JR東海は6日、315系4両編成によるワンマン運転の計画及び画像認識技術を活用した安全確認支援装置の搭載について発表しました。今回はこれについて分析します。

https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000043615.pdf

 

<チャプター>

1.ワンマン運転による安全確認について

2.ワンマン運転の実施計画

3.東海道本線 ワンマン運転の展望

4.まとめ

 

1.ワンマン運転による安全確認について

 現在、JR東海の在来線で行われているワンマン運転は、2両編成の列車に限られています。乗降確認は運転士の目視とホーム上に設置されているミラーで、発車時はミラーにより安全確認を行っています。

 今後実施される315系4両編成でのワンマン運転では、車側カメラからの映像が運転席モニターに移し出され、モニターにより安全確認を行うことになります。また、ドアが閉まった後に人が近づいた場合、これを検知して運転士に警告するシステムも搭載されます。

 

2.ワンマン運転の実施計画

 今後、ワンマン運転を実施する予定の区間は、下図の通りです(JR東海プレスリリースより引用)

 このうち、関西本線(名古屋~亀山間)と武豊線(大府~武豊間)では、2025年度中に4両編成のワンマン運転が実施される予定です。上記区間では既に2両編成によるワンマン運転が実施されていますが、来年度には4両編成の列車でもワンマン運転が実施されるため、ワンマン運転対象の列車が増えると思われます。

 そして、2026年度以降には、東海道本線(米原~大垣、豊橋~浜松、沼津~三島)や御殿場線でも実施される予定です。御殿場線では既にワンマン運転が実施されていますが、ついに東海道本線でもワンマン運転が実施されることとなりました。

 

3.東海道本線 ワンマン運転の展望

(1)米原~大垣間、豊橋~浜松間

 上記区間は、朝夕は6両や8両の快速列車が運行され、米原~名古屋方面、名古屋方面~浜松の直通列車が運行されていますが、日中は米原~大垣間、豊橋~浜松間でそれぞれ完結する普通列車が設定されています。両者とも県境を越える区間であり、東海道本線の他の区間と比べると利用が少ない区間です。

 ワンマン運転の対象となるのは、日中時間帯の普通列車である可能性がきわめて高いです。利用状況によっては、名古屋方面との直通列車を大垣や豊橋で分割し、米原~大垣間や豊橋~浜松間はワンマン運転の普通列車に置き換えるという可能性も考えられます。

 

(2)沼津~三島間

 沼津~三島は1区間ですが、ワンマン運転の対象となりました。対象となった理由は、御殿場線との兼ね合いとみられます。

 御殿場線では、朝と夜時間帯を中心に御殿場方面~三島間の直通列車が運行されています。御殿場線のワンマン運転を拡大するうえで、三島との直通列車も併せてワンマン化したほうが、より効率的な運行が行えると判断したとみられます。

 御殿場線では既にワンマン運転が実施されていますが、沼津~三島間はまだワンマン列車での営業運転がないため、御殿場線の4両ワンマン化は2026年度以降となったと思われます。

 

4.まとめ

 いかがでしたでしょうか。個人的には東海道本線でのワンマン運転化はやや驚きでした。しかし、ワンマン化される区間を見ると、沼津~三島間以外は毎時2,3本で、日中は普通列車しか走っていないため、ワンマン化しやすいといえばしやすいともいえます。私鉄に目を向ければ、既に列車本数の多い路線(東急東横線など)でもワンマン運転が実施されているくらいなので、列車運行に係る経費や人的負担を減らそうという狙いがあるとみられます。

 ワンマン化の拡大に伴い、ダイヤも少しながら形を変えることとなりそうです。今後どのようにワンマン運転化がなされていくのか、注目です。