こんにちは
緊急事態宣言が更に延長され、3月21日までとなった1都3県(東京、埼玉、千葉、神奈川)。
「緊急事態宣言の2週間延長」を発表する菅総理と
これを受けてオンライン会談する1都3県の知事
(令和3(2021)年3月5日)
時短営業延長で益々窮地に追い込まれる東京の飲食店
加えて、福岡県も3月21日までの「時短要請の延長」を決定。
時短要請の延長を決めた福岡県
(令和3(2021)年3月2日)
一方、時短要請が解除された道府県でも、飲食店の苦境は続いています
時短要請緩和後も、客が戻らない飲食店
(大阪府、令和3(2021)年3月2日)
私たちも、大手を振って外を歩くことはもう少し控え、一日でも早く感染拡大が収まり、東京オリパラが開催されるよう協力しましょう
そして、それまでの間は…
ということで…
今日から5回に亘ってお送りするバーチャル訪問先は…
もう20年以上も前に訪れた…
ロワール河の古城巡り と…
ロワール渓谷のワイナリー巡りです
ロワール河とは
ロワール河はフランス中央部を流れる川で、総延長は1,012km。
日本で一番長い信濃川が367㎞ですので、信濃川の2.8倍も長いのですね
この内、(パリの西方約130kmにある)オルレアンからナントまでの約340kmが、「古城巡り」で知られています
紺色の線がロワール河(全長1,012km)です
オルレアンからナントまで続くロワール河沿いには、300を超える古城があるそうです。
そこで、合計12の古城と4つのワイン産地を採り上げ…
その内、今回は、東側にある…
3つの古城と1つのワイン産地を
バーチャル訪問しましょう
赤色で示した3つの古城が、今回の訪問先です
パリからオルレアンまでは2時間ほどのドライブです
(画像は、Rikiyaさんのブログよりお借りしました)
1.シャンボール城
(Château de Chambord)
古城巡りの起点オルレアンから西へ車 で1時間ほど行くと、人口100人ほどのシャンボールという小さな村に到着します。
のどかなシャンボールの村
シャンボール城は、その村の森の中に忽然と現れます
ルネッサンス様式を採り入れたシャンボール城は「白亜の城館」とも呼ばれ、ロワール河流域で最大の規模を誇ります。
フランス王フランソワ1世のために建てられたシャンボール城ですが、彼の主な居城はブロワ城(後述2.)とアンボワーズ城(次回5.)であったそうです。(なんとまぁ贅沢な )
① レオナルド・ダ・ヴィンチが設計したとも言われる二重螺旋階段(上る人と下る人が絶対に交わらない不思議な階段)は、シャンボール城一番の見どころです
② また、屋上のテラスからは、美しい庭園と国立野生動物保護区域になっているシャンボールの森が一望できます。
③ ロワールワインについては、このブログの後半でご紹介しますが、シャンボール城でもワインが造られており、城の周囲には広大なブドウ畑が広がっています
シャンボール城の周りに広がるブドウ畑
2.ブロワ城
(Château de Blois)
シャンボール城から西へ車 で30分ほどの所にあるブロワの町(人口約4.5万人)。
美しいブロワの街並み
そのブロアの町の中心部に建つブロワ城は、フランス王ルイ12世が築城し、歴代フランス王の幾人かが住居として使っていました。
このため、13世紀から17世紀にかけて造られた建物が中庭を囲むように配置されています。
ブロワ城は、それぞれの建物が「Wing(ウイング=棟)」と呼ばれています。
① 最も有名な建築物が、「フランソワ1世ウイング」と呼ばれる建物の螺旋階段です
シャンボール城の螺旋階段とは異なり、外階段ですね
② また1429年、ジャンヌ・ダルクがオルレアンからイギリスに向けて軍を出発させる前に、ランスの大司教から祝福を受けたサン・カレー礼拝堂も見逃せません
3.シュヴェルニー城
(Château de Cheverny)
シュヴェルニー城は、ブロワ城から車で南東方向に30分弱走ったところにあります。
広大な公園と美しい庭園に囲まれた優雅なシュヴェルニー城には、6世紀前から同じ一族が住んでいます。
シュヴェルニー城のオーナー「Vibraye」ご一家
広大な敷地と数々のアトラクションエリア
① 何世紀にも亘って同じ一族が暮らしているため、、ロワールの古城の中でも特に「見事な家具調度品が備わった城」として知られています。
