献血って多分ほとんどの方が一度は受けたことがありますよね。。もちろん良いことだとは思うのですが、でも
女性の場合心配でもあるのです。からだの中の鉄は再利用される(リサイクルですね)ので、通常大幅に減るこ
とは無いのですが、女性の場合生理があるので出血により鉄が毎月失われることになります。体内の鉄は、
貯蔵鉄と機能鉄に分けられています。貯蔵鉄は肝臓や骨髄などに蓄えられて、不足した時の補いに使われま
す。機能鉄はたん白質と結合し、赤血球のヘモグロビンを形成して、体内に酸素を運搬する役割を果たしていま
す。通常貧血の検査で診るのは機能鉄の部分なのです。血清鉄とかへモグロビンで判断するのですが、貧血
として扱われるのは血清鉄とヘモグロビンが基準値より減少してきた場合であって、必ずその前に貯蔵鉄が減少
してきているのです。こちら のこうして進む鉄欠乏性貧血を観ていただくとわかりやすいと思うのですが、第3段
階まで行かないと鉄欠乏性貧血とは診断されず、鉄剤が処方されることは無いのです。ここが問題で第1段階
と第2段階の前潜在性鉄欠乏状態と潜在性鉄欠乏状態に生理がある女性のほとんどが含まれることなの
です。前潜在性鉄欠乏状態、潜在性鉄欠乏状態の方は鉄欠乏性貧血の症状が出ないとされているのですが、
実はそんなことは無いのです。思い切り出ている方が沢山いらっしゃいます。疲れやすさ、動悸、頭痛、めまい
等出ている方が貧血の検査では異常無しの場合、前潜在性鉄欠乏状態、潜在性鉄欠乏状態の場合が多いの
です。これが見抜けない医師によって「異常が無いので自律神経失調症でしょう」と診断されて心療内科等にか
かることになるのです。前潜在性鉄欠乏状態、潜在性鉄欠乏状態の診断には血中の※フェリチンを調べなけれ
ばわからないのです。
※フェリチンは水溶性の鉄貯蔵蛋白で、組織中の鉄濃度により変化するため、鉄欠乏性貧血などの鉄代謝異
常の指標とされます。
大方の医師は認識が甘いのでこのフェリチンを調べることは無いのです。生理のある女性のフェリチンの平均
は30台だそうです。フェリチンは、有経女性の場合最低80は欲しいところで、100くらいあるのが理想だそうで
す。平均30なのですから、80ある方なんて稀なのです。このように貯蔵鉄まで調べれば、生理のある女性は皆
鉄不足な訳です。当然、献血等している場合では無いのです。自分が足りていないのに、人には差し上げられ
ないでしょう?こんなこと言うと日赤から苦情がきそうですが、これは本当のお話なのです。私もしばらく献血で
きていません。生理が上がるまでは献血は難しいと思います。
(注)フェリチンが低い前潜在性鉄欠乏状態、潜在性鉄欠乏状態の場合多くみられる病気や症状等
うつ病等の精神疾患、メニエール症候群、不妊症、不育症、PMS(月経前症候群)等