魔王79 | 青のパラレルワールド物語

青のパラレルワールド物語

青さんが登場する空想小説を書きます。ご本人様とは一切関係ありません。
腐話もありますので苦手な方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悪かったな、雅紀。

いろいろと世話かけてさ、助かったよ。」

「水臭いこと言わないでよ、

俺と翔ちゃんの仲だろ。

じゃあ、翔ちゃん、

俺明日は仕事行かなきゃだからさ、

一応帰るけど、

何かあったら連絡してよね。

まだ治ってないんだからさ、静かに寝ててよ。

あっ、冷蔵庫に

何種類か食事作っておいたから、食べて。

くれぐれも、無理しないようにね。」

 

翌日、有休をとったからと言って、

雅紀は掃除や洗濯、食事まで作ってくれた。

夕食のかたずけまで済ませると、

雅紀は心配そうな顔で帰っていった。

あれだけ、酒盛りしておいて、

よく言うよとはおもったけど、

こんなに心配してくれるなんてさ、

本当にいいやつだよ、雅紀。

 

このところ、

人間不信になることばかりだったから、

心が和んだような気がする。

 

雅紀が帰った後、俺はソファに寝転んで、

スマートホンでネット検索していた。

 

芹沢のことが載っていないかと・・

だが、それらしき記事はない。

 

何で死んだんだ、芹沢は。

 

俺が体当たりした時、

あいつの振りまわしたナイフが俺の腹を刺した。

後ろ向きに逃げて仰向けに倒れた俺を見て、

芹沢はナイフを持ったまま俺に向かってきた・・・

俺は気絶して・・・・

そのあとか、何かが起きたのか・・・

芹沢は、心臓に持病があって、発作が起きて死んだ。

人を刺したことを成瀬さんにとがめられて自暴自棄になり、

自分で自分を刺した・・・

 

どちらもなんか、違うような気がする。

 

すべての謎はあの場所にいて、俺に救急車を呼んでくれた

成瀬さんが見ていたはず。

 

どこに行ったんだよ、成瀬さん。

俺は・・・俺は・・・心配なんだあなたのことが・・

 

 

いきなり電話が鳴った。

慌てて落としそうになった電話を握りしめる。

画面には見知らぬ番号が・・・

 

成瀬さん?

 

「もしもし、成瀬さん?成瀬さんですよね、

櫻井です。」

 

勢い込んで、電話にでる俺。

しかし、電話をかけてきた相手は彼ではなかった。