カシンです。これは、アタシ(50代・男)が考えていることを書くブログです。


{性}

今週は、YouTube 上にあった反トランス動画について書いています。


動画および「トランス」の語、登場人物については、前回の記事に書きました。


この動画で、Walsh 氏はトランスを認める側に対して、「トランス派は女性が何であるか定義できない」と批判します。


対して DQ 氏は Walsh 氏に「女性の定義」を聞き返します。Walsh 氏はごまかして回答し (つまり、自分が定義できないことは棚にあげ)、「トランス派は女性の定義ができない」と批判を強めます。


こういう、Walsh 氏のような人を相手に、「女性の定義」をしようとすること自体が、Walsh 氏による印象操作を助けることになります。


Walsh 氏と関係ないところで、聞く耳を持つ人に、性別にまつわる問題を訴えて考えてもらうのが得策です。

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男女の区別というのは境界線では難しい。すべての人を、女性か男性のどちらか一方に区別する客観的で適切な方法はない。むしろ「すべての人が典型的な男女のどちらかであって、性別が典型的でない人の存在はありえない」という考え方は不適切。それでも、ある人を女性か男性か決める必要のある場面があるなら、(客観的に区別できないのだから) まずは優先するのは性自認だろう。


以上のような考え方に対して。


Walsh 氏の主張は、男女の客観的区別は明白だ (だから性自認は考慮に値しない)、というものです。今回の動画では、女性と判断する基準について、とっさに「女性型生殖器を持つ」「骨」「染色体」を例にあげました。


染色体に関して。多くの人は、全身の細胞に同じ染色体の組を持ちます。しかし、一部の人はそもそも細胞によって異なる染色体の組を持っています。


わかりやすいのは、後天的に、手術による場合。女性に男性の臓器移植をすれば、当然、部位ごとに性染色体が異なります。


これが、何らかの理由で、生まれつきの人もいます。複数の受精卵由来の細胞を同じ体に持つ、ということでしょう。


また、全身の細胞が同じ染色体構成の人でも、性染色体が典型的な XX 型、XY 型のどちらかでない、という人はいます。


さらに、性染色体が女性 XX 型で、外見は男性型。性染色体が男性 XY 型で、外見が女性型、という人もいます。


妊娠出産した後になって、生殖腺の性染色体が主に XY 型だったことが発見された女性も見つかっています。


染色体を調べれば、女性か男性かはっきりするわけではない、ということは、すでに知られている事実から明白です。


以上は染色体の話です。


別の基準で男女を区別しようとすれば、違った話になります。しかし、どの基準で見ても、境界線には区別が難しい場合があります。


骨の統計的な違いが、考古学的な男女の同定に利用されます。これも、あくまで統計的な違いであって、個人の骨の性別を確実に同定できるものではありません。個人によっては、骨だけではどちらとも言えない場合もありますし、同定が間違ってしまうような特徴の骨の人もいるはずです。

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トランスに関して。アタシの意見。

  • アタシ自身に、自分が男性であって、女性ではないという確信があること
  • 世の中には、外性器と体内の生殖腺が一致しない人が少数ながらいること

から

  • 脳には性別に依存する部分がある
  • 体の異なる部位、例えば生殖腺と脳で生まれつき性別が一致しない場合もありえる

この 2 点は、アタシには納得しやすいです。

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明白に女性か男性か区別可能な場合もたくさんあります。


しかし、微妙な場合もあります。これは人が経験する事実です。その微妙な場合を考えようというときに。


「明白な場合がたくさんあるから、微妙な場合は間違ってる、微妙な場合は存在しない」と決めることは、事実に対応する際には役に立ちません。


だから、そういう考え方には反論したくもなります。


ところが、Walsh 氏が問題なのは、そもそもそこじゃないです。


つづく

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お読みいただきありがとうございました。


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