10月22日(水)にテレビ東京で放送された、バス対鉄道対決旅第25弾。今回は内容を振り返りつつ、出題ポイントと感想について書いていきます。

 

 

 バス対鉄道乗り継ぎ対決旅第25弾では、仙台城(宮城県仙台市)をスタートし、4つのチェックポイントでミッションをこなし、ゴールの中尊寺(岩手県平泉町)を目指します。バスチームは路線バス、鉄道チームは普通列車や快速列車のみ乗車可能です。この他、タクシー代が両チームに15,000円ずつ支給されるほか、各チェックポイントで1,000円ずつ追加されます。(抽選の結果、秋保温泉は3,000円追加)

 この記事はネタバレ記事ですので、必ず本編をご覧の上でこの記事をお読みください。なお、ルート検証については、今回もタビリスの鎌倉先生が丁寧に解説されていますので、そちらをご覧くださいね。

 

 

 

 

0.コースについて

 今回は仙台城から平泉・中尊寺を目指すコースですが、まっすぐ中尊寺へ向かうのではなく、山形県内にもチェックポイントが設けられており、宮城から山形へ向かい、宮城に戻ってから岩手県へ入るという流れになります。

 チェックポイントは全4か所で、1つ目が仙台市の秋保温泉、2つ目が山形県寒河江市にある牛肉店の「山牛」、3つ目が宮城県大崎市にある「あ・ら伊達な道の駅」、4つ目が一ノ関駅でした。

 

1.仙台城→秋保温泉

 バスチームは、るーぷるバスで仙台駅を目指そうとするも、るーぷるバスが大回りな経路をとることが分かり断念、歩いて仙台駅へ向かいました。

 そんな中、ハシヤスメさんが仙台城と仙台駅の中間付近(晩翠堂前)で見事仙台駅行きのバスを発見。秋保温泉まで見事な乗り継ぎを見せました。さすがハシヤスメさん、抜け目がないです照れ

 鉄道チームは愛子駅まで地下鉄とバスを乗り継ぎ、タクシーで一気に秋保温泉へ向かいました。秋保温泉は鉄道駅から離れているので、ここはタクシーで攻めるしかありません。

 結果は2分差で鉄道チームが先着、3,000円ボーナスをゲットできました。正直、両チームともベストを尽くしていて、先着できるかどうかは運だったと思います。

 

2.秋保温泉→山牛(寒河江)

 先着をとることができた鉄道チームは、愛子駅までタクシーに乗り、仙山線と左沢線で山牛へと向かいました。結果は見事、鉄道チームが先着ボーナスを勝ち取りました。

 バスチームは、秋保温泉からタクシーを飛ばし、見事新庄行きの長距離バス(48ライナー)に乗ることに成功しました。この乗り継ぎは、48ライナーの存在を知っていないとできません。ルイルイであれば、48ライナーを絡めて乗り継ぎを組むだろうと、スタッフも想定していたと思います。

 東根での乗り継ぎも見事にはまりましたが、山牛は寒河江駅からほど近いところにあるので、今回のように乗り継ぎがはまれば鉄道チームが圧倒的に有利でした。ここもバスチームはベストを尽くしたと思いますが、鉄道側のアドバンテージが強力でした。

 

3.山牛(寒河江)→1日目終了

 バスチームは山牛に遅れて到着しましたが、ミッションを無事に終え、河北経由でさくらんぼ東根に出て、新庄行きの48ライナーに乗ることに成功しました。行きと同じように天童経由にしているとさくらんぼ東根へ到達できなかったようです。

 河北を経由するルートは、おばたのお兄さんが事前にバス車内で時刻表を読み、見つけることができました。1日目に新庄まで到達しておかないと恐らく勝敗が決してしまっていたので、ここはおばたのお兄さんのナイスプレーでした。

 鉄道チームの後をずっと追う形となりましたが、48ライナーにすぐ思い至ったルイルイ、仙台駅へのバスを見事見つけ出したハシヤスメさん、河北ルートを見出したおばたのお兄さんと、3人それぞれに良いプレーが1つずつ生まれ、2日目への勝負に繋げました。

 一方、鉄道チームは乗り継ぎも順調で、全く歩くことなく仙台駅に到着しました。まだ先へ進むこともできましたが、仙台で早々に宿泊を決めました。1日目は総じて鉄道チーム優位にことが進みました。

 ちなみに、第3チェックポイントの「あ・ら伊達な道の駅」でのミッション時間は9:00~18:00となっており、ここで両チームが並ぶようにゲーム設計がされていました。

 

4.2日目開始→道の駅

 鉄道チームは仙台駅から始発列車に乗り、道の駅の最寄り駅である池月駅に順調に到着しました。バスチームも新庄駅から陸羽東線の代行バスに乗ってうまく乗り継ぎましたが、道の駅にも鉄道チームが先着しました。陸羽東線の本数は決して多くありませんが、道の駅は池月駅からほど近いので、ここも鉄道側のアドバンテージが強力でした。

