相鉄・東急直通線の開業により、相鉄の車両が東急線を走行したり、逆に東急電鉄の車両が相鉄線を走行することが日常の風景になりました。相鉄・東急の直通列車は、新横浜~西谷~二俣川~海老名・湘南台間を走行しています。(下記リンクの路線図を参照)

https://cdn.sotetsu.co.jp/media/2023/train/stations/download/route-map-download-230318outline.pdf

 

 そのため、相鉄・東急線直通列車の走行経路から外れる西谷~横浜間は、東急電鉄の車両が走ることはありません。と言いたいところですが…

 こちらは西谷駅で撮影したものです。やや見づらいですが、間違いなく「各停 横浜」と書かれています。あれれ??

 車内に入ると…

 東急の車内に設置されているLCD「TOQビジョン」。その右側には間違いなく「各停 横浜」と書かれています。現に乗り込んだ列車は新横浜、東急線方面ではなく、相鉄の線路をそのまま横浜駅のほうへ走っています。

 各駅に停車し、列車は無事に横浜駅へ到着。折り返し各駅停車西谷行きとなり、発車していきました。

 

 

〇ちょこっと解説 ~なぜこんな運用が存在しているのか?~

 それにしても、東急電鉄の車両をわざわざ相鉄線内完結列車に充当させ、相鉄横浜駅に乗り入れる運用を設定している理由はなんなのでしょうか。それは、車両使用料が関係しています。

 例えば、東急電鉄の車両が相鉄・東急直通列車ーここでは例として渋谷発海老名行き―として走ることを考えます。渋谷~新横浜間は自社の線路(東急東横線・東急新横浜線)を走るので問題ないのですが、新横浜~海老名間は他社(相模鉄道)の線路を走ることになるので、相模鉄道が東急電鉄の車両を使わせてもらうという扱いになり、相模鉄道が東急電鉄に対し、線路使用料を支払う必要が生じます。

 しかし、一方的に乗り入れしていては、一方が他方に莫大な線路使用料を支払うことになってしまいます。そのため、それぞれの車両を直通しあうことで、互いの車両使用料を相殺し、車両使用料を支払わなくて済むように工夫しているのです。

 いわば東急電鉄の車両が相鉄線を少し多めに走ることで、このような一見不思議な運用を設定し、走行距離を調整して車両使用料の発生を抑えているというわけです。

 本当はもう少し込み入った事情もあるのですが、ここでは割愛させていただきます。

 

〇まとめ

 いかがでしたでしょうか。相鉄横浜駅に東急の車両がやってくる機会は非常に少ないです。

 ちなみに、どの会社の車両が充当されるかということについては、相鉄ホームページ内の時刻表の列車番号から判別できます。(列車番号の末尾に「K」と書かれているのが東急車両で運行される列車です)

 

 
 なお、東急の車両で運行されているにも関わらず、新横浜や東急東横線、目黒線方面には行かないというトラップ列車でもあるので、誤乗にはお気をつけください。

 皆様も、ぜひ東急の車両で相鉄の横浜駅を行き来するという、珍しい体験をしてみてはいかがでしょうか?爆  笑