ガウ…④
食事の後、ケダルイ雰囲気の中再戦。
アタシ 「すぐに話したかったんだけど…、ちょっと色々あってね…」
ビグザム 「アタシもこの間きいたんだよ」
ジオングもエルメスも、黙ってうなずくばかりだ。
アタシ 「もう、相談して…っていう段階じゃないんだ。
挙式キャンセルとか、協力して欲しいの…」
「180度回頭だ!ガ…ガウを木馬にぶつけてやる!」
なんでこんなコトを言っているんだろう…。
こんな協力要請される方もたまったもんじゃないだろうなぁ…。
アタシが親だったら、相手のトコロに宣戦布告をするだろうな…。
しばらく、重い空気がこの場を支配していたが父がクチを開いた。
ジオング 「わかったよ。お前の気の済むようにやりなさい。」
エルメス 「そうよ。ムリしないのなら、ワタシ達は協力するわ」
ガルマ様ぁああああ!!!
…ガルマ様神教?
光り輝くイセリナがアタマの中でスキップ&スキップ…
ザクレロ 「あ り が と う」
ガウ…③
「ジオン公国に栄光あれええええええェェェェェェ!!」
ガルマ様、アタシにチカラを…!
アタシ 「…アタシ、ガンダムと別れたわ…」
楽しい団欒の真っ最中、アタシはぶっ放した。
空気が一気に凍りつく。
構わず続ける。
アタシ 「弁護士をたてて、今調停を申立てているの。
第1回目の調停もこの間終わった。
ガンダムは別れたいとしかまだ言ってこないけど…」
ダレもクチを開かないのではなく、アタシがクチを開かせるスキを与えずに
話し続けているだけだ。
アタシ 「それで…、そう、コドモの認知と養育費と慰謝料の請求をしてる。
アタシはこれから挙式のキャンセルとかしなきゃなんだけど…」
だんだん、自分でナニを言っているのかわからなくなる。
それを察知してか、ジオングが…
ジオング 「ご飯、食べてからまた聞くから…。なっ?」
アタシ 「…うん…」
ガウ…②
30分くらいウタタ寝をしていたらしい。
遠慮がちに名前を呼ばれて、起き上がる。
どうやらお腹の張りは少しおさまったようだ。
アタシ 「夕ご飯、ナニー?」
部屋に入ると全員揃っていた。
父のジオング。昔はオンナにだらしがなかったらしい。今は良き父親。
母のエルメス。だめんずな父を支え続けてきた。陰の大黒柱。
妹のビグザム。隠れオタ。
それと、アタシ・ザクレロ。
もちろん親父にはぶたれたコトはない。
…でも今回はぶたれるかも…
エルメス 「アラ。体調はいいの?ムリしなくてもいいのよ」
ジオング 「食べれば治るさ。さぁ、メシだ!メシ!!」
ゴクリ…。
ビグザムと目配せをする。
「一人でムキになったって、人間が変わるもんか」
そう、今回は…協力をしてもらわないと…。