「久延毘古」は…古事記の当時、「山田之曽富騰」と呼ばれた。
一般に、古事記の「久延毘古」は、単なる音仮名表記と見られ、
「久延」の部分は、「ク」及び「ヤ行のエ」を記している、とされる。
しかし、「曽富騰」=【SPDA】(white lead、167)=「土星」ならば、
「久遠」に近しい意味を持つ「久延」は、表意的にも機能している。
「久延」は、結局「kayyamānu」[SAG.UŠ](permanent)=「土星」。
#したがって、まさに、「久遠」や「久延」という漢語(仏教語?)は、
#【KWN】(土星、97)や【KAWN】(土星、99)と、まったく同源だ。
* * *
>寿命を延ばす。魏・嵆康〔養生論を難ずるに答ふ〕
>赤斧は練丹を以て頳髮(ていはつ)(赤い髪)となり、
>涓子(けんし)は朮精(をけら)を以て久延す。
(※『普及版 字通』より)
上の引用は、『普及版 字通』の「久延」の項からの引用。
「赤斧」以下の文言は、『養生論』に対する批判に答えて、
魏の「嵆康」が追加で述べている文言。「久延」の用例だ。
* * *
此処で大事なのは、「嵆康」の文言が、対句を構成する点だろう。
「頳髮」=【SORA SWMQA】(赤髪、781)=「鉛」=「土星」とは、
【KWN】(久延、97)=「kayyamānu」(permanent)=「土星」だから、
「練丹」により「頳髮」と言い、「朮精」により「久延」と言う、のである。
こういった用例に於ける「久延」の意味を理解したうえで、古事記は,
いわゆる表意兼帯の音仮名として、「久延」の二文字を記していよう。