西園寺さんを強制連行させ、場所を告げずに離島に放置したら、帰ってくることができるのかー?

 

 

 前回は奈良・三重県境の山奥に放置され、そこから大阪駅へ帰り着くことができた西園寺さん。今回は離島に放置された状態から大阪駅へ帰ってくるというミッションに挑みました。

 渡された費用は3,330円。最低限の交通費しか渡されず、ルートを誤ると大阪駅へたどり着けないとのこと。果たして西園寺さんの運命やいかに!?

 というわけで、今回も検証していきたいと思います。例によってネタバレですので、必ず本編をご覧の上でお読みくださいね。

 

 

 

 

 

それでは、実際ルートから確認しましょう。

 

 沼島港13:20→(沼島汽船480円)→淡路島土生港13:30…(隣接)…沼島汽船場前13:45→(洲本市コミュニティバス500円)→洲本バスセンター14:49、15:15→(JR西日本高速バス2,020円)→三宮バスターミナル16:45…(隣接)…神戸三宮駅17:01→(阪急神戸線特急330円)→大阪梅田駅17:29

 

 最後の神戸三宮からの時刻は推測になりますが、17時半ごろにゴールしたと思われます。というわけで、与えられた資金をちょうど使い切り、見事にゴールしました。これが正解ルートとみて間違いないですが、他の選択肢についても検証しましょう。

 

1.島からの脱出

 今回のスタート地点は、淡路島の南側にぽつんと浮かぶ離島、沼島(ぬしま)。人口500人ほどの小さな島です。 今回西園寺さんは、ZAKIさんが乗り込んだ船を見て、淡路島近辺の島にいることをすぐに察しましたが、次の沼島汽船まで2時間ほどあったので、西園寺さんであればこの間に淡路島近辺にいることは分かったでしょう。

 島の中には信号機がなく、鉄道やバスも一切走っていません。交通手段は徒歩、自転車、マイカー、そして淡路島の土生港へ通じる沼島汽船のみで、島の外へ出るには沼島汽船で土生港へ出るしかありません。というわけで、次の船である13:20発の土生港行きで島を後にしました。

 

2.土生からの足取り

 淡路島の土生港に着いた西園寺さん。沼島汽船場前バス停には、南あわじ市のコミュニティバスと洲本市のコミュニティバスが来ることを知り、洲本行きのバスに乗ることを決めました。

 もしここで南あわじ市のコミュニティバスに乗っていたら、どうなっていたでしょうか。

 

 沼島港13:20→(沼島汽船480円)→淡路島土生港13:30…(隣接)…沼島汽船場前13:45→(南あわじ市コミュニティバス300円)→国衙14:27、15:57→(淡路交通バス350円)→洲本インター16:32、17:05(JR西日本高速バス1,960円)→三宮バスターミナル18:20…(隣接)…神戸三宮駅18:31→(阪急神戸線特急240円)→夙川駅18:43

 

 というわけで、大阪まで約15kmを残し、西宮市内で力尽きてしまいます。ちなみに阪神電車だと魚崎までしか行けず、神戸市すら脱出できません。

 洲本のほうが本州に近く、神戸方面へのバスも多く出ているので、南あわじ市コミュニティバスを選ぶ余地はないとみていいでしょう。

 

3.舞子か、三宮か

 洲本にたどり着いた西園寺さんは、神戸行き、大阪行き高速バスの存在を発見。しかし、大阪行き高速バスに乗ると資金オーバーとなってしまうため、この手は選択できないことが判明します。

 となると、乗るのは神戸行きのバスということになるのですが、三宮までバスで行くか、手前の高速舞子で降りて鉄道で大阪を目指すかの大きな選択を迫られます。

 高速舞子で降りたほうが、バス代は安く済むうえに、鉄道への乗り換えも可能です。

 

 

 しかし西園寺さんは「高速舞子で降りると、舞子公園駅から山陽・神戸高速・阪神と3社乗ることになり、かえって高くつくのではないか」と考え、三宮まで高速バスで通すことを選択しました。もし、高速舞子バス停で降りていたら、どうなっていたでしょうか。

 

