Zarchery's fanciful story -4ページ目

Zarchery's fanciful story

Zarcheryが考える物語。ただしストーリは気が向いた時に書き、予告なく変更される。たとえそれがすでに公開されている内容だとしても。そんな物語をはたして貴方は読む気になるだろうか?
                 - Since March, 2007 -

水槽に入っていない生命体が首をねじって片目をBCに向けている。瞳孔が開ききって、眼球が飛び出そうな顔をした深緑の生命体。だが恐怖の理由はそれだけではない。明らかに異形だ。体が地面にある土に密着している、いや植え込まれている。恐らく“足”の代わりに植物と同じ“根”が土の中にある。そして“片手”と思われる部分も上半身から伸びて土の中に沈んでいる。サルが座りながら尻をかくような形で“3点”が植物の根として、残りの1点、いや右腕だけが人間の手と思われる。しかしながら“両手”の位置が同じでない。若干の誤差ではあるが左手が右手よりやや下から生えて地面へ伸びている。しかも右手は腕がねじれているかのような状態。その両手の少し上に肩のような張があり、先に頭部がある。顔の皮膚は完全に爬虫類だ。眼球自体は人間と同様だが位置が爬虫類と同じように離れて配置され、鼻がなく、口が中心から少しずれた位置に存在する。植物寄りの人間と爬虫類の混合生命。

BCはしばらく動くことが出来なかったが、その生命体が発した言葉によって落ち着きを取り戻し、近づいた。

「だぁれぇ~なぁんのぉ?」

BCはその“植物寄り”生命体の前にあるプレートに視点を合わせる。


Code name : AC


そう書かれていた。

「貴方の妹よ」悲しそうな、それでいて優しい声で水槽の中の生命体が答える。

「いもぉ~とうぉ?」プレートにACと書かれている方の生命が低い声で言う。

BCは驚いて水槽の生命体を見た。すると女性的な声でその生命体が再び言葉を発した。

「貴方がBCね?」

「え?」BCは驚いた。

「あぁ~。知ってぇるぅ。ビィーシィーゥ。白ぉ~い、へぇやぁにいるぅ」

「そうよ、真っ白いお部屋にいるの。貴方の妹」

「い・・・妹?ビー・・・シー?」BC首を傾げた。

「そう、貴方の名前はBCよ。そして貴方の前にいるのが貴方のお兄ちゃん」

「お兄・・・お兄ちゃん?」BCはどう見ても自分とは異なる生命体が兄だと言われて戸惑った。

「ええ。貴方よりも1年早く生まれているからお兄ちゃんなの」

BCは自然と足が水槽の生命体に向いた。まるで人魚のようだった。ただ、絵本で見た人魚のようには美しくない。下半身の魚的な部分は何故か灰色だった。そして上半身の一部に斑点のように緑色の部分が存在しそこから水草と小さな根が幾つも生え、手は肘から下がトカゲのような形になっている。顔は水中で鯉のように口をパクパクさせなければとても美しい女性だと思った。

「あの子はAC、貴方はBC」

「貴方は?」BCが聞く。

「・・・・。何て言えばいいかしら」水槽の中の人魚は悲しそうにそう言った。

BCはACと同じように配置されている水槽の前のプレートに目を向ける。


Code name :    


そこには何も書かれていなかった。



ヒロアキは相葉の言葉を聞きながら疑問が浮かんだ。
「お前さ、酒は飲んでないって言ったよな?」

「うん」

「じゃあ、なんでビールもって。ビールがまずいって何でわかるんだ?」

「ああ、もう1人いたんだ」

「もう1人?」

「そう、オレと同じように吐いちゃった子が」

「女の子か?」

「そう、一昨日まで海外にいて、昨日、日本に帰ってきたらしい。」

「なるほど。で、可笑しなことって?」

「彼女、ああ、その吐いちゃった彼女だけど、ユカリちゃんっていうんだ。ユカリちゃん、昨日は親のところに顔出したらしいけど、そこでは変な味しなかったって。もちろん、自分のアパートの水も」

「で?」

「で、ユカリちゃんと、口直しじゃないけど、食事でもって思って近くのレストランに入ったら・・・・」

「お前、そのユカリちゃんに乗り換えたのか?」相葉がいい終わらないうちにヒロアキが口を挟む。

「まだ・・・これから」相葉が笑って言う。

「これからって・・・」

「だって、今の彼女は無理だよ。味の味覚が違いすぎるだろう?でも、ユカリちゃんは味覚が同じだから」

「そういう問題か?」

「それは、とりあえず置いといて。で、水の話!」

「あぁ」ヒロアキは本題からそれてしまったことに気づいた。

「とにかく、そのレストランも飲み物も食べ物も全部まずかった。でも周りの客は普通に食べてた。オレはさ、ここ最近、ヒロアキんちで生活してた。ユカリちゃんは一昨日まで海外だった。これはさ、凄いことだよ。気づいたんだ」

