「高血圧で死亡」はまやかしである | Cの憂鬱

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先の無い高齢者のつぶやきです。Cは、お隣の怖い国、お金、職業などなどの頭文字?、かな。

「高血圧で死亡」はまやかしである 先述のような検証すべきことがあるのですが、国のほうでは一旦やり始めると利権が生じるため、塩分摂取量の目安を1日10グラムぐらいとしていたものを、最近では「6グラムに」とますます悪化してきています。 そして、それに対する補強材料として「エスキモーはほとんど食塩を摂らない」などと言い出したりもする。しかし、なぜエスキモーが食塩を摂らないかというと、獣の肉を主に摂る生活をしているところの人々は、もともと食塩の使用量が少なくて、そういう身体になっているからです。 日本のように周りが海で、魚の干物などを多く食べるようなところはもとから食塩の多い生活をしてきたわけですから単純に比較できるものではありません。 そうするうちにもっと決定的なデータが出てきます。 こういったおかしな状況がずっと続くと、やはり正義感に燃えた人だとか真実を追求したい人の声が上がってくるのです。 ところが、今から10年くらい前になると、さかんに医師のほうから「血圧と寿命との関係はない」という研究結果が出てきました。 いちばん決定的だったのは、年齢別のグループに対して、血圧を横軸に取って、縦軸に死亡率と取ったところ、血圧と死亡率の間に関係がないというデータが出てきたことです。 そうすると今まで使っていたデータは何だったのかと見返すと、年齢別ではなかったのです。 年齢別ではないグラフで横軸に血圧を取って、縦軸に死亡率を取ると、血圧が高いほうが死亡率が高い。それだけを見れば確かに「血圧が高いと死亡率が上がる」というふうにみえます。ところがそのグラフの中には年齢が隠されていました。 つまり「年齢が上がると血圧が高くなる」「年齢が上がれば死亡率も高い」というつのごくあたりまえの事実があります。これはもう誰もが認識することです。 そのときに、年齢を区別せず横軸に血圧、縦軸に死亡率というように取ってグラフにすれば、年齢に ついては隠れていますから「血圧が高いほうが死亡率は高い」というふうに見える。しかしよくよく見れば、これは「年齢が高いほうが死亡率が高い」ということを言っているのと同じことを示しているだけのことだったのです。 年齢が上がって70歳、80歳になると多くの人が死亡するというのは、みんながあたりまえのことだと思うでしょう。 ところが、年齢のところを血圧に代替して170とか180ということになると「ああそうか、血圧が寿命を決めるのだな」と思ってしまう。しかし実態はそうではなかったわけです。 『フェイクニュースを見破る 武器としての理系思考』武田邦彦 (ビジネス社刊) R060610 P110