 

5.道の駅→一ノ関駅

 バスチームは当初、古川経由でバスを乗り継ぐことを考えるも、古川へのバスが数時間後であることを知り、築館まで直接タクシーで向かうことを選択しました。ここも、古川→築館→一ノ関とバスで乗り継げることを知っていないとなかなか思いつくのは難しかったと思います。ここはルイルイの豊富な経験が役立つこととなりました。

 バスの時間をにらみ、タクシー代を温存したことも賢い選択でした。ただ、ここでバスチームがミスが出てしまいましたおばたのお兄さんが1人バス停を探しに行くも、はぐれてしまい危うくバスに乗り遅れるところでした。

 ここは正直、気持ちが空回りしてしまいましたが、おばたのお兄さんの「チームのために何とかしたい」という気持ちは存分に出ていたと思います。

 結果的に一ノ関駅にはバスチームが先着しました。鉄道チームも乗り継ぎにミスはありませんでしたが、ここはタクシーをうまく使ったバスチームが優位に立つことができました。

 

6.一ノ関駅→中尊寺

 一ノ関駅でのミッションは、厳美渓(げんびけい)と猊鼻渓(げいびけい)の2か所をめぐるというものでした。厳美渓と猊鼻渓、どちらを先に回ってもよいというところに、難しさがありました。第4チェックポイントをうまく攻略できたほうが勝利するという設定だったわけです。

 一ノ関駅から猊鼻渓へのバスは1日3本しかありませんが、バスチームはそのうちの13:00発に乗ることができました。バスチームは猊鼻渓→厳美渓の順に手堅く進み、中尊寺に先着して見事に勝利しました。

 一方、鉄道チームは一ノ関駅で信じられないミスをしてしまいました。猊鼻渓へはJR大船渡線で行けるにも関わらず、鉄道では行けないと誤認してしまい、猊鼻渓へはタクシー、厳美渓へは歩きで行くという戦略をとってしまいました。

 歩きの最中にミスに気づいた一行、鎌倉先生によると「ミスに気付いた後でも勝ち筋はあった」わけですが、そのミスを立て直すことはできず、あえなく5連敗となりました。

 

7.総評

 今回はお互い徒歩区間も大してなく、タクシーの使いどころも限られていたので、両チームともルート選択の難易度は低かったと思います。タクシー代も15,000円ずつ支給されていたので、過酷な徒歩はしないで済むゲーム設計となっていました。

 チェックポイントは、秋保温泉と厳美渓以外は鉄道駅に近いところにあったので、鉄道チームが断然有利なゲーム設定になっていました。鉄道チームは4連敗中だったので、そこはスタッフが気を遣ったようにも見えました。

 あと、鉄道やバスのダイヤだけでゲーム設定をすると、私のように裏を見る人に展開がすぐ見えてしまうこともあるのか、ミッションをいかに早くこなせるか、ミッション結果によりタクシー代が変動するような仕掛けを作り、ゲームの展開がすぐに見えないようにしているなと感じました。

 

8.鉄道チームとバスチームの差

 バスチームは、3人ともバスを進んで探し、よりよいルートがないかを地図や時刻表で探していました。築館でのミスで肝を冷やすことになりましたが、それでもチームを前へ進めようという気持ちが感じられました。

 一方、鉄道チームは1日目に優勢だったからか、空気が本当に緩んでいたので、危うさを感じました。この空気の緩みが2日目の事件の遠因の1つだと感じました。

 結果には影響しないかもしれませんが、手を尽くすなら1日目は仙台で宿泊せず、陸羽東線の古川駅まで進んでおくという手もありました。古川駅は新幹線駅なので、宿泊施設はあります。1日目のうちに陸羽東線の発車時刻を把握し、2日目の作戦をゆっくり練ることもできたはずです。

 また、バスチームと鉄道チームの差として、「先のルートを読む」ということが挙げられます。特にルイルイは常に地図を見て、先のルートを検討しているので、乗り継ぎをする前の準備を入念に行っている印象を受けます。

 鉄道チームは一ノ関駅への移動中、一ノ関駅へのミッションが何なのかについて話しており、「厳美渓か猊鼻渓かどちらかに行くのではないか?」といった話も出ていました。であれば、その段階でみんなで地図を見て、「どのようなルートで行けるか?」ということを考えておいてもよかったように思います。

 鉄道チームのルート選択は、軍曹一人で行っていました。他の2人も含め、もう少し情報収集をしていれば違った結果になったかな、と感じました。まぁ、バラエティ番組なので、そこまでムキになって語る話ではないのですがあせる

 

10.終わりに ~鉄道チームが連敗を止めるために~

 今回の結果により、バスチームが5連勝、鉄道チームが5連敗となりました。鉄道チームが勝つために必要なことは、事前の準備、これに尽きると思います。ルート選択を間違えないのも大事ですが、常に先を読み、どのような交通手段・ルートが使えるかを事前にもっと検討しておくとよいのではないかと思います。その準備をもっとしておけば、一ノ関での悲劇は防げたと思います。

