negai 71 翔35 | 青のパラレルワールド物語

青のパラレルワールド物語

青さんが登場する空想小説を書きます。ご本人様とは一切関係ありません。
腐話もありますので苦手な方はご注意ください。

 

 

やっとnegaiにもどります。

早く終わらせないと・・

 

 

negaiはこちらからどうぞ

 

 

 

 

 

 

どうして、密告電話なんか掛けたのか?

 

悪い予感がした。

 

 

もう、時間がない。

早く、貴方を見つけて、

止めないと。

 

今日中に・・。

 

 

ホテルのロビーについたけれど、

あの部屋に行っていいものかと、

足が止まる。

 

貴方が、あの男と・・

裏組織の黒幕と、

ここで・・

 

「あぁ・・はぁ・・ンぁ・・しょ・・う」

 

貴方の紅く染まった首筋と甘い声が脳裏を横切る。

あのベッドで、貴方はそんな姿を見せているのか・・

 

それも復讐のために?

 

「くそ・・俺が、絶対に助ける」

 

俺は、あの部屋に行こうと決意して、

エレベーターホールに向かった。

 

4台並んだエレベーターの一番右端が停まり、ドアが開く。

乗り込もうとした俺の視界に

反対側の端のエレベーターから降りる男性の横顔が写った。

 

貴方だ。

そして前を歩くのは、あいつだ。

俺は、咄嗟に腕を出して閉まりかけたドアをとめると、

とび降りた。

二人はロビーの方へ歩いていく。

フロントではないのか?

俺は気付かれないように、

柱の陰に身を寄せながら、

二人の姿を追った。

黒幕の社長は、

回転ドアの前で貴方に何やら小声で耳打ちした後、

やってきたタクシーに乗り込んだ。

 

すると、車が走り去るのを見届けた貴方は

くるりと、体の向きを変えて、

小走りにまたエレベーターホールに向かった

イライラしているかのように、ボタンを何度も押す。

そして、開いたドアへ消えていった。

 

ドアが閉まってから俺も急いでエレベーターに乗った。

誰も乗ってこなかったエレベーターが目的の階に到着したのは、

先に貴方が乗った箱とほぼ同時だった。

 

貴方は後ろもみないで部屋に向かって走っていく。

俺も足音をたてないように、追いかけた。

何をそんなに焦っているのか、

追いかける俺に気がつかないほどに。

カードキーで貴方が開けたドアが閉まる寸前に

伸ばした手でドアノブを掴んだ。

 

するりと部屋に体を滑り込ませると、

ドアがガチャリと小さな音で閉まった。

 

部屋の奥、テーブルの前で貴方は

こちらに背をむけて一心に何かをしていた。

 

「智・・」

「・・」

 

ドン

俺の呼びかける声に、振り向いた貴方は持っていたスマホを落とした。

テーブルの上には、別のスマホがある。

それが何を意味しているのか俺にはすぐに分かった。

 

「もう、やめて。」

「えっ・・」

 

俺は、貴方の腕を引き寄せて、強く抱きしめた。