カシンです。これは、アタシ (50代・男) が、誰かに話したいけれど話す相手のないことを書くブログです。

遺伝子が発見された当初、遺伝子というのは、有るか無いかで起きることが決まると考えられました。その後、遺伝子は、有る、というだけでは働かなくて、何か発現するための条件が別にあることがわかってきました。その条件を調べる学問分野が、ざっくりエピジェネティクスと呼ばれます。

例えば、生まれたときはどっちとは言えないけれども、成熟するまでに雌になるか雄になるかが決まる生き物がいたりします。こういうのは、(すべての細胞が) 遺伝子としては雌の分、雄の分、どちらも持っていて。ある条件で、どちらかが発現することになっています。

ヒトでは多くの場合、性染色体の組み合せが XX か XY かで生殖器の分化が決定します。しかし、稀ですが単純な対応がつかない場合もあります。もともと、性染色体のどの組み合わせでも「設計図」としては (完全なものではないかもしれませんが) 男女双方の情報を持っていて。性染色体の組み合わせによって、分化の時期に優勢になる性ホルモンが違って、男女別の器官ができていく仕組みです。https://gendai.media/articles/-/67686 


(稀に XX 型で睾丸のある人もいます。それに、「正常」に生殖が機能してる人の染色体を確認することはあまりないです。もしかしてもしかすると。見つかってないだけで、XX 型で完全な男性機能の人とか、XY 型の完全な女性機能の人が、いないとは限らないんじゃないかとアタシは想像します。)
* * *

一方で、女性、男性の脳には、統計的には確かに違いがあります (前の記事で書いたように、個人の性と関連付けられるような差ではなく、統計をとってみると違いがある、ということです)

生殖器のように、ある条件下の分化の結果で
女性型、男性型の脳が生じるのであれば。そして、胎児の生殖器と脳 (の性差のある部位) とで、分化する時期が (数週でも) ずれているのなら

何か稀に起きる条件の変化で、生殖器ができるときには男性条件だったのが、脳ができるときには女性条件になる (あるいはその逆)、という場合が考えられます。つまり、以前から感覚的な話として「男性型の体に女性の心」(またはその逆) みたいに言われることに、実は発生学的な根拠がありえることになります。
* * *

さて、実際はそう単純なことではないはずです。こういう考え方で説明できる場合もありそうですが、説明できない場合もあるでしょう。でも、どうしてそうなっているか、その具体的な理由を考えることができる、っていうのを知って。現にある、性の多様性。改めて納得がいく、とアタシは思うのです。
* * *

{性}

お読みいただきありがとうございました。

2024/2/21 追記。もう少し調べて書いた記事があります。