 別企画になりますが、ローカル路線バスの旅W第5弾では、序盤でバスを乗り逃すというミスが発生しました。このときは、そのミスを教訓に「ターミナルに着いたら、とりあえずすぐに出発しそうなバスを全てメモする」ことをチームで心がけ、それがのちの乗り継ぎで功を奏しました。とにかく情報を集めまくるというのは、結果に表れると思います。

 最後に、軍曹は地図を読むのを苦手としているので、地図を読むのが得意な人がメンバーにいると心強いかと思います。

 

 今回でバスチームが5連勝、バスチームが13勝、鉄道チームが12勝と、ついにバスチームが勝ち越しました。次回、バスチームがさらに躍進するのか、鉄道チームが五分に戻すのか、注目です。

 10月22日(水)にテレビ東京で放送される、バス対鉄道対決旅第25弾。今回は展望とみどころについて書いていきます。

 

 

 バス対鉄道乗り継ぎ対決旅第25弾では、仙台城(宮城県仙台市)をスタートし、4つのチェックポイントでミッションをこなし、ゴールの中尊寺(岩手県平泉町)を目指します。バスチームは路線バス、鉄道チームは普通列車や快速列車のみ乗車可能です。この他、タクシー代が両チームに支給されます。

 

1.コースについて

 今回は仙台城から平泉・中尊寺を目指すコースですが、まっすぐ中尊寺へ向かうのではなく、山形県内にもチェックポイントが設けられており、宮城から山形へ向かい、宮城に戻ってから岩手県へ入るという流れになります。

 チェックポイントは全4か所で、1つ目が秋保温泉、2つ目が牛肉店の「山牛」、3つ目が東北でも人気の道の駅、4つ目が猊鼻渓(岩手県一関市)のようです。

 

 

 

 1つ目の秋保温泉はバスチームに有利です。鉄道の駅からは離れているので、鉄道チームがタクシーをどう使うか、そもそもいきなりタクシーを使って攻めるのかがカギになります。

 2つ目の「山牛」は、山形市と寒河江市に店があります。どちらの店がチェックポイントだったのかは分かりませんが、どちらも駅からは近からず遠からずで、鉄道チームは駅から徒歩、バスチームはバスでつける形となりそうです。

 3つ目の道の駅はどこなのかは分かりませんが、恐らく「あ・ら伊達な道の駅」と思われます。

 

 
 JR陸羽東線の駅からは近いですが、列車の本数が少ないので、ここをどう攻略するかはカギです。陸羽東線は山形県と宮城県を繋いでいますが、災害により県境付近はバス代行となっているので、バスチームは代行バスを活用、という展開も見られるかもしれません。
 4つ目は猊鼻渓とみられます。鉄道の駅からは近いのですが、本数の少ない路線を乗り継いでいかなければならず、苦労しそうです。バスチームも県境越えが続くので、一筋縄ではいかなそうです。
 ゴールの中尊寺は、バスチームは近くまでアプローチできますが、鉄道チームは平泉駅から2キロ余りを歩く必要があります。タクシー代を残しておけるかも、勝負に影響しそうです。
 
2.出場者
 鉄道チームは”鬼軍曹”こと村井美樹さんがリーダーとなり、モモコグミカンパニーさん、西村和彦さんが参戦します。そしてバスチームは”バス旅のプロ”、ルイルイこと太川陽介さんがリーダーとなり、ハシヤスメ・アツコさん、おばたのお兄さんが参戦します。元DiSHのメンバー、ハシヤスメさんとモモコさんが両チームに分かれて激突、というところは一つ見どころです。
 今回のキーマンは、ずばりハシヤスメ・アツコさんだと思います。ハシヤスメさんは対決旅に以前鉄道チームで参戦し、見事勝利を収めています。
 なんといっても思い出されるのは、バス旅W第4弾(姫路城→松山城)です。このときはリーダー髙木さんを止めるところは止めつつ、アシストをしっかり行い、成功に繋げました。アスリート2人に負けない強い気持ち・根性でチームを盛り上げたのが印象的でした。その勝負強さ、根性の強さ、そしてチームの中での役割をしっかり理解して果たすプレーは、ルイルイにとって心強い味方となるでしょう。
 
 現在、バスチームが4連勝で12勝12敗の五分となっています。バスチームがついに勝ち越すのか、鉄道チームが連敗を止めるのか、注目です。
 放送終了後1~3日をめどに、また出題ポイントと感想を書いた記事をアップしますので、そちらもぜひご覧くださいね照れ
 

 

 JR東日本は8日、2026(令和8)年3月14日(土)に実施する運賃改定の詳細公表しました。今回はこれについて、具体例をふんだんに交えて解説します。次は応用編です。

 

運賃改定の詳細について

 

