「大戸」(意富杼)は「大きな喜び」(意富富杼)を含意 | ■朽ち果てた館■

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ARIONの預言解読──音楽に載せて

仁賢天皇は、即位する前の物語において、「意祁命」と出てくる。ところが、

真福寺本などに拠れば、帝紀部分には、「袁祁王兄意富祁王」と出てくる。

むろん「意富~/~」の組み合わせは、「~/~」の組み合わせだ。

そのさいに、「」か、もしくは、「(母音)+」という音形の言葉が存在して,

それに「~」を被せたのが、「意富祁」である。このように捉えられるだろう。

 

#ここで、「意富祁」>「意祁」の変化が起こりやすいとすると、

#「(母音)+」の母音部分は、元の言葉が四母音だとして,

#その四母音(a, , u, e)のうちの「u」ではないか、と思われる。(※この頭母音の有無については不明)

 

#「小本杼」が「袁本杼」で、「大富杼」が「意富富杼」なのは、

#「本杼」(富杼)の一音節目が「CV」で、「C」を脱落させると、(※「C」は子音の意、「V」は母音の意)

#「意富」以下の言葉が、あまりにも判らなくなるから、だろう。

 

#下で述べる様に、「意富祁」>「意祁」と変化するとすれば、

#「意富富杼」>「意富杼」の変化も、無いとは言いきれない。(※むしろ有ると考えたほうがよい?)

#この点は、「大戸比売」の「大戸」を捉えるうえでも、重要か。

 

*   *   *

 

とにかく…真福寺本の系統の写本を尊重すれば、物語中の「意祁」は,

意富祁」であると言うしか無く、又、「意富祁袁祁」の組み合わせは、

一般的な「~/~」の組み合わせである。このように理解してよい。

そのとき、例えば、「意富斗」>「意斗」といった変化の可能性も出てくる。

大戸」(意富斗)>「大戸」(意斗)ならば、これは、「」(意登)に掛かる。(※掛詞は甲乙相違を認容)

ここで、「」(意登)と「」(宇多)が、母音のみ異にする同源の言葉なら,

くつ子さん御指摘の漢語の「嘔吐」は、さらに、「」(宇多)にまで結びつく。

イメージは違っても、どちらも、「」から吐出するもの、という点は共通する。

ちなみに「大戸」(意富斗)は、印欧系の「auto」(自身自動?)にも掛かる。

連濁で読んでもよいので、「大戸」(意富杼)は、実は、「意富富杼」に掛かる。

 

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長々と書いてきたが、最後の一行に書いたことは、紛れもない事実と言うべき。

それが証拠に、ゲマトリアに於いても、【XWA BA RBA】(大戸比売328)は、

XDWA RBA】(意富富杼328)と重なる。これに鑑みて、「大戸」(意富杼)が,

意富富杼」(大きな富杼)=「大喜び」=「大きなブクブク」を含意することは確実。