京都市交通局は、令和6年6月1日(土)に市バスのダイヤ改正を実施します。ものすごく大掛かりなダイヤ改正なのですが、今回はこれについて、観光利用という視点でみていきたいと思います。

https://www.city.kyoto.lg.jp/kotsu/cmsfiles/contents/0000324/324164/besshi_R6shindaiya.pdf

 

※記事中の図は、京都市交通局プレスリリースから引用しています。

 

<チャプター>

1.改正のポイント

2.6月からの移動はこうだ!~具体的事例~

3.まとめ

 

1.改正のポイント

 大きなポイントは以下のとおりです。

・コロナ禍以降の利用状況を踏まえ、幹線系統を中心に増発

・郊外部を中心に路線を再編、市内においても分かりやすさ強化のための再編あり

・京都市中を南北に貫く地下鉄烏丸線、東西に貫く地下鉄東西線との接続を強化

 

2.6月からの移動はこうだ!~具体的事例~

(1)京都駅~銀閣寺

 5系統・7系統(現行:17系統)でのアクセスがメインとなりますが、土休日は105系統「楽洛 岡崎・銀閣寺ライン」及び観光特急バス EX100系統「楽洛 清水寺・祇園・銀閣寺ライン」も新たに運行され、便利になります。

 EX100系統については、京都駅~銀閣寺を直行し、五条坂、清水道(京都駅行のみ)、祇園、岡崎公園美術館・平安神宮前にしか停車しないという、停留所をかなり絞った速達運転が行われます。

 このほか、京都駅~(地下鉄烏丸線)~今出川駅~(203系統・204系統・102系統)~銀閣寺道という乗り継ぎもおすすめです。

 

(2)京都駅~清水寺・八坂神社方面(東山エリア)

 メインのアクセス方法は、206系統を利用する方法ですが、土休日は観光特急バス EX100系統「楽洛 清水寺・祇園・銀閣寺ライン」EX101系統「楽洛 清水寺ライン」の利用もよいでしょう。EX101系統は、京都駅と五条坂(清水寺)をノンストップで運行します。このほか、土休日は106系統「楽洛 東山ライン」も新たに運行されます。

 

 京都市バスの通常運賃は大人230円、小児120円ですが、EX100系統、EX101系統の運賃は大人500円、小児250円と2倍以上の運賃設定となっています。また、観光客利用に特化した路線であることから、定期券・回数券・敬老乗車証・福祉乗車証では乗車することができませんのでご注意ください。

 

(3)京都駅~金閣寺

 京都駅や四条河原町などを経由する205系統が増発されるほか、102系統「楽洛 金閣寺・銀閣寺ライン」が新設され、便利になります。

 京都駅~金閣寺をバスだけで移動するのであれば、205系統を利用すればOKですが、京都駅~(地下鉄烏丸線)~北大路駅~(205系統・204系統・102系統)~金閣寺道 という乗り継ぎもあります。特に102系統は、北大路駅~金閣寺道間は急行運転を行うため、観光の利用に便利な仕様となっています(同区間は大徳寺前のみ停車)。

 

(4)金閣寺~銀閣寺

 同区間の行き来は204系統を利用すればよいですが、金閣寺と銀閣寺を直結する102系統が新設されるので、行き来がしやすくなります。

 

(5)金閣寺~嵐山

 金閣寺と嵐山を行き来する場合は、金閣寺道~(59系統)~御室仁和寺~(嵐電)~嵐山駅もしくは金閣寺道~(204系統・205系統)~円町駅~(JR山陰本線)~嵯峨嵐山駅 というように、鉄道とバスを乗り継ぐ形となります。

 ダイヤ改正後は109系統「楽洛 金閣寺・嵐山ライン」が新設され、GWや秋の繁忙期に運行されます。この期間中は金閣寺~嵐山間をバス1本で行くことができるようになり、便利になります。

 

3.まとめ

 いかがでしたでしょうか。京都は国内外を問わず多くの観光客が訪れ、バスの利用者も多くいます。しかし、混雑が激化したことにより、特に観光スポットへ向かう路線を中心に乗客が乗り切れないくらいに混雑することもありました。また、観光客・京都市民がどちらも多く乗る路線もあり、観光客利用と市民の利用を分離させる必要もありました。

 今回、観光路線を再編して新設したのは、観光客にとって分かりやすいようにするだけではなく、観光客利用と市民利用をすみ分けを促すという狙いもあるのです。

 また、市営地下鉄の今出川駅や北大路駅から観光スポットへ向かう路線も新設、増発されました。京都駅~今出川駅・北大路駅間は地下鉄、今出川駅や北大路駅からはバスを使うというように、地下鉄とバスを組み合わせて使うことを促すことにより、バスの混雑抑制やよりスムーズな移動の実現を図るということも、今回のダイヤ改正の大きな目的なのです。

 分かりやすくなるだけではなく、目的地へ一本で行きやすくなったり、地下鉄駅から観光スポットへのアクセスがさらに強化されることとなります。バスや地下鉄を上手に駆使して、京都観光をお楽しみくださいね☆