4.JR東日本とJR他社にまたがって移動する場合 ~通算加算方式~

 前編では、JR東日本の運賃改定(値上げ)についての概要についてみていきました。それでは、JR東海やJR西日本など、JR他社とJR東日本エリアをまたいで移動する場合は、どうなるでしょうか。

 JRの運賃は、2社以上にまたがった場合も乗車キロは通算して運賃を算出します。運賃改定後も通算の乗車キロで計算することには変わりありませんが、JR東日本部分の乗車キロの分に応じた加算運賃を加えます。

 

例8:木曽福島~松本間を移動する場合

 

 

 木曽福島~松本間は全区間が「幹線」なので、本州3社の「幹線」運賃を適用し、現行では運賃が990円となります。運賃改定後については、JR東日本区間(塩尻~松本間 13.3km)の加算運賃20円を加え、1,010円が運賃となります。

 

例9:仙台~新函館北斗間の運賃

 三島会社(JR北海道・JR四国・JR九州)とJR本州3社(JR東日本・JR東海・JR西日本)をまたがって移動する場合、本州3社の「幹線」運賃に、それぞれ加算額を用いて計算します。三島会社は本州3社に比べて、運賃が割高に設定されているため、加算運賃が設けられています。JR東日本においては、東北新幹線と北海道新幹線を跨いで利用する場合が該当します。

 

 

 現行では本州3社の「幹線」運賃に、JR北海道区間分の加算運賃を足し、8,910円となります。運賃改定後はJR東日本分の加算運賃も上乗せされるので、運賃は合計で9,130円となります。なお、仙台~新函館北斗間は新幹線となりますので、特急料金は別途必要です。

 

5.JR東日本運賃改定と東海道新幹線の関係

 今回のJR東日本の運賃改定で、ルールが一層複雑になるのが東京~熱海間の取り扱いです。

 

(1)東海道新幹線の別線化と選択乗車制度の廃止 ―きっぷは実際の経路通りに!-

 

 

 上の図は、東京~熱海間の模式図です。東海道新幹線と東海道本線(在来線)が通っていますが、東海道新幹線はJR東海、東海道本線の東京~熱海間はJR東日本の管轄となっています。

 現在では、JR東海・JR東日本とで同一の運賃体系を採用しているため、東海道新幹線と東海道本線は同じ路線として捉え、運賃を計算しています。その関係で、東京~熱海間においては、東海道新幹線・東海道本線(在来線)のうち好きなほうを経路選択できるようになっており、運賃も安価なほうが適用されます(選択乗車制度)。

 しかし、今回のJR東日本の運賃改定により、JR東日本が管轄する在来線部分(東海道本線 東京~熱海)とJR東海が管轄する東海道新幹線の運賃とで運賃体系が異なることとなります。そのため、東海道新幹線と東海道本線を別の線とみなして運賃計算されるほか、東京~熱海間においては選択乗車制度が廃止されます。

 

例10:東京~熱海間 ー新幹線か、在来線かー

 東京~熱海間は、東海道新幹線・東海道本線(在来線)の2通りで行くことができます。

 

 

 現行では、東海道新幹線経由の場合も、東海道本線経由の場合も運賃は1,980円で同額となります。JR東日本の運賃改定後は、東海道新幹線経由の場合は運賃が変わりませんが、東海道本線を利用する場合は110円値上げされた2,090円となります。東海道新幹線経由の乗車券のほうが安いですが、東海道新幹線経由の乗車券で東海道本線に乗ることはできません。

 

例11:新宿~伊東間 ー新幹線と在来線乗り継ぎか、在来線で通すか その1ー

 

 

 

 上記の例において、現行では品川~熱海間で東海道新幹線を利用した場合も、東海道本線(在来線)を経由した場合も運賃は2,310円で同額です。JR東日本の運賃改定後は、新幹線経由か在来線経由かにより運賃が変わります。

 新幹線を経由した場合のほうが運賃が安いですが、経路が東海道新幹線経由の乗車券(2,330円)で、在来線経路に乗車することはできません。

 

例12:横浜~小田原 ー新幹線と在来線乗り継ぎか、在来線で通すか その2ー

 現行の規定では、横浜~小田原間を移動する場合、東海道本線(在来線)経由・京浜東北線・横浜線・東海道新幹線経由(横浜~新横浜~小田原)のどちらのルートを選ぶことができます(選択乗車制度)。

 

 

 横浜~小田原間の乗車キロは、東海道本線(在来線)経由の場合55.1km、東海道新幹線経由の場合63.0kmとなりますが、選択乗車制度により、いずれのルートの場合も東海道本線(在来線)経由の55.1kmで計算します。

 しかし、運賃改定後はこの選択乗車制度が廃止され、実際に乗車した経路の乗車キロをもとに計算することとなります。下図をご覧ください。

 

 

 現行では、横浜~小田原間を新横浜経由(東海道新幹線経由)で移動した場合も、より安価な在来線の乗車キロで計算することができましたが、運賃改定後は実際の経路通りの乗車キロで計算します。横浜駅近辺と小田原・静岡方面を東海道新幹線で往来する場合は、運賃が現行よりかなり上がる場合があります。

