ディズニー映画語り ティーン・ビーチ 2 | すきなものしか語れない

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元ディズニーシー長年単パサー。今はおもにディズニー映画中心に好きなものだけ勝手に語るつまらないブログです。Dヲタだった頃の記事は思い出として残してます。


はいどうも。


今回はディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービーの作品について一本語っていきたいと思います。


ディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービーとはその名の通り衛星放送ディズニーチャンネルオリジナル作品として制作されたテレビ映画作品郡のことです。


衛星放送専用のオリジナルテレビ用ムービーでありながら非常に凝った作りのハイクオリティな作品も多く「ディセンダント」「ハイスクール・ミュージカル」ヒット作も多く排出しています。


その他の配信用や劇場用の作品と違い、衛星テレビ用ならではのコアマニアックな作風、もしくはティーンが活躍する青春劇が多いのも大きな特徴です。



ラインナップとしては実写映画が圧倒的に多いのですが、その中でも「キム・ポッシブル」「フィニアスとファーブ」といった人気アニメーション作品の長編等も制作されています。


実に多作なコンテンツ力が武器で1997年にシリーズが始まってから現在までで実に100を有に越える作品を公開し、コンスタントにヒット作も生み出す、ディズニーのもう一つの作品ラインとして長年秘かに一定の注目を集め続けているパッケージでもあります。



今回はそんなディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービー中でから、一風変わったコンセプトを持ったあの作品に続編となるこちらの一本について語っていきます。



(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)


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  ティーン・ビーチ 2

(原題:Teen Beach 2)

2015年

 監督

ジェフリー・ホーナデイ


データ



ディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービー(以外DCOM)の97作目として2015年に同チャンネルで初放送されたテレビ映画。


2013年に公開され大ヒットした「ティーン・ビーチ・ムービー」続編作品です。


前作同様原作のないディズニーのオリジナルストーリーで、1960年代の名作映画「ウエスト・サイド物語」「ビーチ・パーティ」へのオマージュが随所に盛り込まれた内容となっています。



前作とは反対に1960年代ビーチミュージカル映画の世界のキャラクターが現代へやって来てしまう騒動を描いたSFファンタジーミュージカル



監督を務めたのは前作に引き続きマイケル・ジャクソンキャプテンEO等様々な映画の振付を手掛け、DCOMでは「イケてる私とサエない僕」の監督としても知られるジェフリー・ホーナデイ


脚本とストーリークリエイトは「シンデレラⅢ」「キャンプ・ロック2」等も手掛けたダン・ベレンセンを含む四名が担当しています。


音楽及び楽曲は「ハイスクール・ミュージカル」「ディセンダント」シリーズ等の人気作品を多数手掛けるデヴィッド・ローレンスをはじめ、多数のアーティストによって制作されています。



主要キャストは前作から続投。


主役のマック役を演じたのはオーストラリアの女マイア・ミッチェル。今作で本格ブレイクを果たし、人気ドラマシリーズ「フォスター家の事情」のレギュラー出演でも有名です。


もう一人の主役・ブレイディ役には「オースティン&アリー」でも知られる人気俳優のロス・リンチ



他にもグレイス・フィップスギャレット・クレイトン、クリシー・フィット、ジョーダン・フィッシャー、等の若手俳優陣が前作から引き続き出演しています。



ハイスクール・ミュージカルを凌ぐ程のヒットを記録した前作に続くべく制作された青春ミュージカルムービーの第二弾。


視聴数では前作より数字を落とすものの、引き続き好調をキープ。サントラCD等も高セールスを記録する等、変わらぬ人気の高さを証明します。


評価面は、前作を根本から覆してしまうような脚本整合性のあやふやさ、大きな特徴だった60年代オマージュ希薄化、不自然なメッセージ性増加批判が集中。

前作に引き続き音楽ダンスパフォーマンス、全体の緩い空気を活かしたコメディシーン等は一定の高評価を獲得しましたが、全体的には否の多い賛否両論となっています。



主演のロス・リンチの出演が難しくなった事で継続は実現しませんでしたが、この続編の評価も含めDCOM代表作群のなかでひと癖ある変り種枠として、現在でもこのティーン・ビーチは根強い支持を獲続ける大人気シリーズとなっています。


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あらすじ



マックとブレイディが「ウェットサイドストーリー」の世界にスリップした事件から少しあと。


2人が出会い波乱の冒険をした夏休みが終わろうとしていた。


新学期が始まってもお互いの関係が変わらないか、一抹の不安を抱きながらも夏休み最後のビーチを楽しむ2人。


しかしそんな中でマックはウェットサイドストーリーの世界でレイラに貰ったネックレスを失くしてしまう。



一方ウェットサイドストーリーの世界では、レイラら映画のストーリーを繰り返しただ演じる事に疑問を抱くようになっていた…。



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感想




んー。。

大元のストーリーアイデアとても良いと思います。音楽ミュージカルシーンも前作に比べると少々パワーダウンしている感はありますがそれでもやはり流石の出来です。

ただ…。

ストーリーとか作品の魅力以上に見せたい事が製作陣に明確にあって、それが結果的に作品自体を邪魔してしまっている典型のような作品になってしまっている気がします。

ストレートに言ってしまうと、、フェミ的メッセージ優先しすぎてストーリー設定・キャラクターがやや壊れてしまっているんですよね。

しかも単にそれだけではなく、前作をある意味否定するようなその結末は…正直どうしてもいただけません。


なんかこう…「シンデレラⅢ」を思い出すなぁと思っていたら、、同じ脚本家さんでしたね…。

良いところも沢山あるんですが「1960年代オマージュ」「ディズニーチャンネル式ティーンムービー」融合という圧倒的な個性を魅せつけた前作の作品パワー維持できてない…というのが正直な感想でした。


