京王電鉄と都営地下鉄は2月9日、京王線と都営新宿線において3月16日に実施するダイヤ改正の概要を発表しました。今回はこれについて分析します。

 なお、記事中の図は、京王電鉄・都営地下鉄各プレスリリースから引用しています。

 

〇京王線

https://www.keio.co.jp/news/update/news_release/news_release2023/nr20240209_daiyakaisei.pdf

 

1.京王ライナー増発

 新宿~橋本間を結ぶ京王ライナーが増発となります。

<平日>

 

<土休日>

 

 平日は朝ラッシュ後と夕ラッシュピーク時間帯、土休日はお昼に新宿へ向かう買い物客や行楽客をターゲットとした設定になっているといえます。新宿着10時台のライナーは少し時間帯が遅い気もしますが、通勤客というよりは用務客向けなのかもしれません。

 なお、新宿~京王八王子・高尾山口を結ぶ京王ライナーの運行本数は変更ありません。

 

2.一般列車

(1)平日の高尾山口6:59発急行新宿行きは、6:55発区間急行新宿行きに変更されます。現在は全区間で急行運転を行っていますが、改正後は東府中まで各駅に停車することとなります。

 これにより、上記の区間急行と時刻が重なる高尾7:00発普通北野行きは減便になるとみられます。そのほかにも、各駅停車の運行区間が短縮される列車が出てくる可能性があります。

 

(2)平日の17:20~19:00に新宿を発車する下り各駅停車及び新宿22:26発区間急行橋本行きが、10両編成に増強されます。

 

(3)新線新宿を19時台に発車する下り笹塚行きが2本増発となります。

 

(4)新宿発21:30以降の特急・急行列車は、高幡不動で「普通」に種別変更し、高幡不動~京王八王子・高尾山口間は各駅に停車します。

 現行ダイヤでも、新宿発22:46以降の特急・急行は、高幡不動で「普通」に種別変更していますが、「普通」に種別変更する列車が増えることとなります。

 これにより、普通列車は高幡不動止まりに短縮されます。

 特急通過駅への移動は確かに便利になるのですが、八王子や高尾への所要時間は増大するうえ、総じてみれば減便となります。

 

(5)京王井の頭線では、平日5~8時台、土休日の早朝時間帯に一部列車の発着時刻・番線が変更となります。大きな変更はないとみられます。

 

〇都営新宿線

https://www.kotsu.metro.tokyo.jp/pickup_information/news/pdf/2024/sub_p_2024020911357_h_01.pdf

 

1.急行増発

(1)平日夕ラッシュ時

 17~19時台の新宿発本八幡方面行き急行は、現行ダイヤでは新宿17:38発の1本のみとなっていますが、改正後は4本に増発されます。

 

(2)平日朝ラッシュ直後

 本八幡発9時台の普通列車1本を急行に変更し、速達化が図られます。

 

(3)土休日夕方時間帯

 新宿18:20発普通大島行きが、急行に変更となります。終点の大島で、先行している普通本八幡行きに乗り継ぐことができるようになります。

 

 なお、平日・土休日いずれも、全ての急行列車が大島で普通列車と接続します。

 

2.平日日中時の運転本数適正化

 平日日中時間帯は、ご利用状況に応じて運転本数の適正化が図られます。恐らく減便がなされるものと思われますが、詳細は不明です。

 

〇まとめ

 いかがでしたでしょうか。京王線は多摩ニュータウン~新宿間を結ぶライナーの増強を図ります。有料列車を充実させる流れはここ数年続いていますが、その流れを今回もくみ取る形となりました。

 一方で、一般列車については、増車による輸送力増強はあるものの、特急や急行を事実上の格下げをすることで、普通列車の減便を図る変更が目立つ形となりました。この変更は早朝夜間で実施されており、早朝夜間の利用が減っていることをうかがわせます。

 都営新宿線については、急行列車の本数を増やすことがメインとなりました。それでも、コロナ禍前は日中に毎時3本急行が走っていたことを考えると、大きく数を減らしていることは確かです。

 また、運転本数の適正化というのも気になります。ここからは完全に私の予想となりますが、日中に毎時2往復設定されている都営新宿線完結列車(新宿~本八幡)の普通列車を減便し、毎時12本(5分間隔)→毎時10本(6分間隔)になるのではないか、と考えています。この点については、時刻表を要チェックです。

 増発もあれば減便もあり、という両者のダイヤ改正ですが、今後どのような変化が起こるのか注目です。