 

(2)東京付近の特定区間を通過する場合の運賃計算の特例 一部変更

 

※下図はJR東日本運賃改定ハンドブック p12から引用

 

 運賃計算の特例として、上図の太線区間を通過する場合の運賃は、実際の乗車経路によらず、最短経路で計算するというものがあります。

 

例13:静岡~三鷹

 

 

 静岡から三鷹まで行く経路は主に上記の通り2つあります。乗車キロは品川乗換のほうが短いのですが、東京乗換の場合は乗換が1回少なく、乗り継ぎ次第では東京乗換のほうが所要時間が短くなる場合もあります。

 静岡から東京駅経由で三鷹へ至るルートを撮った場合も、204.3km(205km)の運賃3,740円ではなく、最も乗車区間が短い品川乗換ルートの乗車キロ197.8km(198km)で計算し、3,410円となります。

 しかし運賃改定後は、東京~品川間において東海道新幹線と在来線の運賃が変わってしまうため、東海道新幹線の東京~品川間がこの特例適用エリアから除外されます。即ち、品川乗換か東京乗換かによって、運賃が変わってしまうというわけです。

 

 

 このように、品川乗換か東京乗換かによって、運賃にこれだけ差が出てきます。区間によりどれだけ差額が出るかは変わりますが、静岡方面から東京都心を通って中央線沿線へ向かう場合は、品川乗換のほうが運賃面ではおすすめです。

 

6.運賃改定と山手線内運賃・都区市内制度

 運賃計算の特例として、「東京山手線内発着の乗車券」「都区市内制度」というものがあります。運賃改定後もこの特例は引き続き存続します。

 

(1)山手線内発着の乗車券 東京駅からの営業キロが101km以上200km未満の駅と、東京山手線内(下図の太線部分)の各駅との運賃は、東京駅からの営業キロ・運賃計算キロで計算します。

(下図:東京都区内・東京山手線内の範囲 図はJR東日本 運賃改定ハンドブックp12から引用)

 

 

例14:品川~水戸、日暮里~水戸

 

 

 水戸駅は東京駅から101km以上200km未満の位置にあるので、東京山手線内の各駅からの運賃は東京駅からの営業キロで計算します。そのため、山手線内の駅にあたる品川駅からでも日暮里駅からでも、水戸駅までの運賃は東京~水戸間の運賃と同額となります。この例では、東京~水戸の全区間がJR東日本の管轄下にあるため、運賃改定後は値上げとなります。

 

例15:静岡~田町、静岡~上野

 静岡駅から東京駅までの営業キロは180.2kmのため、東京山手線内の各駅~静岡間の運賃は、東京~静岡間の営業キロで計算します。このとき、東京~熱海間については東海道新幹線(JR東海)を経由したものとして計算するため、品川・東京~山手線内の各駅までの区間のJR東日本分の加算はありません。

 

 

(2)東京都区内・横浜市内

 東京都区内や横浜市内のJR駅を発着する場合は、次のような運賃計算の特例があります。

①東京駅から201km以上の駅と東京都区内の各駅との運賃は、東京駅からの営業キロで計算する。

②横浜駅から201km以上の駅と横浜市内の各駅との運賃は、横浜駅からの営業キロで計算する。

③横浜市内のJR駅を発着する場合、JR東日本の運賃改定後は、東海道新幹線利用の場合は新横浜駅から、その他の場合は横浜駅からの営業キロで計算する。

 

 いろいろ書きましたが、いわゆる都区市内制度についてはルールの変更はないと思っていただいて大丈夫です。

 

参考:「東京都区内」と「横浜市内」の範囲(JR東日本HP 旅客営業規則第86条から引用)

 

 

例16:蒲田~いわき、亀有~いわき

 

 

 いわき駅は東京駅から201km以上離れているため、東京都区内に属する蒲田駅や亀有駅からいわき駅までの運賃は、東京駅からの運賃で計算します。東京~いわき間は全区間がJR東日本の管轄下なので、運賃は値上げとなります。

 

例17:鶴見~新潟、戸塚~新潟

 

 

 新潟駅は横浜駅から201km以上離れているため、横浜市内に属する鶴見駅や戸塚駅からいわき駅までの運賃は、横浜駅からの運賃で計算します。この例では、横浜~新潟の全区間がJR東日本の管轄下にあるため、運賃改定後は値上げとなります。

 

例18:赤羽~米原

 

 

 米原駅は東京駅から201km以上離れているため、東京都区内に属する赤羽駅から米原駅までの運賃は、東京駅からの営業キロで計算します。このとき、熱海~東京間は東海道新幹線経由として計算されるので、東京~赤羽間のJR東日本分の加算運賃はかかりません。また、品川~赤羽間で在来線利用の場合も同額です。

 

