表面的にわかる部分だけで、あむさんは⑦と⑨を満たしています。
    特に⑦は歴代メンバーが誰もやらなかった「セクシー要素」を武器に、新しいオタク層を開拓
   しているようです。 

  4)あむさんまとめ
   上記をまとめますと、あむさんは新人ながら既にアイドルさんに必要な技能や要素を多く

  持っています。
   お芝居の中だけでなく、本当に新センター・新エースが狙える位置にあると思います。
   今までのくぴぽさんは「フレキシブルセンター制」でしたが、今後のあむさんの人気次第で

  それを覆してしまう可能性もあります。
   
   ただ一つの懸念は、あむさんの卒の無い「玄人っぽさ」がどれくらいオタクの人に受け入れ

  られるかと言う事です。

   多くのオタクの人の価値観は

  「初々しさ>熟練」であり「天然>計算高さ」であり「素人っぽさ>玄人っぽさ」
  になっています。

   この傾向は特に長くアイドルオタク専門でやっている人ほど強く表れるようです。
   くぴぽの主たるオタクの人は、そのような層ではありませんので一概には当てはまらないと

  思いますが、あむさんが今度どのような客層を取り込まれるのか大いに注目したいところです。

   聞くところによりますと、あむさんは看護師の学校をご卒業されながら、葛藤の末アイドルの道

  を選ばれたとか。
   となれば伊達や酔狂でアイドルになった「やってみた」勢とはワケが違うと思います。
  「相当の覚悟」と「一定の勝算」を持ってアイドル業界に入って来られたと思います。
   見た感じの性格もアイドル向きのようですし、重大な契約違反的な失敗をしない限り心配する

  要素は無さそうです。
 

4.その他

  とても楽しくかつ「良くできた」ショーだったと思いますが、1点だけ気になるトコロがありました。
  それはお芝居の中のセリフです。
  オタクに対して「こいつらは新しいかわいい子が入ればすぐ推し変する」てな感じのセリフ

 がありました。

  おれの観察ではこの見解は、大多数のオタクには当てはまりません。
  殆どのオタクの人は、極めて一途で義理堅く推し増しはあっても、そうそう簡単に

 推し変はしません。
 
  ましてや「かわいいから」ってだけで推し変したオタクをおれは見た事がありません。
  更に言えばオタクの人にとって「界隈」はある種推し以上に大切なモノで、現場を変わる推し変

 は、決して簡単な事ではありません。
  そもそも服部さんもくぴぽが容姿でファンを獲得してきたグループでない事は充分わかっている

 ハズで。

  服部さんとてオタク経験こそないモノの、長らくステージの上や裏からオタクを見てますから、

 ネタ的な面白さで「かわいい子を見たらすぐ推し変する」と言った台本を書いたのかもしれません。

 しかし「夏盛り卍SUMMER」の歌詞にも同様な表現がありますし、どうもオタクの生態を見誤って

 いるように思えるところがあります。  

  アイドルの人からすれば推し変は「なぜ?」と思う事いっぱいでしょうが、その理由を語る

 オタクはいません。それが優しさであり、マナーだからです。
  だからと言って理由がわからないアイドルの人が「かわいい子に移ったんでしょ」と考えるのは、

 オタクの人を軽く見過ぎ・・・と言うか、恐らく「自分に原因が無い」と思い込みたい心理からだと

 思います。

  敢えて断言しますが、オタクが推し変する理由は「推しがい」がなくなったからです。
  そしてその原因の80%は推し変されたアイドルさん側にあります。

  誤解無きようこれはどっちが良い悪いの話ではありません。
  あるオタクの人のニーズに合わなくなったという事実があるのみです。
  一定の期間をもって、推し変する・されるの関係はむしろ健全な関係だと言えます。

  ただし、それが余りにも連続するようであれば、何か致命的な問題があると考えた方が

 良いでしょう。
  
    
5.まとめ   

  近代型アイドルパフォーマンスの一形態に「バラエティ」と言うスタイルがあります。
  くぴぽさんはその典型的なパフォーマーと言えます。
  歌や容姿部分の上積みはそう簡単ではありませんが、+αの部分はいくらでも工夫する事が

 出来ます。アイディアさえ続けば伸び悩む事もありません、

  今、ショウビズ界の中でもっとも自由度が高いのがアイドル(地下)界と言えます。
  玉石混交、ピンからキリまでひしめき合うアイドル界で頭角を現すのは並大抵ではありません。
  しかし歌でも容姿でもなく「+α」の部分で一発当てる事ができるのが魅力でもあります。

  アイドルさんであっても、いやだからこそ「芸を磨く」必要があると思います。
  
6.最後に
      
  2020年12月31日をもって、くぴぽさんは所属事務所であるミニマリング社を退社されました。
  1年も所属してませんでしたし、所属中もパフォーマンスの内容が変わった印象はありません

 でした。なので、ミニマリング退所の影響は軽微なものだと思います。

  が!

  事務所に所属するメリットは、資金力とプロモーションだと思います。
  それを失ってみてどんな影響がアルノカ?ファンとしては気になる所ですが。それは多分、

 もう明日にも影響が出ている気がします。

  明日2021年1月9日(土)は、服部さんとひめちゃんさんのご生誕記念ワンマンライブです。
  事務所所蔵の頃はライブは配信がありましたが今回はありません。
 
  もしかするとこーゆー所に影響が出ているのかしれません。
  年が変わってもまだまだ続くコロナ禍の中で、再びセルフ運営に戻る事が果たして吉と出るか凶と

 出るか?くぴぽさんの試練はまだまだ続きそうな気がします。
  
 

 てなトコで本日の記事はここまで!
 それではまた。

【今後の記事の予定】
 ① マシェバラに関する考察   
--------------------------------------------------------以下、備忘の為 
  〇私家版「魔法 女子☆セイ レーン3/4史」第3章
 
 ※検索に引っかからないようお名前の間にスペースを入れています。