 沼島港13:20→(沼島汽船480円)→淡路島土生港13:30…(隣接)…沼島汽船場前13:45→(洲本市コミュニティバス500円)→洲本バスセンター14:49、15:15→(JR西日本高速バス1,710円)→高速舞子16:18…(徒歩10分程度)…舞子公園駅16:31→(山陽電鉄・神戸高速520円)→神戸三宮駅17:00

 

 高速舞子で降りた時点での残額は640円ですが、神戸三宮まででも520円かかってしまい、大阪へは遠く及びません。西園寺さんの読みは見事に当たっていました。

 ただ、高速舞子バス停は、山陽電車のほかにJRの舞子駅も至近距離にあります。もしJRを使っていたら、どうなっていたでしょうか。

 

 沼島港13:20→(沼島汽船480円)→淡路島土生港13:30…(隣接)…沼島汽船場前13:45→(洲本市コミュニティバス500円)→洲本バスセンター14:49、15:15→(JR西日本高速バス1,710円)→高速舞子16:18…(徒歩10分程度)…舞子駅16:33→(JR東海道・山陽本線快速570円)→西宮駅17:10

 

 舞子駅から大阪駅までは820円かかるため、JRで行っても大阪までは到達できず、西宮で力尽きてしまいます。

 

4.船での脱出はできないか

 淡路島から島外へ出る場合、高速バス以外の手段はあるのでしょうか。かつては淡路島から西宮や泉大津、深日(大阪府岬町)などへのフェリーが就航していましたが、1990年代を中心に次々と廃線になり、一時フェリーは全滅しました。

 しかし現在は、明石と岩屋を結ぶ「淡路ジェノバライン」が就航(復活)しています。この船を活用する手はないでしょうか。

 

 沼島港13:20→(沼島汽船480円)→淡路島土生港13:30…(隣接)…沼島汽船場前13:45→(洲本市コミュニティバス500円)→洲本バスセンター14:49、15:50→(淡路交通バス540円)→志筑16:16、17:10→(あわ神あわ姫バス500円)→岩屋ポートターミナル18:20、18:40→(淡路ジェノバライン600円)→明石港18:53…(徒歩0.7km)…明石駅19:05→(JR東海道・山陽本線新快速660円)→芦屋駅19:30、19:38→(同普通)→甲子園口駅19:45

 

 明石から大阪へは運賃950円ですが、残金は710円。というわけで、やはり西宮市内で資金が底を尽きてしまいます。淡路島は南北に長いうえに、路線バスも乗り換えが入ることで、意外と運賃がかかってしまいます。

 

5.まとめ

 今回は離島から大阪駅へ帰ってこれるかという、一見難しそうな企画でしたが、ルート選択の余地に乏しく、ただ大阪駅へ戻るだけであれば実は易しい内容でした。

 しかし、限られた資金(3,330円)で大阪駅まで戻るとなると、話は大きく変わります。私も動画を見た後に、別解がないかどうか探したのですが、私が探した限りでは別解はありませんでした。

 もし他のルートを選択していたら、資金が足りず15kmの徒歩を強いられることになります。前回と違って今回はアクエリアス1本が与えられていたものの、ろくに食事もとっていない身体で15kmを歩くのは、いくら西園寺さんでも難しく、ギブアップになっていたと思われます。

 そして、西園寺さんも言及していたとおり、「ルートを探すのであれば、地元の人やバスの運転手に訊くことができる、でも限られた資金内で収まるルートはどれかと訊いても、訊かれたほうは分からない。聞き込みができない」というところに、今回のお題の難しさが隠れていました。

 ルートを探し出すところではなく、いかにお金をかけずに戻ってこれるかという点を難しくしていたというわけで、その点は非常に秀逸だったと思います。

 お題の難易度については、西園寺さんは「Bマイナス」と表現していました。確かに極端に難しいとまではいわないものの、簡単でなかったのは確かで、私としては「Aマイナス」「Bプラス」くらいはあるんじゃないかと思ってしまいました。

 それでも、ZAKIさんがこしらえた罠を、西園寺さんはさすがの勘と経験と推理力で回避し、お題をクリアしました。果たして、ZAKIさんが西園寺さんに勝つときが来るのか、次回も楽しみです爆  笑