JR北海道が来年3月のダイヤ改正で、石北本線の旭川~網走間を走る特急「大雪」を快速へ格下げすることを検討していることが、7日北海道新聞の記事により明らかになりました。今回はこれについて考察します。

 

 

<チャプター>

1.石北本線について

2.快速格下げの背景

3.今後の展望

 

1.石北本線について

 石北本線は、旭川と網走を結ぶ路線であり、道央と道東を結ぶ主要路線です。各駅停車のほかに特急「オホーツク」(札幌~旭川~網走)1往復、特急「大雪」(旭川~網走)2往復、そして特別快速「きたみ」が1往復運行されています。特急「大雪」は旭川駅で、札幌~旭川間を走る特急「カムイ」「ライラック」との乗り継ぎを考慮したダイヤになっており、旭川をまたいで乗車する場合は特急料金が通算されるなど、札幌~北見・網走間の移動にも利用できるようになっています。

 来年のダイヤ改正では、この特急「大雪」が快速へ格下げされることになりそうです。

 

2.快速格下げの背景

 特急列車を快速へ格下げした場合、特急料金を徴収できなくなってしまうため、一見JRにとって不利になってしまうように思えます。しかし、特急列車を運行するとなると、車掌を配置する必要があること、普通・快速列車用の車両に加えて特急型車両の維持管理も行う必要があり、運行コストもそのぶんかかります。

 快速列車であれば、ワンマン運転を行うことができるので、車掌の配置が不要になります。また、維持管理する車両が絞られるので、より効率的でコストを下げた運営が可能になります。

 また、石北本線と並行して通る旭川紋別自動車道の存在もあります。古い規格で建設された石北本線と異なり、旭川紋別自動車道は線形がよく、しかも通行料がかかりません。そのため、高速バスやマイカーにスピードで負けてしまい、高速バスについては鉄道よりも安い運賃が設定され、鉄道は劣勢に立たされています。こうしたことも、快速格下げへの一因になっていると思われます。

 

3.今後の展望

 新たに設定される快速列車には、近年道内各線へ投入されているキハH100形が投入されると思われます。

https://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/safe/pdf_07/201806.pdf

 

 新たな快速列車の停車駅や所要時間など、詳細は不明ですが、恐らく現行の特急停車駅に何駅か足された形になるかと思われます。

 そして、もう一つ気になるのは、現在1往復設定されている特別快速「きたみ」(旭川~北見)です。この列車は高速バス対抗列車として設定された経緯がありますが、以前よりも停車駅が増えている状態です。

 今回の特急列車快速化により、特別快速「きたみ」も含めて快速列車を再編するのではないかとみています。果たして特別快速「きたみ」は現行のまま維持されるのか、それとも大きく形を変えるのか、はたまた各駅停車化されるのか―来年のダイヤ改正は、石北本線に大注目です。