20日に放送されたテレビ東京旅の日スペシャル。4番組7時間にわたる長大編成のスペシャル企画でしたが、3つ目は「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」が抜擢され、ルイルイこと太川陽介さんが久々に路線バス乗り継ぎの旅に挑みました。

 今回はこれについて、出題のポイント解説と感想メインで書いていきたいと思います。例によってルート検証はタビリスの鎌倉先生がなさっているので、こちらをご覧ください。

 

 

 なお、この記事についても100パーセントネタバレ記事となりますので、必ず本編をご覧の上でこの記事をご覧ください。

 

 それでは、まいります。

 

1.修善寺→沼津

 この区間はバスが比較的充実しており、あまり悩む必要はなかったかと思います。ちょうど松崎~三島の長距離バスが走っている時間帯でもあり、そのことも乗り継ぎのハードルを下げていました。

 鎌倉先生が仰るように、伊豆長岡で降りずに三島経由で行っても大勢に影響はないのですが、より距離が短いルート伊豆長岡から沼津まで行くバスの情報を得られたので、そこを攻めたことはよかったと思います。伊豆長岡でバスの乗り場に迷わなければ、1本前の温泉駅11:43発のバスに間に合った可能性もあり、その場合実際行程より20分前に沼津に到着できました。そうすれば、先のルートを考える余裕がさらに出たでしょう。

 

2.沼津→吉原中央

 以前は沼津から吉原方面までバスが繋がっていたようですが、現在は東田子の浦で分断されており、東田子の浦から吉原方面へのバスは午前中の4便しかなく、最終は東田子の浦12:35発なので、このバスは使えません。そのため、一行は約3kmの徒歩を挟み、船津バス停から吉原へ向かいました。

 沼津から吉原へのルートには、別解があるのでこちらもご紹介します。

 

 沼津駅13:30→東平沼14:09…(徒歩2.5km)…船津15:30→…(以下、実際ルートと同様)

 

 実際ルートでは旧東海道沿いに進んでいますが、この東平沼ルートは沼津市の北側を進んでいくルートです。2.5kmの徒歩は避けられず、船津からは実際ルートに収れんするので、どちらを選んでも大差ありません。

 

3.吉原中央→蒲原病院

 今回のお題での最大のポイントは、吉原中央での選択にありました。吉原中央からのルートは、まっすぐ富士市街地を突っ切る「旧東海道ルート」、バスで北へ迂回する「富士宮ルート」の2つがあります。

 旧東海道ルートは最短で西へ進めるものの、富士駅から先は蒲原病院までバスが途絶え、6kmの徒歩が発生します。一方、富士宮ルートは遠回りなものの、蒲原病院までバス路線は繋がります。

 1日目は平日だったようですが、蒲原病院から由比駅方面へ向かうバスは、平日は14:30発が最終なので、どちらのルートをとるにせよ、1日目に蒲原病院から先へは行くことができないゲーム設定となっていました。

 しかし、実際には富士宮ルートのほうが優れていました。以下のようにつながります。

 

1日目:吉原中央駅16:30→(大月線)→富士宮駅17:00

2日目:富士宮駅7:55→蒲原病院8:41、8:45→由比駅9:05

 

 1日目を富士宮宿泊とすると、なんと由比駅までバスだけで繋ぐことができ、あの6km×3=18kmの徒歩をまるまる回避することができたのですびっくり

 しかし、2日目に浜松まで到達しなければならない状況で、富士宮へ迂回し、かつ夕方に1日目を富士宮で終了してしまうという選択はできないでしょう。私もオンエアを観ながら、ルイルイと同じく「ここは迷いなく旧東海道ルートでどんどん先へ進むのが絶対いいよなぁ」と思っていました。「とにかく先へ進まなきゃ」というプレイヤーの心理を突いた、見事なトラップだったと思います。

 結局、蒲原や由比に宿泊施設がないことが判明し、宿泊施設がある富士市まで6km歩いて引き返す羽目になりました。歩いて引き返させるあたり、ガチンコでロケをやっていることが表れていますね(^^;;;

 でもこの展開は制作陣も想定していたと思います。だからこそ、長い歩きをいとわない村井さんをここに配置したのかな、とも思いました。

 