メッセージ性への偏りによる弊害



前作でマックブレイディ映画の世界へ、そして今回はレイラタナー現実世界へやって来て彼らのがより強くなった事で、お互いの世界相互作用を起こす…という大元のコンセプトは良いと思います。

ただ……【自立した女性】をガッツリ描きたいがタメに、ストーリー細部の練り込み整合性が思いっきり犠牲になってしまっています…。

取ってつけたような整合性のないマックとブレイディの出会いのエピソード…
そして同じく取ってつけたような2人の恋愛模様
曖昧だったものがより一層曖昧になったスリップの原理や理由、映画世界のルール等…
レイラとマックを兎に角フェミ的に描くためだけの各種キャラ変


そして極めつけのラスト

主役の2人が一作目の出来事を全て忘れてしまう(それもレイラが自立する為だけに…)という……

これはやっぱりあまりにも強引すぎるかと。。

「シンデレラⅢ」もそうでしたが、この、メッセージ性を優先し過ぎて前作を実質無かった事にしてしまうというやり方は…やはり自分は個人的にどうしても許容できないんですよね。

しかも今作に至ってはそこに特に必要性も感じられず、設定をしっかり詰めればどうとでもなった気がしますし、基本的にブレイディとマックの恋愛模様はそれこそ如何にも取ってつけたようなフェミメッセージ為だけのエピソードで、ペラペラ感がずっとして…マックもその為に性格がかなり変わってますし。。

やっぱり一番はキャラクターが自分の意思で動いているのではなく【ストーリーの都合に合わせて動かされている】ように見えてしまうのが本当に残念でした。


ちょっと悪い言い方しちゃいますが…

せっかくこんなにも面白い素材アイデアがあるのに、それらとしっかり向き合わずただの【売り出し中のロス・リンチをカッコよく見せる事】【フェミの事しか考えてないような続編になってしまったのはちょっとかなりショックでした…。

前作で良い味出してたカマンベール達の安っぽいSFコメディ全消しされてて、最大の売りである60年代オマージュかなり薄くなってしまっていましたしね…。

音楽からもオールディーズっぽさが消えてしまいました…。

メッセージ性社会性の強い作品否定しているわけではありません。

ただそれとは関係ないところで世間から愛されている作品を、その作品としっかり向き合わずやりたい事のためだけにこねくり回して利用する手法は、本当に悲しいです。

この作品は確かに一作目からフェミ的メッセージはありました。しかしそれと同時にエンタメ作品としての魅力もしっかり追求されていて両者がちゃんと両立していたんですよね。

そこが大きく崩れてしまったのは、重ね重ね残念です。


怪我の功名



そんな中、今作でピカイチに良かったのはタナーの表現ですね。

レイラ達際立たせる為に兎に角前作よりもさらに単細胞で間抜けに、所謂かなり腐して表現されてるんですが…これによるタナー周りゆるダサコメディ辛うじてこの作品のティーン・ビーチらしさ保ってくれていました。

そして、腐すだけではなくて最後の最後でちゃんとタナーに魅せ場を作ってあげてるのは今作唯一のファインプレーだったと思いますね。
ストーリーの都合感は透けて見えるものの…)

基本的にタナーをはじめレイラ以外の1962年組は前作にも増して扱いが雑な事が逆に生じて、キャラクターそれぞれが非常に活き活きのびのびとしているのが良かったです。

主要キャラ達が前述通りちょっと微妙な立ち回りが多かったぶん、ここにはだいぶ助けられましたね。

それと最初にも書きましたが、映画の世界現実世界両方が作用しあってラストにはお互いが影響を受けあい少しずつ変化する…という大元の筋書き素敵でした。

(ただ…ウェットサイドストーリー存在を消してしまったことはやっぱりちょっと許せませんが…w)

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まとめ




…という感じで。


正直個人的には、、【これなら一作目で終えといて欲しかったかな…】という気持ちの方がどうしても強いです。。


【ダサくてゆるいけどそこが最大の味】だった前作に対して【ただ薄いだけの思想系映画】になってしまってるのは重ね重ね残念でした…。


一方で、オールディーズらしさ無くなりました音楽とミュージカルシーンは相変わらず流石のクオリティで非常に楽しいですし、ギャグも60年代強く意識した前作より分かりやすく若者にも受けるモノも多数あるので、前作よりもキッズティーン見易い内容ではあると思います。



結構辛辣に語っちゃいましたがまぁあくまで個人の感想ですので…とりあえず一作目を観て気に入った方は、一度は観ておく事をオススメしたいですね。


気に入る方ももちろん沢山居ると思うので。


ただやはり自分としては、、一作目クセ強オールディーズ感非常に好きだったので…やっぱりどうしても、、もっとこの作品ならではの魅力向き合った続編にして欲しかった…という感想にはなってしまいますけどね…。




「ティーン・ビーチ 2」は現在ディズニープラスで配信中です♪









というわけで今回はこの辺で〜!


いつも長文駄文にお付き合い頂き本当にありがとうございます。感謝です!


では、また次回!


しーゆーねくすとたぁーいむ。



 

 


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