バーチャル美波です
前回は能登半島にまつわる大発見を2つお伝えしましたが…
今回も石川県にフォーカスし、観光スポット、お祭りや料理のご紹介、そして日本酒(水・米・杜氏・酒蔵)をバーチャル訪問します
石川県の観光スポット
石川県にはじつに多くの観光スポットがあり、全てをご紹介しようとすると10回分のブログでも足りないほど
そこで絞りに絞って、能登・金沢・加賀・白山の4地域から各3ヶ所のみをご紹介します
1) 能 登
① 見附島(軍艦島)(みつけじま/ぐんかんじま)
高さ28メートルの大きな岩がそびえ立ち、まるで軍艦が向かってくるようなド迫力
② 白米千枚田 (しろよねせんまいだ)
世界農業遺産や日本の棚田百選に認定された景観。
幾重にも段になり海へと広がる田んぼは、全部で1,004枚に上ります
③ 能登金剛 (のとこんごう)
能登半島国定公園を代表する景観の一つで、福浦港から関野鼻までの海岸線を指し、険しい断崖と荒波が作り出した奇岩が続いています
2) 金 沢
① 兼六園
日本三名園の一つ。四季が織りなす多彩な表情が人気です
(参考:日本三名園とは、金沢兼六園、水戸偕楽園、岡山後楽園をいいます)
② 金沢城公園
金沢城は、加賀百万石「前田家」の居城でした。
兼六園と並び、石川県を代表する史跡です
③ 近江町市場 (おうみちょういちば)
古くより繁華街(店舗数は約180軒)として栄え、“金沢市民の台所”と言われています
3) 加 賀
① 那谷寺 (なたでら)
“白山信仰”の地で、養老元(717)年に泰澄(たいちょう。682~767年)によって開創されました。
境内には山水画のような「奇岩遊仙境」を始め、本堂・三重塔・護摩堂・鐘楼などの重要文化財があり、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンでは1つ星を獲得しています
平成30(2018年11月に訪れました
② 加賀温泉郷
粟津・片山津・山代・山中という4つの温泉地の総称です。
金沢からのアクセスも良いことから多くの観光客が訪れています
③ 安宅の関 (あたかのせき)
文治3(1187)年、奥州平泉に落ち延びる途中の源義経が安宅の関で関守に見とがめられましたが、弁慶の機知と勇気で難を逃れたという伝説の地です
歌舞伎の勧進帳でも有名ですね
安宅の関から徒歩5分のところに海鮮割烹の「長沖」(ながおき)がありまして…
こちらも、2018年11月に訪れました
4) 白 山
① 白 山 (はくさん)
白山(標高2,702m)は、富士山、立山と並ぶ日本三霊山の一つで、“白山信仰の山”として知られていますが、高山植物が豊富にあることから、“花の山”とも呼ばれています
② 白山比咩姫神社 (しらやまひめじんじゃ)
白山を神体山とし、全国に約3,000社もある白山神社の総本宮です
③ 手取峡谷 (てどりきょうこく)
手取川の流れが作り上げた美しい峡谷。釜清水(黄門橋)から河原山(対山橋)までの約8kmにわたり、高さ20~30mの絶壁が続いています
そして…
石川県民はお祭り好き
(「知名度.net」サイトからベスト5をご紹介)
調べてみると、のほかに20ものお祭りが見つかりました
新鮮な海の幸と山の幸が、料理の美味しさに繋がっているのですね。
これに合う日本酒が楽しみです
2.石川の日本酒
石川県には…
35蔵の酒蔵(2020年に自醸している酒蔵)があります。
日本酒は、水(仕込水)と米(麹米と掛米)と杜氏(酒造りの最高責任者)が重要な“鍵”となります。
1) 石川の水
「約8割が“水”でできている日本酒」は、“良い水”が命。
その点、霊峰白山を源とする手取川などからの伏流水が豊富な石川県は、日本酒造りには最適な地と言えるでしょう。
石川県の“名水”を見てみましょう
(画像は「水のソムリエ」さんなどよりお借りしました)
![ラブラブ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/035.gif)
(富山県もそうでしたが)石川県内で使われている酒米(酒造好適米)の多くは“五百万石”(原産地は新潟県)と“山田錦”(原産地は兵庫県)です。
酒造りにかかわる人々は、地域固有の酒米を使った“独自性の高い日本酒”を造ることを切望していました。
これを受けて…
石川県農林総合研究センターが動きます
11年もの歳月をかけて…
ついに実現したのが…
令和2(2020)年1月に発表された「百万石乃白(ひゃくまんごくのしろ)」です
百万石乃白は、精米時の“割れ”が少なく、精米歩合の高い大吟醸酒にはぴったり
しかも、“雑味成分”の原因であるタンパク質の量が少ないため、フルーティな香りとスッキリとした味わいの日本酒に仕上がるそうです
(石川県の公式HPからお借りしました)
