BC ACと・・・ (No.21) | Zarchery's fanciful story

Zarchery's fanciful story

Zarcheryが考える物語。ただしストーリは気が向いた時に書き、予告なく変更される。たとえそれがすでに公開されている内容だとしても。そんな物語をはたして貴方は読む気になるだろうか?
                 - Since March, 2007 -

水槽に入っていない生命体が首をねじって片目をBCに向けている。瞳孔が開ききって、眼球が飛び出そうな顔をした深緑の生命体。だが恐怖の理由はそれだけではない。明らかに異形だ。体が地面にある土に密着している、いや植え込まれている。恐らく“足”の代わりに植物と同じ“根”が土の中にある。そして“片手”と思われる部分も上半身から伸びて土の中に沈んでいる。サルが座りながら尻をかくような形で“3点”が植物の根として、残りの1点、いや右腕だけが人間の手と思われる。しかしながら“両手”の位置が同じでない。若干の誤差ではあるが左手が右手よりやや下から生えて地面へ伸びている。しかも右手は腕がねじれているかのような状態。その両手の少し上に肩のような張があり、先に頭部がある。顔の皮膚は完全に爬虫類だ。眼球自体は人間と同様だが位置が爬虫類と同じように離れて配置され、鼻がなく、口が中心から少しずれた位置に存在する。植物寄りの人間と爬虫類の混合生命。

BCはしばらく動くことが出来なかったが、その生命体が発した言葉によって落ち着きを取り戻し、近づいた。

「だぁれぇ~なぁんのぉ?」

BCはその“植物寄り”生命体の前にあるプレートに視点を合わせる。


Code name : AC


そう書かれていた。

「貴方の妹よ」悲しそうな、それでいて優しい声で水槽の中の生命体が答える。

「いもぉ~とうぉ?」プレートにACと書かれている方の生命が低い声で言う。

BCは驚いて水槽の生命体を見た。すると女性的な声でその生命体が再び言葉を発した。

「貴方がBCね?」

「え?」BCは驚いた。

「あぁ~。知ってぇるぅ。ビィーシィーゥ。白ぉ~い、へぇやぁにいるぅ」

「そうよ、真っ白いお部屋にいるの。貴方の妹」

「い・・・妹?ビー・・・シー?」BC首を傾げた。

「そう、貴方の名前はBCよ。そして貴方の前にいるのが貴方のお兄ちゃん」

「お兄・・・お兄ちゃん?」BCはどう見ても自分とは異なる生命体が兄だと言われて戸惑った。

「ええ。貴方よりも1年早く生まれているからお兄ちゃんなの」

BCは自然と足が水槽の生命体に向いた。まるで人魚のようだった。ただ、絵本で見た人魚のようには美しくない。下半身の魚的な部分は何故か灰色だった。そして上半身の一部に斑点のように緑色の部分が存在しそこから水草と小さな根が幾つも生え、手は肘から下がトカゲのような形になっている。顔は水中で鯉のように口をパクパクさせなければとても美しい女性だと思った。

「あの子はAC、貴方はBC」

「貴方は?」BCが聞く。

「・・・・。何て言えばいいかしら」水槽の中の人魚は悲しそうにそう言った。

BCはACと同じように配置されている水槽の前のプレートに目を向ける。


Code name :    


そこには何も書かれていなかった。