例19:長津田~名古屋、戸塚~名古屋(新横浜~名古屋間で東海道新幹線を利用する場合)

 

 

 名古屋駅は新横浜駅から201km以上離れており、長津田駅や戸塚駅は横浜市内の駅に属します。このため、新横浜駅からの営業キロで計算します。このとき、新横浜~熱海間は東海道新幹線経由として計算するため、長津田・戸塚~新横浜間のJR東日本分の加算運賃はかかりません。

 なお、現行では横浜駅からの営業キロで計算していますが、横浜~名古屋間の営業キロ・運賃は新横浜~名古屋間(東海道新幹線)のものと同一です。このため、現行と特に変更点はありません。

 

6.おわりに

 いかがでしたでしょうか。特に、東海道新幹線の東京~熱海間が経路として入ってくるとかなり複雑でややこしい計算になることがお分かりいただけたかと思います。

 事例をもとに運賃改定後の運賃計算について解説しましたが、「もったいぶったことはいらない。自分が利用を考えている区間はどうなるのかだけ知りたい」という方も多くいらっしゃると思います。その際は下記の「改定後運賃検索サイト」をご利用ください。

 

 

 改定後の運賃は、2026年3月14日以降に購入する分から発動します。3月14日以降に使用する場合でも、3月13日以前に購入していれば現行の運賃・制度で利用できます。もし予定が決まっている場合は、お早めに購入することをおすすめします。

 

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 JR東日本は8日、2026(令和8)年3月14日(土)に実施する運賃改定の詳細公表しました。今回はこれについて、具体例をふんだんに交えて解説します。まずは基礎編ということで、運賃改定(値上げ)の内容をみていきます。

 

運賃改定の詳細について

 

0.はじめに ~JRの運賃区分について~

 JRの運賃は、乗車キロに基づいて計算します。JRの路線は、「幹線」「地方交通線」の2つのどちらかに分類されており、「幹線」の運賃と「地方交通線」の運賃と、2種類の運賃体系を用いています。「地方交通線」は主にローカル線が該当し、関東ではは東金線・鹿島線・久留里線・八高線・日光線・烏山線・吾妻線が「地方交通線」に指定されています。「地方交通線」の運賃のほうが、「幹線」の運賃より割高に設定されています。

(「幹線」と「地方交通線」を通して乗車した場合は、乗車キロは通算したうえで、換算キロに基づいて計算)

 また、首都圏の指定されたエリアでは、「電車特定区間」「山手線内運賃」という別の運賃体系が設定されており、通常の「幹線」の運賃もさらに割安な運賃となっています。

 

1.運賃改定の時期について

 JR東日本は昨年、2026年に運賃改定を行うことを公表していましたが、このたび改定を実施する日が2026(令和8)年3月14日(土)とすることを発表しました。運賃改定の内容については後ほど詳しく解説しますが、要は「値上げ」です。

 来年3月14日以降に購入する分から、改定後の運賃が適用されます。3月13日以前に購入した乗車券・定期券は、有効期間が3月14日以降の場合も改定前の運賃が適用されます。

 そのため、3月13日までに乗車券や定期券が購入できる人は、3月13日までに買えば現在の価格で購入できるので交通費を抑えることができます。ただ、改定直前は窓口や券売機が混雑することが予想されますのでご注意ください。

 

2.運賃改定の内容

(1)基本となる運賃の改定

 運賃改定は、JR東日本の全ての路線(関東・甲信越・東北のJR線)で実施されます。また、前述した「電車特定区間」「山手線内」の運賃体系は廃止され、全て「幹線」の運賃体系が適用されることになります。

 以下の表をご覧ください。(表は割愛していますが、地方交通線の運賃も値上げとなります。)

 

 

 「電車特定区間」は下図の黒太線の区間、「山手線内」は下図の二重線の区間が該当しています。(図はJR西日本「お出かけネット」から引用)

 

 

例1:千葉~五井間(13.1km→14km、電車特定区間外の「幹線」)

 「幹線」(11~15km)の運賃が適用されます。現行では240円(IC:242円)ですが、改定後は260円(IC:253円)となり、11~20円の値上げとなります。

 

例2:横浜~戸塚間(12.1km→13km 現行:電車特定区間)

 現行では「電車特定区間」運賃(11~15km)が適用され、紙・ICとも運賃は230円となります。改定後は「幹線」運賃が適用され、260円(IC:253円)となり、23~30円の値上げとなります。

 

例3:東京~新宿間(10.3km→11km 現行:山手線内)

 現行では「山手線内」運賃(11~15km)が適用され、210円(IC:208円)が適用されますが、改定後は「幹線」運賃が適用され、260円(IC:253円)となり、45~50円の値上げとなります。

 

 このように、同じ営業キロ区分においても、現行の電車特定区間エリア内、山手線内エリア内を移動する際には値上げ幅が大きくなることが分かります。

 なお、東京から東日本の主要都市への運賃比較は以下の通りです。

 

