ホラーな恋2(9月の恋) | 青のパラレルワールド物語

青のパラレルワールド物語

青さんが登場する空想小説を書きます。ご本人様とは一切関係ありません。
腐話もありますので苦手な方はご注意ください。

 

 

番宣があった翌日、

いつものそば屋で昼飯を食っていた俺に

ラインが届いた。

急いで開けると

翔の事務所の社長夫人、マダムだ。

 

~大野君、この週末空いている?~

 

ええっ、なんだろう?

ちょっと身構えるけど、

マダムにはお世話になっているしなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

~空いてますが・・何でしょう?~

~今どこ?~

 

ハアなんで?

いきなり?つ

そば屋だけど?

 

~そば屋で、もりそば食べてます~

 

あ~給料日前で

お金ないと思われたかも・・

天ぷらそばに

しておけばよかった。

 

~了解♡~

 

な、なに・・♡って

 

と、とにかく食べて帰ろうっと。

 

俺は、蕎麦をかき込むと、

急いで店をでた。

 

 

なんか食べた気がしないよ・・

珈琲でも飲むかな・・

 

通りにある自動販売機に向かおうとして

方向転換した俺の目前に

すっと、差し出されたのは

有名コーヒ―チェーン店のラージカップ

 

「はい、大野君アイスコーヒー。」

「ふぇ・・ええっ・・マ、マダム」

「うふふ・・久しぶりね、大野君。」

「な・・うがあ・・ん・ん」

 

なんで・・ここにいるの?

聞こうとした俺の口に

ストローが差し込まれる。

 

「なんでここにいるのって

聞きたいのでしょ?

うふふ・・

翔が京都にロケに行ったことは

知っているわよね。」

 

う・・うん

知らないふりをしても

多分二宮さんからバレてるはず・・・

出発日に翔の部屋で

死にそうな顔して、

会っちゃったし・・

 

「まったくね、

長期ロケに出発するっていうのに

前の晩大野君を寝かさないなんて・・

そうよ、二宮から聞いたわ。

大野君倒れそうだったって。」

 

やっぱりバレてた、

いや、また口から出てた。

恥ずかしい・・

 

「翔ったら、本当に・・・」

「本当に?」

 

何っと聞き返す俺の耳元に

マダムが顔を近づけて囁いた。

 

「迷惑なほどの、絶倫ね」

「・!」

 

俺は、持っていたカップを

危うく落としかけた。

 

「マ、マダム!」

 

真っ赤な顔で叫んだ俺を

通りすぎる人が振り返る。

 

「は、恥ずかしいから・・

言わないでください。」

「まったく顔と

下半身が合わない男よね、翔は・・」

 

小さな声で、お願いする俺を

素知らぬ態で、話を続けるマダム。

 

「恵里香さん!」

 

俺は、思わず名前を呼んでいた。

 

「やだ・・大野君たら、

名前を呼ぶなんて、

恥ずかしいわ。」

 

やっと、話を止めたから

俺は、ほっとしながら携帯を見る。

昼休みあと5分だけど、

マダム用事があったんじゃんないのかな?

 

「そうだわ、大事なこと忘れていたわ。

金曜日の夕方6時、

ここに迎えに来るわね。

一緒に神戸に行きましょう。

良かったわ、

大野君の予定が空いていて。

それじゃ、楽しみにしているわ。」

 

神戸?

って、マダム何それ?

俺、返事してないよ。

 

しかし、マダムは

優雅に俺に向かって手を振ると、

目の前に止まった高級車に乗り込んで

行ってしまった。