カシンです。これはアタシ(50代)が、考えたいことを書いているブログです。

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前回は、稀に起きる性分化疾患について。「男」なのか「女」なのか、決めるのが難しい場合がある。そもそも他人が勝手に決められるものだろうか。結局、本人が決めるのがいいのでは?? という例を紹介しました。

今回はさらに極端な性分化疾患。
  1. 46,XY 完全性腺形成不全症
  2. 46,XX 精巣性性分化疾患
を簡単に紹介して、そこからのアタシの想像を書きます。

まずは、(1) 46,XY 完全性腺形成不全症について。これは性染色体が男性型 XY で、外性器は女性型。子宮があります。卵巣は形成されず、機能しません。8 万人に 1 人と言われます。

うまれた時には異常が検知されずに女児として育てられ、後に、第二次性徴 (特に月経) が始まらないことで発見されます。癌化を防ぐため卵巣にならなかった性腺は取り除き、女性ホルモンを補充、女性として暮らせるようにするのが標準的な医学的処置です。

↓例えばこれは日本での例を報告した 2023 年の学術論文。


次に、(2) 46,XX 精巣性性分化疾患について。これは、性染色体型が女性 XX で、子宮や卵巣など女性の器官はなく、外性器は男性型です。精巣もありますが、無精子症です。男性 2 万人に 1 人だそうです。

うまれたときは検知されずに男性に成人します。不妊に気づいて調べる中で発見されます。特別な「治療」はありません。

↓こちらは、これまでの報告をまとめた 2019 年の学術論文。調べることができたうちの 97% の場合で、本来 Y 染色体にある性決定遺伝子が X 染色体上にあるのが確認されたそうです。

* * *

ここでアタシが言いたかったのは、性染色体とは逆の性で生活できている人がいる、ということ。そしてそれは機能に異常があるから発見される、ということです。

性の機構は複雑です。機能の異常のまったくない、XY 女性や XX 男性が、ものすごく稀だけれども実はいるんじゃないでしょうか。見つかってないだけで。アタシにはそう想像されます。それは男性と呼ぶべきか女性と呼ぶべきか。

やはり、個人の属性としての客観的に一意な性別、というのはなくて。性別というのは場面ごとに便宜的に決めて使うものなんじゃ???
* * *

最後に、性染色体型が男性 XY で、体は完全な女性型 (性自認も女性)。なんと自然妊娠、出産した例の報告です。うまれた娘が 46,XY 完全性腺形成不全症だったので、その母として見つかりました。詳しく調べると母の卵巣は 93% 46,XY、7% 45,X のモザイク型だったそうです。2008 年の学術論文。


「性別ってなんだろう」シリーズは、あとがきを残してこれで終了です。お読みくださりありがとうございました。

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