3月下旬のある夜のこと。私は蘇我駅のホームにいました。お目当ての列車は蘇我を22:51に発車するこの列車。

 

 そうです、蘇我発西船橋行きの列車です。2023年3月18日のダイヤ改正により、平日1日1本だけ設定された謎列車です。ぱっと見だと「どこを通っていくの??」って思ってしまいますね。答えはこちら。

 

 このように、京葉線をずっと進み、南船橋を出てから武蔵野線方向に西船橋へ進みます。

 前回の幕張豊砂駅の記事(下記参照)でも触れましたが、京葉線には、武蔵野線からの直通列車も乗り入れており、東京駅・南船橋駅(朝夕は海浜幕張駅)まで乗り入れています。

 


 基本的に武蔵野線方面への直通列車は、上の写真の左側に写っているオレンジ帯の車両が使用されていますが、平日の朝夕夜間に設定されている東京・海浜幕張~西船橋間を走る列車の一部は、京葉線の車両が使われています。

 今回取り上げる蘇我発西船橋行きの何が珍しいかというと、蘇我から西船橋への直通列車であるということ。武蔵野線西船橋方面からの直通列車は、日中は南船橋発着、朝夜は新習志野や海浜幕張発着で運行されており、蘇我発着の設定は今までありませんでした。

 それが今回のダイヤ改正で、蘇我から西船橋へ直通する列車が初めて設定され、しかも平日深夜に1本だけというレア度の高いものだったため、鉄道マニアからの注目を浴びた、というわけです。

 さすがに23時前とあって、空席がじゅうぶんある状態で蘇我を発車。少し乗客は増えたものの、海浜幕張までは空いていました。しかし、海浜幕張でイベント帰りと思われる方など、まとまった乗車があり、特に西船橋駅の降り口に近い3号車は立ち客が出るほどの混雑ぶりでした。

 京葉線の車両を使用しながら、東京方面へは行かずに西船橋へ行くため、「東京方面へはまいりません」とのアナウンスがしきりになされていました。

 乗客のほとんどが西船橋まで乗りとおし、総武線に乗り換える人、武蔵野線へ乗り換える人が半々くらいいたような感じでした。

 終点の西船橋へ着くと、列車はそのあと回送表示に。恐らく、蘇我から京葉車両センターへ入庫する前にもう一仕事する形で、西船橋までお客さんを乗せて、それから新習志野にある京葉車両センターへ入庫する、というところでしょう。

 深夜帯は武蔵野線の直通列車も少なくなるため、その部分をこの列車が補填しているというわけです。

 

 いかがでしたでしょうか。今回もミニレポでしたが、23時過ぎながら海浜幕張からは席が埋まるほどの混雑ぶりを見せたため、京葉線から西船橋や武蔵野線方面への需要の高さがうかがえました。

 今回のダイヤ改正、京葉線は西船橋や武蔵野線への直通列車を増発しており、京葉線~武蔵野線の移動需要の強さが垣間見られる結果となりました。

 新駅開業もあわせ、今後流動がどのように変わるのか、注目です。