東急電鉄は10日、今年3月16日に実施するダイヤ改正の概要を発表しました。今回はこれについて分析します。なお、今回ダイヤ改正を行うのは東横線・目黒線・新横浜線のみで、田園都市線など他の線区ではダイヤ改正は実施されません。

https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/20240110-kaisei-t.pdf

 

※記事中の図については、東急プレスリリースから引用しています。なお、予想時刻表については、東京時刻表をもとに当局で作成しています。

 

1.東横線

(1)18時台に渋谷発菊名行き各駅停車が1本増発されます。

 この運転時刻で行くと、前後を走る急行や各駅停車との運転間隔が2分ほどになりそうですが、どのように調整するのかが気になります。

 

(2)20時台の渋谷発武蔵小杉行き急行2本が、各駅停車に格下げされます。

 この2本の急行は、各駅停車を追い抜くことなく渋谷から武蔵小杉まで走ります。また、停車駅が元々多いこと、先行する普通列車がある関係で速く走ることもできず、急行としての特性をあまり発揮できていないのが現状です。(各駅停車とは2,3分差しかありません)

 それならば、各駅停車として運転し、既存列車の混雑緩和を図ろうという狙いがうかがえます。

 

2.目黒線・新横浜線

(1)平日6時台に日吉~新横浜間で1往復増発されます。なお、詳細な時刻は不明です。

(2)日中時間帯(平日10~16時台、土休日9~18時台)に、目黒線の日吉発着の一部列車が新横浜発着に延長され、日吉~新横浜間で毎時2往復増発されます。これにより、日吉~新横浜間は毎時6本から8本となり、さらに便利になります。

 現行ダイヤと改正後の予想ダイヤを作成してみましたので、ご覧ください。なお、あくまでも予想ですので、3月16日以降にご利用の際は、必ず最新の時刻表をご確認ください。

 

※図中の表記について

元町:元町・中華街 石神井:石神井公園

 

<下り現行>

<下り改正後予想>

<上り現行>

<上り改正後予想>

 

 東急新横浜線の日吉~新横浜間は、現行では毎時6本あるのですが、列車間隔が15分空いているところがあります。その部分に列車を設定し、列車増発と運転間隔の平準化を図るとみられます(時刻表上の黄色部分)。

 しかしこのとおり列車の運転区間を延長すると、下りは東京メトロ南北線方面からの直通列車、上りは都営三田線への直通列車となってしまい、車両運用がうまくいきません。そのため、列車の運転区間を延長する列車については、始発駅・終着駅が変更となる可能性が高いとみています(時刻表の肌色、斜字部分)。

 

3.まとめ

 いかがでしたでしょうか。東急新横浜線については開業から1年経過し、大きくダイヤを変える可能性もありましたが、結果的に今年3月のダイヤ改正については、東急線内で完結する変更にとどまりました。

 直通先の相鉄線については、まだダイヤ改正の概要は発表されていませんが、東急側がそこまで大きな変化がなかったため、大々的な変更を行う可能性は低いとみられます。

 それでも、日中の東急新横浜線の運行本数が毎時6本から毎時8本に増えるというのは、思い切った増発といっていいでしょう。現行ダイヤでは15分運転間隔が空くところがあるので、その部分が是正されていることに期待したいです。

 開業から1年経過した相鉄・東急直通線。今後どう進化していくのか楽しみです。