3) 石川の杜氏
石川県の酒造りは、“能登杜氏”(杜氏=酒造りの最高責任者)抜きには語れません。
能登杜氏とは、能登半島の先端に位置する珠洲市や内浦町を発祥地とし、日本を代表する杜氏集団の一つです。
(参考:「日本を代表する杜氏集団」とは、南部杜氏(岩手県)、越後杜氏(新潟県)、但馬杜氏(兵庫県)、能登杜氏を指し、“日本四大杜氏”とも呼ばれています)
話を“能登杜氏”に戻して…
“能登四天王”と呼ばれる4名の能登杜氏をご紹介しましょう
能登四天王
2018年11月に農口尚彦研究所を訪ねたときは、
農口杜氏から直接お話をうかがうことができました。
一般的に「能登杜氏は“濃醇甘口”=“コクのある味”」を出すのが得意だと言われていますが、石川県自慢の魚料理との相性を受けて、「旨みや香りを持ちながら、スッキリとキレる辛口」、ひと言でいえば“淡麗辛口”を目指す酒蔵が増えています。
また…
(上述の)「能登四天王」に象徴されるように、杜氏の高齢化に伴い、近年では徐々に蔵元(酒蔵の当主)自身が杜氏を兼ねるようになってきました。さらに、石川県でも30~40代の若手杜氏に世代交代しつつあるようです。
若手の蔵元杜氏
櫻田酒造(珠洲市)の櫻田 博克氏
それでは…
次の2つの酒蔵をバーチャル訪問してみましょう
① 御祖酒造 (みおやしゅぞう)
醸造所:石川県羽咋(はくい)市大町
(金沢駅から北へで1時間ほど)
創 業:明治30(1897)年
羽咋市の酒蔵は御祖(みおや)酒造1軒のみですが、近隣の羽咋郡宝達志水町には、酒銘「朱鷺の里(ときのさと)」を醸す見砂酒造(みさごしゅぞう)があります
見砂酒造(羽咋群宝達志水町) 御祖酒造(羽咋市)
御祖酒造といえば…
石川県では珍しく(おそらく唯一の)“女性の蔵元(社長)”がいらっしゃる酒蔵なのです
その蔵元は藤田美穂さん(ふじたみほ)さん
(「SAKETIMES」サイトよりお借りしました)
少し話は飛びますが、“女性繋がり”でいえば…
① 御祖酒造の横道俊昭氏(能登杜氏)の下で働く蔵人(くらびと)の一人が、女性の吉森沙希さん(よしもりさき、東京農大卒、2019年から蔵人)です
(酔い人「空太郎」の日本酒探検」ブログよりお借りしました)
② 石川県の女性杜氏としては、七尾市のお隣、“鳳珠(ほうす)郡”にある鶴野酒造店の鶴野薫子さん(つるのゆきこ、平成3(1991年生まれ、2016年から杜氏)がおられます
(「石川県 産業創出支援機構」サイトよりお借りしました)
お待たせしました 試飲タイムです
能登杜氏の横道俊昭氏による“こだわりの酒”をお愉しみください
遊 穂 純米酒
突然ですが…
ここでクイズです
「遊穂」(ゆうほ)のネーミングを見て、何か思い当たりませんか?
ヒントは、(前回ご紹介した)羽咋市の“町おこし” UFO
そう
UFO → ユーフォ― → ゆうほ → 遊穂
② 車多酒造 (しゃたしゅぞう)
醸造所:石川県白山市坊丸町(ぼうまるまち)
(金沢駅から南西へで30分ほど)
創 業:文政6(1823)年
人口11万人の白山市には、車多酒造を含めて4軒の酒蔵があります
金谷酒造店(白山市安田町) 菊姫(白山市鶴来新町)
車多酒造(白山市坊丸町) 吉田酒造店(白山市安吉町)
酒銘「天狗舞」は(酒銘「菊姫」と同様に)石川県を代表する銘柄。
美食のコミック誌「美味しんぼ」にも「日本酒の中でも最高の酒です。」と紹介されるほどの知名度です。
「美味しんぼ」第14巻第2話
“天狗舞”という酒銘は、「森に住む天狗が酒蔵の酒を飲み、あまりの美味しさに舞を舞った」という言い伝えから命名されました。
また…
天狗舞もそうですが、石川県の日本酒の多くは、明治時代(1909年)に開発された“山廃仕込み”という製法を採り入れています。
“山廃仕込み”を簡単に説明すると…
酒の酛(もと=酒母(しゅぼ))を作るときに、通常は、蒸米を櫂(かい=木製の棒)を使って麹(こうじ)と仕込水にすり潰していく作業があり、これを“山卸”(やまおろし)と言います。しかし、“山廃”はこの“山卸”を行いません。
“山卸し廃止”を略して“山廃”と呼ぶのです。
さて、気になるその味わいですが…
“山廃仕込み”の日本酒は、酒米の旨味が出たコシのある味わいになると言われています。
ひと言で表現すれば…
淡麗 < 濃醇
といったところでしょうか。
ちょこっとですが理解できました。さっそくバーチャル試飲してみましょう
天狗舞 山廃仕込純米酒
いかがでしたか、石川県は。
それでは、石川県の日本酒を…
呑んまはんけ
(お呑みください
)
あんやと存じみす
(ありがとうございます
)
次回は北陸3県の日本酒バーチャル・ツアーの最終回として、福井県に行ってみましょう
今日の一句です。“能登四天王”に敬意を表して…
ではでは
唎酒師ろっきぃがお伝えしました