このこと をバートルのお兄さんに話すと、

お兄さんは人(ツテ)を探して、事の真相を探ってくれた。


確かにその担当者は、お父さんが亡くなったので帰省しているとのこと。

確かに「21日」以降に仕事に戻る予定だが、21日とは陰暦の21日で、

普通に言えば、22、23日以降になってしまう。


さらに、こんなことまで発覚。


「フフホト市に戸籍の無い人間は、フフホトで手続きはできない」



バートルの戸籍は、フフホトには無い。

つまり、バートルの戸籍のあるところまで行って、手続きをしなければならない。


これは考えてみれば当たり前のことだった。

日中国際結婚の方法をどんなに調べても、

「中国人配偶者の戸籍所在地の役所で手続きをする」

としか書いていない。

中国人同士でさえ、どちらかの戸籍のあるところで結婚の手続きをするのだ。

法律がそう決めているのだから。



私たちも最初、

北京から彼の戸籍のある市に、直接行くことを計画していた。


しかし、あるときバートルがフフホト市政府で話を聞いたら、

「戸籍が内モンゴル自治区内にあれば、フフホトで結婚手続きができる」

と役所の人間が言ったらしい。

バートルも半信半疑だったので、日を置いてもう一度問い合わせてみた。

すると、また同じ答え。


そこで

どうせフフホトで式もやる予定なのだから

手続きもこっちでやろう…ということに決めたのだった。


彼の戸籍のある故郷までは、フフホトから列車で約1日。

行き帰りで2日はかかる。

交通費、宿泊費、食費、移動時間その他もろもろ…

北京から直接行っていれば、だいぶ少なくて済んだのに。

もしかしたら、今頃はもう手続きも終わっていたかもしれないのに。







役所の人間が、

法律にもないことを、

無責任に答えたおかげで

どんなに時間も金も無駄に使うことになったか。




アホー

(ノ-"-)ノ~⊥⊥がっちゃばしゃーんごろごろ ←(心の中で)ちゃぶ台をひっくり返してみた音



けれどどんなに怒っても、

役所が責任をとってくれるわけがない。

結婚手続きができるわけじゃない。

小役人の戯言を信じた私たちが馬鹿だったと思うしかない。


「こんなもんだよ

バートルの諦めたような言葉にうなずくしかなかった。

2月14日。


結婚の手続きをするために、

朝からフフホト市政府に向かった。


市街からタクシーで東へ20分ほどの郊外に、巨大な建物がある。

これがフフホト市政府(呼和浩特市政府)。

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クリックすると拡大されます。

手前の垣根と遠近法で大きさを測ってみてください。



市政府って、つまりは市役所?

日本の市役所は毎日人であふれているけれど

ここは建物の大きさの割には、人がほとんどいない。



エレベーターで11階へ。

事務室が廊下の両側にずらっと並んでいて、

その中のひとつの事務室がいわゆる「渉外婚姻登記処」


いよいよかぁ…とドキドキしながら

事務室のドアをノック。



「どうぞ」と言われて中に入ると、

40代ぐらいのおじさんがパソコンで麻雀ゲームをしていた。



………_| ̄|○




※ 以下、青文字バートル緑の文字おじさんだと思ってください。



「渉外婚姻(国際結婚)の手続きはここでできますか?」


「確かにここは渉外婚姻登記処だけど、

今日は担当者が休みをとっていて手続きはできないよ」


「明日には来ますか?」


「いや、どうもそいつの親父さんが亡くなったらしくて、実家に帰ったんだよ。

21日になれば戻ってくるらしいけどな」


今日は14日。21日といえば1週間後。

そんなに待てるわけがない。


「あなたは、手続きはできないんですか?」←ちょっとムッとしている。


「いや、俺は担当者じゃないからわかんないよ」




じゃあ、何のためにここにいるのー

麻雀ゲームなんてやってる暇があったら仕事しろー






と、言ってやりたかった。

喉まで出かかったけど、やめた。


あれこれ話してみたけれど、やっぱり「できない」の一点張り。

結局、何も進まないまま市政府を後にすることになってしまった。


本当に担当者は弔事で実家に帰っているんだろうか?

(休みをとるための口実なのでは?)

仮に、本当にそうだとしても、21日にフフホトに戻ってくるんだろうか?

(休みを延ばす可能性もある)

なんとか、別の人間に頼んで早く手続きができないものか?

