「うちの子言ってもやらないんです」
こういう相談をよく受けます。
以前も似たようなことを書いた気がするのですが改めて。
「言ってもやらない」
本当ですか?
「やりなさい」といったのなら
何が何でもやらせるんです。
幼いうちから自分で進んで勉強する子なんて稀です。
多くの場合、勉強は周りの環境がやらせるんです。
そして、その環境の最も大きい要素は親です。
何度も何度も試行錯誤を繰り返したり、深く物事を考えたりするには
忍耐力が必要です。
ところが、親の立場からすると
何度も何度も同じことを言うのはメンドクサイ。
毎日毎日「勉強しなさい」「勉強しなさい!」というのは骨が折れる。
結果、「もう無理!」となって半分諦める。
子供の立場からすると
最初はメンドクサイ。
だから適当にごまかしたり
「やってるよ!」とう言って跳ねのけたりする。
するとだんだん手の抜き方や逃れ方が上手くなる。
勉強と同じですね。
やればやるだけうまく逃げるようになる。
こうしてお互いに、言うのもやるのもメンドクサイ
という状況になって、匙を投げる。
でも、これではまずい。
何がまずいかって
学力が低下するとか、学習習慣が身につかないとかそういうことだけでなく
子どもは結局「なんだ、やらなくてもなんとかなるやん」
と思ってしまうということです。
そして、その結果、忍耐力が身につかないということです。
こういう相談をしてくるご家庭のお子さんは
いざ塾に通うようになると、しばらくの間は全く集中が続きません。
すぐに意識が別のところに飛んだり
意味もなく手が止まったり
やたら飲み物を飲んだり
ほんのちょっとの「休憩」が異常に多いんです。
だって今まで長時間(といっても一時間もないような時間ですが)
勉強に向き合って集中して取り組むという経験が無いから。
勉強に対する忍耐が全くないんです。
だから、勉強の効果もなかなか出てこない。
やらせなかった結果、子供はこんな風に育ちます。
そして、何事にも忍耐力のない子になります。
だって忍耐って、めんどくさいことや、やりたくないことに耐えるものなんですから。
社会に出てからも困るでしょうね。
面倒なことをやる力のない人になってしまう。
独り立ちできるか心配です。
こうなってほしくないんですよね?
いいですか?
もう一度言います。
「やらせる」と決めたなら全力でやらせるんです。
やらせようとしてやらせなかったという行為そのものが
子供をそういう子に育ててしまっているんです。
親がそうだから、子がそうなってしまうんです。
あまりいいことでないのでしょうが
多くの子にとって、勉強は強制が必要です。
だって子供はどの水準までやるのか分からないのですから。
強制しつつ矯正するんです。
その強制をしないから、子供が勉強をしないんです。
親が、何が何でもやらせるという姿勢をとることがそのまま
子供の「やる」という姿勢に転化されていく。
そういうもんです。