今回はやや趣向を変えて、1月8日(土)に放送された「ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z」第18弾を見ての感想を綴りたいと思います。

この記事はネタバレ100%ですので、まだ御覧でない方はご覧になってからこの記事をお読みください。

なお、正解ルートの検証や成否のポイントについては、タビリスの鎌倉淳先生が既に丁寧に解説されていますので、そちらをご覧ください。

 

 

「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」は、3泊4日で、路線バスと徒歩だけでゴールを目指すものです。今回はスタートが石川県輪島、ゴールが静岡県の御前崎でした。中部地方の山岳地帯を越えていく難ルートで、予告では「史上最難関」とも称されていました。

 

1日目の長距離徒歩は不可避だったので、あれは仕方ありません。それでも富山までたどり着けたので、この日はノーミスでした。

松本~高山~富山間は、羽田・田中コンビは2回通っているので、「富山に出られれば高山、松本へ抜けられる」ことは当然知っていたでしょう。だからこそ、高岡から白川郷方面へ抜けようとすることもなく、まっすぐ最適解ルートをとることができました。このあたりはこれまでの経験がプラスに働きました。

やっぱり悔やまれるのは2日目ですよね・・・行ったことのない中津川方面か、既に通り抜けた経験のある松本・甲府方面か、飛騨神岡での運命の選択。

中津川までバスだけで南下できるということを、神岡の段階で掴んでいただけに、もったいなかったです。

しかし、「県境以外はそこまで歩かずに甲府まで行けるはず」という経験から、確実にゴールへ近づくために松本へ進路をとったのだと思います。普通のテレビ番組であれば、出演者が忖度して一回も通ったことのないほうへ行きそうなものですが、そんな忖度も一切しなかったあたりに、この企画がガチンコ勝負で行われていることを感じさせられました。

(それだけに、今回のように3日目の朝で負けがほぼ確定してしまったり、逆に4日目の午前中に早々にゴールしたりという展開も出てしまうわけですが)

 

さて、今回は甲府ルートをとってしまうと、ほぼ失敗に終わる仕掛けになっていました。

塩尻市のコミュニティバスが休日運休なのも痛かったですね。あれで塩尻市内で停滞する要因となり、体力も消耗してしまいました。

思い出されるのは、9月2日に同じテレ東で放送された「ローカル路線バスの旅 陣取り合戦 第5戦 茅野~上田城」です。あのときも塩尻市のコミュニティバスが全便運休だったため、河合チームがタクシー代を大量投入かつ長距離の徒歩を強いられました。

まだ放送から4か月しか経っていなかったため、記憶に新しい人も多かったことでしょう。

 

もし中津川ルートをとった場合、2日目はなんと徒歩なしで中津川に行き着くことができました。最大の選択は恵那駅からのルートでしょう。バスが多そうな名古屋方面へ行きたくなる気持ちをこらえて、山間部に進むことができるかがハイライトになったはずです。

しかし、恵那市の公共交通マップは、地図上にバスの停留所とルートが記されており、非常に見やすいため、山間部に進むルートを見つけられる可能性は十分にありました。

明知鉄道沿線 公共交通マップ (ena.lg.jp)

右下のほうにある「押山」というバス停まで行けば、豊田市稲武地域バスの路線があることがこの地図から読み取れます。これに気づければ、成功を手繰り寄せることができたでしょう。

 

最適解のルートは、大まかにいけば次のようになります。

輪島-(実際ルート)-飛騨神岡-高山-下呂-中津川-恵那-押山-稲武-田口(設楽町)-本長篠-浜松-磐田-袋井-大東-浜岡-御前崎

 

このルートの何がすごいかというと、

1.ほぼ陸路の最短ルートをとっている。

2.県境をすべてバスで通過できる。

3.1回の徒歩が最大でも9kmほどで済む。

4.下呂~浜松間は、ほぼ国道257号を進む形となっている。

 

というところです。思えば下呂から浜松までずっと国道257号を通っているので、国道257号線のルーティングに着目すれば、最適解が見えたかもしれませんね。

お題としても、史上最難関かはともかく、難関だったのは間違いありません。しかし、最適解はいたってまっすぐ、シンプルそのものというところが、今回のお題が良問たるゆえんだと思います。今回のMVPは制作スタッフに送りたいです。

さて、次失敗すると番組降板の危機に立たされた羽田・田中コンビ。粘れるかどうか注目です!