総武快速線は、東京と千葉を結ぶ主要ルートです。錦糸町~千葉の複々線区間では、11もの駅をすっ飛ばし、同区間を最速30分で結んでいます。

 しかし、土休日に1本だけ、極端に遅い総武快速が存在しています。途中で徐行を行うわけでもないのに、どうして他の列車よりも格段に時間がかかるのでしょうか。実際に乗ってみましょう。

 

 

 

 というわけで、7月某日、錦糸町駅へとやってきました。これから千葉へ向かいたいと思います。

 

 先に発車するのは7:29の普通千葉行き(608C)ですが、3分後の7:32に発車する快速千葉行き(693F)があるので、快速に乗ることにします。錦糸町発車時点で、差は3分しかないので、きっと快速のほうがうんと速く千葉に着くことでしょう。

 

 ということで、608C普通千葉行きを見送り、快速(693F)に乗車。これこそが極端に遅い快速列車なのですが、錦糸町を出るといつも通りスピードを上げ、亀戸・平井を通過して新小岩に停車。小岩駅を通過した際に、早くも608C普通千葉行きを追い抜かしました。江戸川を渡って千葉県に入り、市川に停車。ここで特急列車通過待ちのため、6分停車となります。

 少し待っていると、特急「成田エクスプレス7号」が横を追い抜いていきました。

「成田エクスプレス」は毎時1~2本設定されており、日中の総武快速は毎時1~2本、市川で特急の通過待ちを行います。なので、これは珍しいことでもなんでもありません。

 

 この間に、先ほど追い抜いた608C普通千葉行きが到着。普通列車は快速や特急とは別の線路を走っており、特急の通過待ちをする必要がなく、すぐに発車していきました。快速が普通列車に追い抜かされる格好となりましたが、実はこれも別に珍しいことではありません。関連記事は下記リンクからどうぞ。

 

 

(22.7.17  リンクを貼り付けました。公開当初はリンクを掲載しそびれておりました、申し訳ございません)

 

 さて、「成田エクスプレス」が追い抜いて行ったし、これでさあ発車、と思いきや…

 臨時特急「新宿わかしお」が追い抜いていきました・・・(汗)2本の特急を先に通し、ようやく発車です。市川駅到着時には608C普通千葉行きを1分リードしていましたが、この通過待ちにより5分のリードを許すことになりました・・・

 市川を出ると、西船橋あたりまではひたすら直線が続きます。この日の運転士さんは速度控えめで、100km/hほどで走っていましたが、最高速度120km/hで走ることも多く、総武快速のパワーを感じることができます。

 船橋を発車し、次は津田沼に停車。やっと608C普通千葉行きに追いつくことができました。これで逆転ですね!

 

 

 しかしよく見ると、津田沼ではいつもの1番線ではなく、2番線に到着しました。あれ?もしかして、まさか…ショボーン

 

 そのまさかで、またしても特急の通過待ちのため、5分停車…ショボーンせっかく608C普通千葉行きに追いつくも、またしてもリードを許してしまいます。

 少しすると、特急「しおさい1号」が横を追い抜いていきました。これで合計3本の特急に追い抜かされたことになります。

 なお、この「しおさい1号」は、土休日に限り1つ手前の船橋駅に停車するので、千葉駅やその先総武本線方面へ急ぐ場合は、船橋で乗り換えることができます。この日の車掌さんは、船橋到着前にその旨を案内していました。

 津田沼を発車すると、稲毛・千葉と停車します。ここからはいつも通りです。西千葉駅の手前で、やっと608C普通千葉行きをとらえました。

 しかし、この列車が到着する千葉駅8番線から発車する回送列車(324M普通千葉行きからの回送)がわずかに遅れていたようで、ここからノロノロ運転・・・結局608C普通千葉行きに追いつけないまま、1分遅れの8:15に千葉到着。錦糸町から千葉まで、本来なら30分少々で行けるところが、43分もかかってしまいました…

 

 なお、定刻通りの場合でも、608C普通千葉行きを追い抜かすことはなく、8:14に千葉駅に同着します。まさか、錦糸町を3分前に出た普通列車を追い抜かせないとは、夢にも思わないですよね・・・あせるあせる

 

〇なぜこの列車だけ極端に遅いのか?

 原因は主に2つあります。

1.この列車が唯一、市川・津田沼の両方で特急待避を行う

 総武快速線(東京~千葉)で、特急列車の待避ができるのは市川駅と津田沼駅です。特急待避の大半は市川で行われますが、ごく一部の列車は津田沼で特急を待避します。

 しかし、市川と津田沼の両方で特急待避を行うのは、土休日の693F千葉行き1本のみとなっており、そこが第1のポイントです。

 

2.この列車が唯一、二重待避の設定がある

 二重待避とは、1つの駅で2本の列車を続けて待避することをいいます。市川や津田沼で待避をする場合、通常は1本しか追い抜かされないのですが、この693Fだけは2本追い抜かされる設定になっています。

 なお、2本目に追い抜かされた特急「新宿わかしお」は、この3月から臨時列車となっており、運行されない日もありますが、運行されない日であっても特に時刻の変更はなく、市川で6分停車となります。

 

 最後に、608C普通列車と693F快速列車の走る様子を、時刻表とグラフ(ダイヤグラム)でみてみましょう。

 

 時刻表を見ると、市川と津田沼で2度608C普通千葉行きを追い抜いているものの、特急の通過待ちをしている間に”追い抜き返し”を食らっていることが分かります。普通列車は錦糸町~千葉間を44~45分で走破するのに対し、693F快速千葉行きは42分で走破と、普通列車と大して変わらないダイヤとなっています。

 もし錦糸町から千葉まで急ぐ場合は、お金を払って特急「新宿わかしお」「しおさい1号」を利用したほうがよさそうです。

 

 いかがでしたでしょうか。また面白いネタがあれば、どんどん紹介していきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします!!