リフレイン白い雨 95 | 青のパラレルワールド物語

青のパラレルワールド物語

青さんが登場する空想小説を書きます。ご本人様とは一切関係ありません。
腐話もありますので苦手な方はご注意ください。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

二人と別れた後、

一緒に来たニノを探したけど、どこにもいない。

 

仕方ないから、また会場に戻って風間さんに聞いた。

 

 

「あの、ニノ知りませんか?

一緒に来たのに、帰りどうするのか聞いてなくて・・」

 

「二宮君は、さっき東川先生と、

演劇評論家の××先生と3人で、

東川先生の車で帰りました。

なんでもこれから銀座で祝杯だとか・・

羨ましいですよね。」

 

ニコニコしながら風間さんは僕に伝えると、

別な誰かに呼ばれて

は~いと返事をしながら行ってしまった。

 

ニノは・・

あの大御所二人に取り入るつもりだ。

 

「もう~。酷い、ニノはぁ。

 

僕どうしたらいいんだろう。

帰りの足、聞いてないよ。

本当に、勝手なんだから。」

「大野さん、櫻井様から頼まれましたので、

お部屋をお取りしてあります。

お部屋は櫻井様の宿泊される

離れの手前にある、蒼の間ですが。」

 

ぶつぶつ文句を言っていたら、

女将が奥から出てくるとニッコリと微笑んだ。

 

「ご案内いたしましょうか?」

 

はい、と言いそうになって、ふと横のソファに目をやると、

どうして?

翔がいる。

 

とりあえず部屋は後でいい、

今はどうしてここに翔がいるのか聞かないと。

 

「いい・・です。

あっ、えっと、あの、後でお願いします。」

 

女将に返事をするのに、

焦っているからしどろもどろになっちゃた。

 

「しょう・・。翔ったら。」

 

なかなか目を覚まさない翔。

ぐっすりと寝ている。

何度目かに耳元で叫んだら、

やっと目を開けた。

 

 

 

 

翔と一緒に、

フロントの側にある喫茶室で

和菓子付きのお抹茶をいただいた。

慣れない気を使ったら喉は乾くし

小腹もすいて・・

 

美味しいお菓子とお茶だったのに、

翔ったら一気に口に入れちゃった。

全くもう。

 

それにしても僕が電話中の國比呂さんに

声をかけたのが聞こえていたって・?

翔は、嬉しいことをいってくれるけど・・

僕は・・・どうしよう・・

 

嬉しそうな顔の翔を見ていると、

さっき決めたことを話せるだろうかと、

少し不安になってきた。

でも・・・

言わないと

いつもまでも黙っているわけにはいかない。

僕の口から伝えないと・・

 

「ねぇ、翔・・」

「あのさ、智・・」

 

勇気をだして声をかけたら、翔も僕に話しかけてきた。

なんか、急に真面目な顔になっている。

まさか・・僕のこと?

きっとそうだよね。

 

「えっ、何?翔」

「智、何?」

 

また同時・・

 

「翔から、言ってよ。」

 

僕は、体ごと翔の方を向いた。

 

「うん、わかった。」

 

翔も僕の方に向いた。

 

「あのさ、前から聞こうと思っていたんだけど・・」

 

翔の瞳が不安そうに揺れた。