天使を見た記憶 いつか秒針のあう頃 C3 | 青のパラレルワールド物語

青のパラレルワールド物語

青さんが登場する空想小説を書きます。ご本人様とは一切関係ありません。
腐話もありますので苦手な方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、何してんだよ。

 

リーダー、リーダー大丈夫?

おいっ。

やるものはないって

本人が言ってるだろう。

お前しつこいぜ。」

 

飛び込んだ先は、

やっぱりガレージ。

ただ、今はあんたのアトリエに

なっているようだ。

壁に立てかけられた

大小様々なサイズの絵たち。

水彩画から、油絵、線だけのもの

多種多様なものたちがあった。

あんたはここで絵を描いていたんだ。

自由に、心のままに・・・

 

「松本!

なんでおまえがここにいるんだよ。

それに口出しされる覚えはない。」

 

罵声を浴びせてくるあいつ。

そうだ、俺はあんたを

助けに来たんだ。

 

「口はだすぜ。

その権利もある。

大野さんは俺たちのリーダーだ。

俺が守る」

「松本、お前は何も知らないくせに。

 

こんな絵、こうしてやる。

俺を嵌める気だろうが

そうはさせないからな」

 

いきなりあいつが、

目のまえの絵に

そばに会ったペーパーナイフを

突き立てた。

力任せに切り裂く。

 

「あッあああ・・・やめて・・

さ・・櫻井・・さ・ん・・やめて・・・・」

 

あんたの懇願する叫びを無視して、

あいつは捨て台詞を吐いた。

 

「俺が何をした?

どうしてそこまで俺を苦しめるんだ。

俺のせいじゃない・・

全部そっちのせいだ・・

すべての結果は

己の責任だと自覚しろ。」

 

あいつは、憎しみの籠った目で

あんたを睨むと、

俺の肩にワザとぶつかりながら

外に飛び出していった。

 

「うう・・うう・・翔くん・・

うぅ・・うぅ・・・俺が悪いんだ・・

全部・・全部・・俺がぁ・・」

「リーダー・・・。

悪いのはリーダーじゃないよ。

あいつだから・・

あいつがもう少し

周りをみる目があれば

こんなことには・・ならなかったんだ。

幸せにするって約束したくせに、

最低なのはあいつだ。

くそ、待てよ~。

櫻井翔・・・待ちやがれ!

リーダーちょっと待っててくれ。

あいつを捕まえてくるから。」

 

俺は、あいつを追って

玄関を飛び出した。

目の前で、あいつは、

待たせていたタクシーに

乗り込もうとしていた。

俺は、ダッシュすると

タクシーのトランク部分から屋根に飛び乗った。

昔、冠番組の企画で

アクションを練習したのが役立ったぜ。

 

急停車したタクシーから降りたあいつが、

俺に向かってきた。

 

「松本何すんだよ!

おまえ器物破損だぞ。

訴えられたいのか?」

 

物凄い剣幕で怒鳴るあいつに、

俺はおもむろに

鞄から小型カメラを取り出して見せた。

 

「はい、そこまで。

どっきりだよ、櫻井さん。

驚いた?

面白い画像が撮れたねぇ。」

 

俺がおどけたように笑うと、

あいつが、般若の形相のままに

固まった。