「なんだ?」ヒロアキは興味深く相葉をみつめた。

「“浦島太郎”現象だよ!」

「・・・・・」興味が一瞬にして遠のいていく。意味が全くわからなかった。

「ビックリだろう?」

「何がっ!」ヒロアキは明らかに怒っていた。

「今日、パーティをやった彼女の名前はミチコちゃん」

「他人の彼女に興味はない」

「いいから、聞けよ。で、今日、パーティに呼ばれた面々は皆バラバラだった」

「何が?」

「住んでるところが」

「普通そうだろう?皆がミチコちゃんの兄妹だとでもいうのか?」

「違うよ、住所だよ」

「だから、普通そうだろう?」

「ヒロアキんちは4丁目。ユカリちゃんちも隣町の4丁目。で、彼女の両親もまた別の町の4丁目。でも他の皆は2丁目とか3丁目とか、とにかく4丁目以外だった。4丁目だけ取り残されてるのかな?」

「え?」ヒロアキは今日、病院で面会した山下の言葉を思い出していた。


“4は大事。4は安全”


「まさか・・・」ヒロアキの心の声が思わず音になって口からもれた。




フェルナンデスは、ビックリしたかったみたい。

*このエントリは、ブログペット の「フェルナンデス 」が書きました。




- あとがき -

今日、ふと自分の表題の文章を読んで「あれ、これ2007年の3月に始めたんだ」と思いました。

そして・・・「え?1年も経っているのに物語が終わっていませんが??」ってことに気づいちゃったZarchery。

まるで他人事。:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

ビックリしちゃいますね、我ながら。私が読者だったら・・・ちょっとムカついてるだろうなぁ。。。(^▽^;)

冒頭で偉そうなコメント書いといて良かった・・・と思う今日この頃。え?(;´▽`A``

こんないい加減なZarcheryのサイトに来てくれる皆さん、どうもありがとう☆感謝感謝です。

「それじゃあ、明日から頑張ります」とかいうと嘘つきになっちゃうので、ええ、今まで通り、マイペースに・・・。どうかお許しを。m(_ _)m

                             By:Zarchery   2008.04.23 



BCは部屋に戻るなり“窓”のない奥の書籍が溢れている部屋へ向かった。本を探した。“人体構造”と書かれた書籍を手にとり、お気に入りの椅子に腰をかける。椅子の上で膝を立て、本を広げる。そう、人間にエラはない。そしてBCの心はいつの間にか本の世界から離れてしまった。そう、“地震のあった、あの日”の映像が彼女の頭の中を支配していた。

なぜ、坂田と手を組んだのか。彼がどんな人間なのか、出会って僅かな時間の中で判断できるわけはない。ただ、BCの中の本能的な部分が、彼から発せられる穏やかな空気と調和していた。それに・・・彼がどんな人間であれ、“変化”を作らない限り何も変わらないし、変えられない。このままここで、“彼らの”目的実行の為に“生かされる”だけの生活は耐えられない。何が正しくて何が間違っているかなんてわからない。ただ、彼とともに新たな道を探すことは意味のあることだと感じた。例え、彼がどんな人間で、その道が間違えていたとしても。


それなのに・・・。


言えなかった。今日の彼との時間の中で、確かに時間は長くはなかった。時間がなかったという、言い訳も出来るだろう。でも事実は違う。言えなかったのだ。言葉にすることが、何か心の傷を広げるようで。あの日、不思議なことが起きた。大きな地震が発生し、全ての電気系等が破壊された。いつもなら開くことのないBCの唯一の出口である扉が開いた。外に出ると、扉という扉が全てあいていた。BCは通常、彼女の部屋のあるフロアー間しか移動が出来ない。しかし、あの日は違った。非常階段のあるドアさえも開いていた。上に行くか、下に行くか迷ったが、何となく下を選択した。この建物が何階建てなのかはわからないが自分のフロアーより3フロアー下に下りた。後で戻れなくなると困るので確認しながら降りていった。そしてそっと扉を開けた。壁が白くなかった。廊下も壁もコンクリートがむき出しの感じだった。ただ複数の明るいライトが、フロアーを照らしていたので暗さは感じられない。そして幾つかの扉が開いているのだか、そのうちの一番奥、突き当たりの扉へ何となく足が向かう。

怪しい声が聞こえたからだ。恐怖心と好奇心がBCの心を支配して自然と足が前へ行く。


瞳の中に2つの生命体が映し出される。顔が熱くなっていく、そして瞳が熱を帯び前が見えない。何かが瞳からあふれ出し頬をつたって床へ落ちる。BCは自分で自分にビックリした。手のひらで頬をこすり液体を拭く。透明の液体、涙だった。ボロボロとこぼれ止まらない。物心ついてから涙を流したのは今日が初めてだった。

「だぁ~れぇ?」 “水槽に入っていない方”の生命体がしゃべりだす。

「ママーっ、あれだぁ~れぇ?」とても活舌がいいとは言えない発音で水槽の中にいる生命体に話しかけている。