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袴田元死刑囚に対し検察側が特別抗告を断念した。
簡単に説明すると、逮捕当時に警察による組織的な証拠捏造があったと裁判所が認め、それについて検察側も異議を唱えないということ。
当時の取り調べでは炎天下に1日12時間、長い時は17時間連続で行い、排泄の自由も奪い便器も取り調べ室に持ち込み警察官の前でさせるといった今では考えられない異常なものだったと伝えられている。
その中で意識が朦朧とする中、自白したという。
公判ではもちろん一貫して無罪を主張も警察の捏造した証拠が決め手となり死刑が確定した。
袴田さんが拘禁された時間は47年間、死刑囚として毎日のように怯えながら生きてきたことを思えば言葉もない。
またそれを支え続けてきたのが実のお姉さん。
何度も再審請求を行い、袴田さんの無実を信じて47年間戦った。
ご本人たちの無念は計り知れない。
失った47年間という時間の長さになにを想われるのか。
お金をいくら積まれても、どう謝罪を受けても許せるものではないだろう。
また許せないことを抱えさせられた無念も。
今となっては誰を許す許さない、悪い悪くないといったことを論議しても47年間という時間がそれを無意味なものにしてしまった。
当時関わった警察官、検察官、裁判官も47年という時間に年老いている。
やり場のない気持ちだけが袴田さん、そのご家族に残るだろう。
こういったケースにおいて公の場で警察、検察、裁判所は謝罪会見などしない。
個人的な謝罪もないに等しいだろう。
無罪であるにも関わらず犯罪者のレッテルを裁判所の判断により受けた方が少なくともいることは事実。
人間が人間を裁くことの難しさ怖さを改めて感じる。
袴田さんが失った47年間という時間はあまりにも長く言葉では言い表せない。
ただただ袴田さん、そのご家族が残りの人生を少しでも心穏やかに過ごせるよう祈るばかりだ。
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