(人間関係がモノを言う世界だし…でもそんなツテはない



そんなことが2人の頭をぐるぐるとまわっていて

帰り道は終始無言だった。

2月13日。


前日夜に北京を列車で出発し、

朝7時ごろ内モンゴル自治区の首府、フフホト(呼和浩特)市に着く。


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フフホト駅


ぴんと張りつめた冷たい空気と匂いが

「また帰ってきたんだ」

と思わせる。


留学で約1年を過ごし、その後も幾度となく訪れた街。

自分にとっては第2の故郷になりつつある。



しかし、しんみりと懐かしむ暇もなく、

今日は何をするか計画をたてる。

なにせ今日から、彼との結婚に向けて本格的に動かなければならない。


役所での結婚手続き、結婚式の会場や衣装の準備…

そのためにあちこちを走り回るのだ。

しかも、1か月という滞在期限つきなので余裕はない。


結婚式の準備は、彼の親戚も手伝ってくれるとのことだったので

まずは役所での手続きを最優先することにした。



彼のアパートに着いて荷物を置いてすぐ、

写真屋に写真を撮りに出かける。


中国で法的に結婚すると、「結婚証」という

一見パスポートのような証明書が発行されるのだが、

それに2人で並んだ写真を貼る必要があるのだ。


背景は赤、大きさは4×3cm

と指定された写真が8枚要るとのこと。


翌日仕上がりと言われたが、その場で現像してもらうことにした。

できれば今日中に手続きを始めたかったから。

デジタルカメラで撮影してもらい、仕上がりを早めてもらったので

10枚で35元。


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こんな写真。


あとは、私が日本から用意した書類と彼の書類、この写真をもって

役所にいくだけ。


事前に何が必要か確認してもらっていたので

書類に不備はないはず。

写真もきちんとできた。

しかも、2003年から法律が改正され、結婚の手続きが簡素化されたため

1日で手続きは終わるようになったらしい。

(以前は1週間とかかかるケースもあったとか)



今日明日には手続きは終わって、すぐ式の準備ができるだろうと

そのときは2人とも、そう思っていた。


嫌な予感がし始めたのは、午後になってから。




渉外婚姻(国際結婚のこと)を扱っている役所の機関に電話をした。


役所(フフホト市政府)は、市の中心部からかなり離れており、

タクシーで行くと20~30分もかかる場所にある。

そのため、担当者がいなくて手続きができないと無駄足になってしまうので

事前に担当者がいるかどうか確認をした。


電話の結果、担当者はいないことがわかった。


出鼻をくじかれた感じがしないでもなかったが、仕方ない。

翌日行くことにした。

2月12日。


フフホト行きの列車の切符の都合で北京に1泊し、

列車の出発時間までの間に、昔ながらの北京の街、「胡同」を見に行った。



☆写真&旅行記はこちらをクリック☆

胡同めぐり

胡同の中のお寺

鼓楼・鐘楼



バートルは最初から、どうも乗り気じゃない様子。


「胡同なんて、古い(←文字通り「古くて壊れかけ」の意味で使ってました。)家が

ずらっと並んでるだけでしょ?」


そ、そんなぁ

でも、ここまで来たのだから見に行くからね!!、と

嫌がる彼を連れまわして、胡同観光。


けれど、季節が悪いのか、私が期待しすぎたのか

あまり風情を感じることはできなかった(残念…)。


少々がっかりした私を見て、バートルは

「ほれ、みたことか」

とばかりにニヤリと笑った。

内心ムカッとしながらも、言い返せずにいると

鼓楼 という歴史的建造物にたどりつく。


胡同にはまったく興味のなかったバートルも、これには

「すごいねー!!入りましょう!!」

と乗り気。


ひととおり、中をぐるっと見て回ると、

外のベランダ(?)に出る扉を見つけたので出てみるが、

長い階段を登った楼上の部分に部屋があるので

そこから外に出ると、この建物が結構な高さがあることがわかる。


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こんな景色が眼下に広がります。


鼓楼の周りは低い建物が多いので、開放感たっぷり。

「すごいねー!」

と、はしゃぎながら、(←バカと煙は高いところが好きなんです)

柵につかまり、足元を流れる車の列を見下ろす私。

と、




…ん?


あれ?

何かが私を引っ張ってる??