4.蒲原病院→藤枝駅

 2日目はルイルイ一人でスタートし、蒲原病院まで6km歩き直しとなりました。蒲原病院8:45発のバスで由比駅へ行くも、そこでバスが途絶えます。

 月・水・金曜であれば、もう少し先までゆいバスで進むことができますが、この日は休日なので興津まで歩くしかなく、さった峠を歩いて越えることとなりました。ここが今回徒歩が一番きつい区間だったのですが、その部分はルイルイ一人が受けることとなったのは、少しかわいそうな気もしました。

 興津駅からは高橋さん、関口さんが合流し、3人での旅に。興津~藤枝は静岡市中心部を挟む区間であり、バスが充実しているので、問題なく進むことができました。

 次に難しいのは、藤枝での選択でした。浜松へ向かう上で、藤枝から東海道を外れて御前崎方面へ迂回しないといけないのですが、ルイルイは難なく見つけました。

 

5.藤枝駅→浜松城

 藤枝からは玉城さんが合流し、4人での旅に。御前崎エリアでスムーズな乗り継ぎが続き、順調に袋井まで進むことができましたが、袋井駅から磐田営業所までは5km歩くこととなりました。

 ここで、YouTuber西園寺さんの「路線バスで日本縦断」を観たことがある人は、「袋井→磐田駅までバスだけで乗り継げなかったっけ?」と思った方もいるかもしれません。

 

 

 実際、袋井駅→山梨→磐田駅という形で、バス路線は繋がっているのですが、山梨から磐田へ向かうバスは平日のみの運行です。2日目は休日だったので、このルートは使うことができません。

 また、「鉄道が通っていない海沿いを進めば、バスが繋がったのではないか」と考えた方もいらっしゃるでしょう。別解として次のような乗り継ぎができます。

 

大東支所16:08→石津16:26…(徒歩5.5km)…豊浜郵便局17:12→浜松駅18:02

 

 

 ルイルイ一人であれば、何とかこの海沿いルートでも行けたとは思いますが、ゲストの力量を考えると海沿いルートでは失敗に終わっていたと思われます。実際ルートは袋井~磐田営業所間の5.4kmを1時間25分で歩ききればよかったので、実際ルートのほうが優れていました。

 かつては大東支所と袋井駅の間にある横須賀車庫から、浜松行きのバスが出ていました。路線バスの旅第2弾ではそのバスを使って浜松へ向かうことができましたが、2021年3月に廃止されているため現在は使えません。したがって、終盤の5km徒歩を避けることはできませんでした。

 

6.ルート統括

 今回のお題は、ルートの大筋で迷うことはなく、平易といえば平易でした。しかし、富士市内でのトラップもあり、2日目はテキパキ乗り継がないとゴールできない仕様になっているなど、適度に難しさもありました。

 浜松で出川さんにタスキを繋がなければならず、失敗が許されない中、1日目は富士までしか進めなかったので、ルイルイには相当プレッシャーがかかっていたと思います。そんな中で、2日間で合計30kmを歩ききりつつ、タスキを繋ぎ切ったルイルイはさすがプロだと思います。

 

7.ゲストについて

 1日目のゲストは、安田さんと鬼軍曹こと村井美樹さんでした。普段ルイルイが出演している「バス対鉄道対決旅」や「陣取り合戦」などは、健脚な人や地理感覚がある人があまり太川チームには配置されず、結局ルート選択や作戦をルイルイ一人で背負う傾向にあるのですが、今回は健脚で地理感覚もある程度備えている村井さんがいたので、ルイルイは気持ち的にかなり助かったのではないかと思います。

 そして、安田さんの立ち回りも見事だったと思います。熱くバチバチとした雰囲気をうまく和らげ、歩きも黙々とこなしておられて、素晴らしかったと思います。個人的には、2日間この3人で進んでほしかったですが、2日目に健脚メンバーを配置すると、過酷さがあまり出なくなり、盛り上がりに欠けるかもしれないという意図もあったのかな…と感じました。

 2日目は高橋さんの活躍が見事でした。積極的に地図を見たりしてチームを盛り立て、ルイルイ一人に背負わせないようにしようという心遣いをすごく感じました。

 一つ思ったのは、2日目のゲスト3人に対し、企画内容をしっかり伝えていなかったのではないか?ということです。それゆえに玉城さんはブーツ着用でバス旅に挑むことになってしまいました。歩くのに適した靴を着用しないと怪我につながりかねないので、そこはまずかったと思います。

 

 ともかく無事に浜松城に到達し、出川さんにタスキを繋ぐことができてよかったです。年1回くらいでいいので、ルイルイの路線バス乗り継ぎの旅もまた見たいですね爆  笑爆  笑