 

(2)定期券の運賃改定について ~東京周辺では通学定期も値上げ~

 通勤定期券についても、運賃改定により平均12%値上げされます。通学定期券については運賃改定後も据え置きとなりますが、現行の「電車特定区間」「山手線内」エリア内で完結する区間については、「幹線」運賃への統合に伴い値上げとなります。(例4)

 

 

 藤沢~横浜間は22.3km、吉祥寺~東京間は22.5kmなので、どちらも乗車キロは23kmで計算します。藤沢~横浜間の通学定期は変更ありませんが、吉祥寺~東京間の通学定期は値上げとなっていることが分かります。これは、吉祥寺~東京間が現行では「電車特定区間」が適用されていますが、改定後は「幹線」の運賃が適用されることに伴うものです。

 簡単に言えば、「東京周辺においては通学定期も値上げ」ということになります。

 

(3)特定区間について 

 JRの運賃は、上記のとおり「幹線」「地方交通線」「電車特定区間」「山手線内」といった運賃体系により計算しますが、指定された区間においては、上記の運賃体系とは全く別に運賃が定められている区間があります。それが「特定区間」です。

 

例5:横浜~品川間(22.0km)の運賃

 この区間は全区間が「電車特定区間」に該当するため、電車特定区間の22kmの運賃が適用されて420円となる…と言いたいところですが、横浜~品川間は「特定区間」として、310円と運賃が定められています。

 横浜~品川間は、ライバルである京浜急行線が並走しており、京浜急行の同区間の運賃は320円となっています。また、所要時間も京浜急行とほとんど差がありません。そのため、京浜急行との競合が不利にならないよう、「特定区間」として大幅に運賃を安くしているというわけです。

 

 しかし、今回の運賃改定により、特定区間の多くが廃止されることになりました。また、特定区間として存続する区間も値上げとなります。

 

 

例6:品川~久里浜間

 同区間の所要時間は、JR横須賀線が約1時間20分に対し、京急が約1時間00分となっています。また、運賃はJRが950円(特定区間)に対し、京急は710円です。所要時間・運賃ともに京急が優位にたっているため、運賃を割安にしておく意味がありません。そのため特定区間から外し、通常運賃を適用することとしたとみられます。

 

例7:渋谷~桜木町間(東急・みなとみらい線 渋谷~みなとみらい)

 同区間の所要時間は、JR根岸線・湘南新宿ライン利用の場合が約33~40分なのに対し、東横線・みなとみらい線利用の場合は特急で約32分、急行で約35分とほぼ互角です。運賃面では、JRが490円(特定運賃)に対し、東急・みなとみらい線利用の場合は510円となっており、こちらもほぼ互角です。

 運賃改定後の同区間のJRの運賃は620円となり、JRがやや不利となりますが、そもそもJR桜木町駅とみなとみらい線のみなとみらい駅はやや離れた位置にあるので、利用者の棲み分けがなされていると思われます。以前は東急東横線が渋谷~桜木町間を通っており、JRともろに競合していたため、特定運賃を設定しないとJRが一方的な不利になっていましたが、現在はそうした状況ではなくなったため、廃止するとみられます。

 

 逆に言えば、運賃を割安に設定しないと私鉄との競合に敗れるリスクがある区間は、特定区間を引き続き設定するということです。

 

3.基礎編まとめ 

 ここまで、JR東日本の運賃改定の内容をみてきました。いろいろと書いてきましたが、要は

 

①JR東日本の全エリアで運賃が値上げされる。

②「電車特定区間」「山手線内」の運賃体系が廃止されるので、東京近隣での運賃の上がり幅が大きい。

③私鉄との競合のために設定されていた「特定運賃」も大幅に縮小される。

 

 という3つのポイントをおさえておけば大丈夫です。特に、横浜や千葉、大宮や八王子など、東京の近隣に住んでいる人にとって厳しい値上げとなります。

 

 後編では、JR東日本の運賃改定に伴い、ルールが複雑に変更となるものについて、事例を交えて詳しく解説します。ぜひご覧ください☆

 

2025.10.14追記 JR西日本の京阪神エリアの運賃改定との比較考察については、下記記事をご覧ください。

 

 

 

 

 まもなく終了する大阪万博。大阪万博へ来場する客を捌くために、様々な交通手段が用意されました。今回は、横道なもの・珍しいものを少し紹介したいと思います。

 

調査日:2025(令和7)年8月23日(土)

 

1.大阪万博の玄関口

 大阪万博の玄関口は、西ゲートと東ゲートの2つがあります。西ゲートは大阪各地と万博会場を結ぶシャトルバスが発着し、東ゲートは大阪メトロ中央線の夢洲駅があります。バスでアクセスする場合は西ゲート、大阪メトロでアクセスする場合は東ゲートとなるので、出入りするゲートによりアクセス手段が変わります。

 

