~アタシの一年戦争~ -2ページ目

木馬…⑧

「悔しいけど、僕は、男なんだな…」


産まれてきたコドモは男の子だった。
アタシがこんな状況でも、家族は大喜びだった。

ビグザム  「全然名前とか考えていなかったね~」
エルメス  「そうねぇ…。女の子だと思っていたし…」
ジオング  「…っ!おぉ…」

出産を終えるとすぐに分娩室に家族は入室できた。
写真を撮ったり、雑談をしたり…。

アタシへの処置が終わるとすぐに病室に案内された。

6人部屋。
アタシのベッドは窓辺で、ソラには雲ひとつなかった。

さすがに病室で話込むのは迷惑なので、面会室へ。
Jr(仮)はベビーベッドの台車でスヤスヤと眠っていた。

アタシ     「あー…。カムランに連絡しなきゃだわ~」
ビグザム   「アタシがやろうか?」
アタシ     「んー。自分でやるワ。これからのスケジュール確認もあるし…」
エルメス   「こんなメデタイ時にする話じゃないわよ~」
ジオング   「名前…名前…っ」

グゥレイトー!!!

今月に入ってから何故かディアッカが気になる…。


今更ヲタ熱が再び…?!


OO(ダブルオー)も気になる…。

木馬…⑦

アタシは無事に出産した。
本当、無事に。

コドモは産まれるとすぐにカラダを拭かれた。
そしてそのまま身体測定。

一方アタシは、後産(胎盤などを出す)を終えると
そのまま着替えを済ませ、手元に産まれたての我が子がやってくる。

セイラさん達は、胎盤などの重さを計測し、出血量などを確認。
ミライさんは、キレタ箇所を修理してくれていた。
※察してやってクダサイ…


フラウ・ボゥ  「ちゃんと赤ちゃんに寄り添って、おっぱいをあげてくださいね~」
アタシ     「は、はぁ…」
フラウ・ボゥ  「一番最初にこうやって、母乳をあげることでお互いにキズナを確かめるんですよ」
アタシ     「そ、そうなんですね…」

至れり尽くせり…というこの状況と、

ムネのこの小さい命の頼りなさに戸惑いが隠せない。

壊れそう、だ。

木馬…⑥

今までが防御だとしたら、これからは攻撃だ。

息を吸っては吐いてを繰り返し、セイラさんたちの指示に従う。
アタシは母親学級に通うヒマがなかった…。
ぶっつけ本番だ。

アタシ   「…っ!!!」
セイラさん 「息をちゃんとして下さい!」
フラウ・ボゥ「赤ちゃんに空気を送ってあげないと、苦しんじゃいますよー!」
セイラさん 「はい、フゥ・フゥ・ハァ!」
アタシ   「ぶふー、ぶはー、ぶびー」

この状況が延々と続き…40分も過ぎた頃。

セイラさん 「カイシデン聞こえて?3秒で発進!よろし?」
アタシ   「?!」(カイ・シデンーーー?!)

不思議と、痛みはなかった…。

Jr    「…ほんぎゃぁ~…!!」

木馬…⑤

痛みの波に揉まれるコト、1時間あまり。

まだか、まだかと焦れるアタシ。
それをナマアタタカク(まさに他MAゴト)と見守る家族。

痛い…
けどヒトを呼ぶほどじゃないかも…
でも、痛い…。

フラウ・ボゥを呼ぶか呼ばないかを悩んでいるうちに
そのトキは来た。

徐々に痛みとともに

うーまーれーるー

という波動(?)がやってきたのだ。
それは、腕に取り付けられた機器からフラウ・ボゥたちにも分かったようだった。

フラウ・ボゥ  「ザクレロさん、産みたいですか??」
アタシ     「…こくり…」(どんな質問じゃーーー)


「ま、間違いない…ヤツだ…ヤツが来たんだ!」


そう、アタシは産気づいてるぅ!!!