② その美しいファサード(正面の外観)は、ベルギーの漫画家エルジェの「タンタンの冒険」の中に出てくるムーランサール城のモデルとなりました。
③ 邸内には様々な庭園があり、散策を愉しむことができます。
④ シャトーは広大な英国式公園に囲まれています。巨大なレッドウッド、杉、菩提樹は、1820年から1860年にかけて植えられました。
この公園は、電動ボートやカートに乗って周遊することもできるんですよ 。
3ヶ所の古城巡りを終えたところで、次はロワールのワインを眺めてみましょう
ロワール渓谷(Val de Loire)は、フランスを代表するワイン産地でもあります
古城巡りを愉しみながら、オルレアンから始まる有名なワイン産地を訪れてみましょう
田園地帯の“のどかさ”を愉しみながら…
フランスの主なワイン産地
ソムリエ試験には必ず出題されますよ
(「Wine Lovers Club」サイトよりお借りしました)
ロワール河流域は、「古城」と「ワイン」の宝庫
古城(シャンボール城)の周りにもブドウ畑が広がっています
フランス北方に位置するワイン産地ですが、大西洋の暖流の影響を受けているため、緯度ほど寒冷ではありません。
土壌が多彩で、ワインの種類が多いのも特徴の一つです。
白ワインが全体の52%、赤ワインが26%、ロゼワインが16%、スパークリングが6%となっていて、様々な種類のワインが生み出される土地でもあります。
今日から4回に亘って、パリに近いオルレアンから大西洋に近いナントまで、東から西に向かって計4ヶ所のワイン地区を訪問してみましょう
今回訪問するワイン産地は、その内の一つ…
(Centre-Loire)
冬と夏の温度差の高い大陸性気候で、主に単一品種のワインが造られています。
赤の点線で囲まれた部分が中央フランス地区です
フランスには「ワイン法」があり、この法律の下で厳しい品質管理が行われています。
例えば…
A.O.C.(Appellation d’Origine Contrôlée=原産地統制名称)という文字が書かれているフランス産のワイン、チーズ、バターなどは、まさに高品質の証なのです。
中央フランス地区で造られるワインの中で、このA.O.C.を名乗ることができる場所は7ヶ所あります。
中央フランス地区で造られるワインは、白ワインが大半ですが、赤ワインとロゼワインも造られています。
その中から今回は、最も知名度の高い2つのワイン地区をバーチャル訪問してみましょう
1) プイィ・フュメ (Pouilly-Fumé) A.O.C.
プイィ・フュメ地区では、白ワインのみがA.O.C.に指定されています。
ブドウは「ソーヴィニヨン・ブラン種」(白ワイン)のみが
ワイン法で認められています。
プイィ・フュメで最良の畑はプイィの街の北側にあり、丘の頂上にあるサンセールの町のちょうど対岸にあたります。
ロワール河を挟んで向か合うプイィ・フュメとサンセール
プイィ・フュメの白ワイン(ごく一部です)
プイィ・フュメで造られる白ワインの味わいは…
① スッキリ爽やかな柑橘系果実やハーブの香りを持ち、
② ミネラル感があってコクも感じるという特徴があります。
プイィ・フュメの白ワインは魚介料理にピッタリです
A.O.C.としては、白ワイン・赤ワイン・ロゼワインが揃っています。
ブドウは白ワインには「ソーヴィニヨン・ブラン種」のみが
赤ワインには「ピノ・ノワール種」のみが
ワイン法で認められています。
白ワインでは、私が大好きな「サンセール」の産地です。
ロワール川上流にあるサンセールは、他のロワールの産地より標高が250mほど高い位置にあるため、周囲より冷涼な気候です。
従って、白ワインには適した地と言えるでしょう。
サンセールの白ワイン、赤ワイン・ロゼワイン (ごく一部です)
サンセールで造られる白ワインの味わいは…
① ハーブのような清涼感のある香りと
② レモンやグレープフルーツなど柑橘系のフレッシュな果実味、
③ 引き締まった酸とミネラル感を
特徴としています。
サンセールの白ワインも魚介類にピッタリです
今日の一句です。
今回訪問した「白亜の城館」、シャンボール城を想って…
今回はここまでですが…
ロワールの古城とワイン巡りは、あと4回続きます。
もうしばらくお付き合いくださいね
ソムリエろっきぃがお伝えしました