ハピラインふくいは12月15日、今年3月16日からの開業ダイヤを発表しました。また、今年1月22日に、全駅の時刻表を公開しました。今回はこれについて分析します。

https://www.hapi-line.co.jp/files/uploads/231215%20press%20daiya.pdf

 

※記事中の図は、ハピラインふくいホームページ及びプレスリリースから引用しています。

※ハピラインふくい 全列車の時刻は、下記リンクからご覧ください。

https://www.hapi-line.co.jp/files/uploads/240122%20diagram[kudari].pdf

https://www.hapi-line.co.jp/files/uploads/240122%20%20diagram[nobori].pdf

 

0.ハピラインふくいとは?

 株式会社ハピラインふくいは、福井県や沿線自治体などが出資して設立された第三セクターの鉄道会社です。北陸新幹線が延伸開業されるのに伴い、並行在来線であるJR北陸本線の敦賀~福井~金沢間はJR西日本から経営分離されるのですが、その中での福井県部分を主とする区間(敦賀~福井~大聖寺)間の鉄道運行を、このハピラインふくいが担うというわけです。

 

 なお、大聖寺~金沢間については、同じく第三セクターのIRいしかわ鉄道が運行を担います。IRいしかわ鉄道のダイヤ分析については、次回の記事で解説します。

 それでは、開業ダイヤの分析に移ります。

 

1.列車増発

 武生~福井~芦原温泉間を中心に、普通列車が増発されます。全体としては普通列車が20本、快速列車が9本増発となります。

 中でも目を引くのは、武生~福井間の本数増加でしょう。同区間は日中に普通列車が毎時1本運行されているのですが、ハピラインふくい移管後は毎時2本に倍増し、利便性が大きく向上します。

 本数増発は朝夕がメインですが、日中時間帯にも思い切った増発を図っており、利用者にとってより使いやすい路線になりそうです。

 

2.快速列車の新設

 敦賀~福井間で、朝時間帯に2往復、夕夜間に2往復、合計8本の快速列車が運行されます。同区間の普通列車の所要時間は約50分ですが、快速列車は約40分で結びます。

 これらに加え、深夜時間帯に敦賀23:22発の快速福井行きも設定されます。これは、米原22:48発敦賀行き臨時快速からの乗り継ぎ列車として設定されます。

 なお、朝時間帯の敦賀行き快速のうち、福井5:49発(22M)の列車については、敦賀駅で臨時快速米原行き(6:28発)に乗り換えることが可能となっており、福井から敦賀・米原経由で名古屋や首都圏へ速く移動できる手段も確保されます。

 

 快速列車の停車駅は、「沿線市町の主要駅に停車」とありますが、途中停車駅は武生・鯖江・南条となっています。しかし、上下各1本については、南条駅を通過して今庄駅に停車する便もこととなりました。

 福井~敦賀間で経由する自治体は、福井市・鯖江市・越前市・南越前町・敦賀市となっており、それぞれの中心駅が快速停車駅に選定されました。しかし、南越前町は南条町・今庄町・河野村が合併してできた町であり、南条駅は旧南条町の、今庄駅は旧今庄町の中心駅となっているため、南条と今庄のどちらに快速が停車するのか?という点に注目が集まっていました。

 結果的には、現在の南越前町の中心地となっている南条駅に多くの快速が停車しつつ、旧今庄町にも便宜を図るという形で決着したようです。

 

3.パターンダイヤ導入

 日中時間帯は普通列車のみの運転となることから、各駅の発車時刻が概ね統一され、運転間隔の平準化と覚えやすいダイヤになります。また、特急列車の通過待ちもなくなるため、所要時間も短縮します。このあたりは、特急が廃止されることのメリットといえるかもしれません。

 

4.新幹線や特急列車との接続

 朝夕時間帯を中心に、北陸新幹線や特急「サンダーバード」「しらさぎ」との接続を考慮したダイヤとなります。

 

5.最終列車繰り下げ

 福井発芦原温泉行き最終列車の発車時刻が7分繰り下がり、福井23:22発となります。

 

6.IRいしかわ鉄道線・JR越美北線との直通

 福井~金沢間については、大聖寺駅がハピラインふくいとIRいしかわ鉄道の境界駅となりますが、福井~金沢間は直通の普通列車が運行されます。

 また、JR越美北線の列車は、福井~越前花堂間のみ北陸本線を走行していますが、同区間がハピラインふくいに移管された後も、引き続き福井駅発着で運行されます。

 

 

7.まとめ

 いかがでしたでしょうか。在来線特急列車が廃止されることをうまく使い、普通列車の増発やパターンダイヤの導入、快速列車の新設など、利便性が向上する要素が多く詰まったダイヤとなりました。

 沿線住民の移動によりフィットした路線となりそうで、今後に大きな期待が持てるのではないでしょうか。今後のハピラインのゆくえが楽しみです。