昨日、久しぶりに映画を観てきました。映画は4年振りくらいでしょうか。吉永小百合さん主演の「母べえ」です。
昭和15年の東京を暮らす、仲の良い家族のお話です。あの時代の話は本当に切ないです。「戦争反対!」誰も
が思っていても口に出せない。自分に正直ある為に、そのことを口に出したり、文章に残したりしただけで危険思
想と思われ、重い罪に問われる。「母べえ」の物語の中ではお父さん(父べえ)が治安維持法で逮捕され、お母さ
ん(母べえ)はそんな父べえを尊敬し、支え続けます。不安を抱えながらも、子供達を育てる為に働き続けまし
た。不安になる子供達を、いつも優しく抱きしめてあげていました。こんな母の愛が伝わったから、子供達も不安
にならずに生きられたのだと思います。いつの時代でも、きっとこういうスキンシップって一番大事なんですよ
ね。子供達はいつだって不安なのだから。。
「山ちゃん」役の浅野忠信さんの演技がおとぼけ気味で良い味を出していました(-^□^-)
この時代、私の祖父母も母べえ、父べえのように生きていた時代なんですよね。私の父方の祖父は戦死してい
ますから、祖母も母べえと同じように苦労していたんだと思います。祖母は私が小学生の頃、62歳の若さで亡く
なっていて、戦時中の話を聞いたことはありませんでした。祖母から、当時のことを聞いておきたかったですね。
一度も聞いたことがなかったですから、祖母は昔のことを振り返って孫に話すなんて嫌だったのかもしれないで
す。それだけ、辛く大変な時代だったのでしょう。映画を観終わってそんなことを考えていました。
横浜に来てはじめて映画館に行ったのですが、最近できた映画館というのはすごく設備が整ってますねぇ~
ゆったりと綺麗なシートだし、お洒落な売店、映像も音も良いし、ロビーも広くてなんだか映画館という感じがしま
せんでした。私がいつも行っていたのは、大宮や浦和にある古くて小さい映画館だったので、そのギャップに驚
いてしまいました。時代は変わったなぁ(^^ゞ それこそ、母べえの時代でこんな良い施設で映画を観るなんて
夢以上のことだったんだと思います。今は、それが普通。必要なものはお金さえ払えば手に入る豊かな時代で
すが、それ故に幸せを感じることができなくなっている。母べえの時代とは違いますが、ある意味それ以上に悲し
い時代なのかもしれないです。