後ろを振り返ると、腰の引けたバートルが

私のジャケットをつかんで、内側に引き寄せようとしていた。

(下図参照)


gulou-bator

こんな絵で本当にすみません…_| ̄|○



「お、お、落ちますから!!!!」










こんなベタなところで落ちるやつが

どこにいるーー!!(爆)









しかし、彼の目は真剣そのもの

腰が引けたまま、柵をゆさぶって強度を測ったり、

(↑その方が危ないと思う)

私がちょっとでも下を覗こうとすれば

「ダメです!落ちます!」

とストップがかかる。




…おもしろすぎる(´∀`)ニヤリ


そう思ったときから

わざと柵に近寄ろうと試みる私と

腰が引けたまま私を内側に寄せようとするバートルの


静かな攻防が始まった…








その様子はまさに…











That is THE バカップル(あれはバカップルです)




…よかった…

周りに人がいなくて…_| ̄|○

結婚の手続きをするために、中国へと旅立つその日は、

ちょうど、春の陽気が空の色にも溶けこんだように

暖かく、すっきりと晴れていた。


10:35成田発

NH905


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機内も日本語が大半を占める日系航空会社。
窓からは、頂上から裾野まで真っ白な雪に覆われた富士山。

機内食の味が「地地道道」な日本の味で、

(※ 地道 didao :正真正銘、本場の、真実の)


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海の向こうの国の人間との結婚を決めて

飛行機に乗ったことを、

少しばかり後悔しようとしていた。


日本を永遠に去るわけでもないのに

なぜか唐突に寂しさと不安が襲った。



14:00北京着


到着出口の真正面、

出迎えの人の列の最前列にバートルは立っていた。

私を出迎えるときはいつも、彼は一番よく見える位置で待っている。

満面の笑顔で。


その笑顔を見たら、


「これでよかったんだ」


なぜかそう思えた。

結婚してから1ヶ月ほどが経ちました。

早いといえば早いような、遅いといえば遅いような…

不思議な感覚です。


いろんな過程を経て、だんだんと

「あー、もう私人妻になったのね」 ←へんな意味に誤解しないでくださいね!?

と実感してきました。

(その割には、いまだに実家でぐーたら生活してますが(^^;)


もうすぐ新しい仕事も始まることだし、

ヒマなうちに、濃かった1ヶ月の出来事を残しておこうと思います。

3日坊主なので、どこまで続くかひじょーに不安ではありますけど…


どうぞ、あたたかく、気長に、見守ってくださいなっ

そして、こちらも気長に押し続けていただけるとうれしいです

えいやっ!!→ninki-rank-banner

バートルに電話をしたら、病院にいるとのこと。

彼のお兄さんが入院中なので、今夜は付き添いらしい。



おととい、お兄さんは朝から腹痛があって、薬を飲んでも治まらないので

仕事を休んで、小さな診療所で点滴を受けていた。


それでも痛みが引かないので、バートルに電話をしたらしい。


バートルが駆けつけたときも、

痛みに耐えながら点滴を受けているところだったそう。


そこで、バートルは怒ったらしい。


「こんな何もわからない医者のいる診療所で ←ひどい。

効かない薬打ってどうするんだ!!」

と。


急いで点滴を外させて、大きい総合病院へ。


検査の結果、盲腸(虫垂炎)だと判明し、

急いで手術をすることになった。

1~2時間ほどの短い手術で済んだらしい。



盲腸ってそれほど重い病気ではないらしいけれど

それでもひどくなれば、命に関わってくる。


普段はせっかちで、抜けているところがあるバートルだが、

ここぞというときは、なぜか外さない。

かなり強引なやり方をしたにしても、

今回は、家族全員が彼の活躍(?)に感謝したにちがいない。 ←妻バカ?

おととい日本に帰国しました。

内モンゴル・フフホトから北京まで寝台列車で10時間、

北京から成田まで3時間弱のフライト、

中国での移動にしては大した距離ではないにせよ

さすがに…疲れました。


なので、昨日は何もする気が起きず、一日中寝てました。


1か月の滞在は意外に早く過ぎ、

その間にもいろいろとあったのですが

全体的に見て、順調に物事をすすめられたかな?と思います。

いや、もう、なんとか期間内に終わってよかったです。


諸所の都合があって、バートルとは後数ヶ月は離れ離れです。

おかげで彼が来日するまで、独身気分(←正式には独身ではないですが)を満喫できるので

それはそれで楽しみです。


滞在中のことについては、これからゆっくり記事にしていこうと思います。

今日の昼ごろ、私は北京でバートルと会っていると思う。


今日から1か月ほど中国に滞在して、

いよいよ結婚をする。


1年間の同棲生活を経て、

2年間の国境と海を隔てた遠距離恋愛が

ようやく終わりを迎える。

長かったようで、短かった3年間。

思えばいろいろなことがあった。


その過去を笑って思い出せるように、

この先も2人で笑って過ごせるように、

2人で努力をしていかなければならない。

結婚はゴールではなく、転換点。

道路にたとえれば、合流地点。

(たとえが微妙ですみません)

お互いまったく違うところを走っていた道が合流し、

ひとつの道になる。

その先をどう進むかは私たち次第。


願わくば、

真っ青なよく晴れた空の下、

草原の真ん中をどこまでも続く

そんな道をたどりたい。

bator