2.王道 東ゲート

 東ゲートは、大阪メトロ中央線の終点、夢洲駅近くにあります。大阪メトロ中央線は、大阪万博の会場へ鉄道でアクセスできる唯一の手段とあって、万博期間中は2~3分間隔の高頻度運行がなされていますが、多くの人で賑わっています。

 

 

 

 夢洲駅のホームから地上に上がるまでは少し距離がありますが、地上に出れば東ゲートはすぐそこです。

 

 

 バスを使わずに、鉄道で万博会場へ行きたい場合は、夢洲駅まで大阪メトロで向かい、東ゲートから入場することとなります。夢洲駅到着前は、万博のテーマソングであるコブクロの「この地球(ほし)の続きを」が流れ、万博へ行くムードを高めています。(10月13日まで)

 

3.西ゲート 王道ルート

 西ゲートには、大阪の主要地点や尼崎などからのバスが発着しています。最も多いのは、JR桜島駅と万博会場を結ぶバスです。

 JR桜島線(ゆめ咲線)の終点である桜島駅は、JRの駅の中で最も大阪万博会場に近い場所に位置しているということもあり、シャトルバスが5分間隔ほどで高頻度に運行されています。

 

 

 他の地点と万博会場を結ぶバスは、事前予約が必要ですが、桜島駅~西ゲートを結ぶシャトルバスは事前決済をした人が優先的に乗れる仕組みで、予約は必須ではありません。

 事前決済する場合も、「〇〇:△△発の便」という形式ではなく、「~時台の便」という形で選択します。手軽に利用できますが、混雑する時間帯は乗車まで数十分以上かかったり、事前決済が必須なこともあるようなのでご注意ください。

 

3.珍しい体験ができる!~シャトルバス編~ 

 大阪駅・新大阪駅・中之島駅と万博会場を結ぶバスは、とても珍しいルートを走行します。なんと、建設中の高速道路を走行するのです!!

 

大阪市:万博アクセスルートについて (…>道路>道路の管理状況)

 

 現在、阪神高速2号淀川左岸線が建設中なのですが、このうち海老江JCT~大淀ランプ・豊崎ランプの間を、シャトルバスが走行します。

 

 

 

 ランプウェイの出入口部分にはゲートが設置されており、一般車は進入できないようになっています。建設中の道路なので、看板や標識などもありません。開通後はトンネル化されるので、外の風景を見ることができるのは今しかなく、貴重な体験をすることができます爆  笑

 なお、新大阪・大阪・中之島からのシャトルバスは事前予約制ですのでご注意ください。

 

4.珍しい体験ができる ~鉄道編~

 万博開催期間中は、JRも臨時列車を運行しています。それが、新大阪駅~桜島駅を直結する快速「エキスポライナー」です。

 

 

 車両は大阪環状線や桜島線で運行されている323系が主に使用されています。停車駅は大阪・ユニバーサルシティのみで、完全にUSJと万博へのアクセス列車となっています。

 

 

 桜島駅の列車発車案内板は「臨時」と表示されていました。この日は安全確認により列車が遅れており、エキスポライナーも3分遅れで発車します。

 桜島駅と大阪駅を直通する普通列車は定期列車でも設定されているのですが、この快速「エキスポライナー」は、路線図に記載されていない”秘密の線路”を走行します。

 ユニバーサルシティ駅で乗客を乗せ、列車は桜島線を走行します。桜島線のもう一方の終点は西九条駅で、定期列車は西九条駅へ入り込むのですが、エキスポライナーは西九条駅構内へ入らず、脇から伸びる貨物列車用の線路へ転線します。

 この貨物線は福島駅付近まで大阪環状線と並走しますが、やがて坂を下り地下トンネルへ入り、大阪駅へ至ります。

 

 

 快速「エキスポライナー」は、大阪駅に停車します。が、大阪環状線が発着するホームではなく、”うめきた新駅”といわれる、2023年に完成した新ホームから発着しています。このホームからは普段、特急「はるか」「くろしお」、そしておおさか東線の列車が発着しているホームです。

 「エキスポライナー」の大阪駅~桜島駅間の所要時間は12~13分。定期列車を利用する場合(西九条乗換)でも所要15分ほどなので、速達性はそこまで高くありませんが、大阪・新大阪~USJ・桜島間を乗り換えなしで行けるので、観光客にとっては重宝する列車といえるでしょう。

 何より、西九条~大阪(うめきた新駅)間の貨物線区間は、普段は貨物列車と特急列車しか走っていないため、同区間を料金不要の列車で通り抜けられるという貴重な体験ができます。

 

5.まとめ

 いかがでしたでしょうか。これだけ大きなイベントということもあり、あらゆる形で交通手段が用意され、万博輸送を捌いてきたことが窺えます。そのうえで、日ごろはみられない珍しい形態のものも設定されました。

 この3連休で大阪万博は終わりますが、恐らく多くの方が来場されるのでしょう。大阪万博へ向かわれる方は、行き帰りの交通にも注目をいただいたうえで、お楽しみください☆