はいどうも!
今回はディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービーの作品について一本語っていきたいと思います。
ディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービーとはその名の通り衛星放送ディズニーチャンネルのオリジナル作品として制作されたテレビ映画作品郡のことです。
衛星放送専用のオリジナルテレビ用ムービーでありながら非常に凝った作りのハイクオリティな作品も多く「ディセンダント」や「ハイスクール・ミュージカル」等ヒット作も多く排出しています。
その他の配信用や劇場用の作品と違い、衛星テレビシリーズ用ならではのコアでマニアックな作風、もしくはティーンが活躍する青春劇が多いのも大きな特徴です。
ラインナップとしては実写映画が圧倒的に多いのですが、その中でも「キム・ポッシブル」や「フィニアスとファーブ」といった人気アニメーション作品の長編等も制作されています。
実に多作なコンテンツ力が武器で1997年にシリーズが始まってから現在までで実に100を有に越える作品を公開し、コンスタントにヒット作も生み出す、ディズニーのもう一つの作品ラインとして長年秘かに一定の注目を集め続けているパッケージでもあります。
今回はそんなディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービーの中でから、あの「ハイスクール・ミュージカル」シリーズに追随するヒットを記録したこちらの一本について語っていきます。
(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)
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キャンプ・ロック
(原題:Camp Rock)
2008年
監督
マシュー・ダイアモンド
データ
ディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービー(以外DCOM)の72作目として2008年に同チャンネルで初放送されたテレビ映画。
音楽キャンプ「キャンプ・ロック」を舞台に、音楽と青春に奮闘する若者達を描いた青春ミュージカルムービー。
監督は有名なドキュメンタリー映画「ダンスメーカー」や人気ドラマ「デスパレートな妻たち」を手掛けた事でも知られるマシュー・ダイアモンド。
脚本は役者としても活躍し今作にも出演しているジュリー・ブラウンら四名。
音楽は数々のテレビ映画音楽を手掛けてきたデビッド・キテイ。
オリジナル楽曲制作にはマイリー・サイラスやヒラリー・ダフ、さらに日本の倖田來未さんにも楽曲を提供しているソングメイカーのマシュー・ジェラードとディズニー作品の楽曲を多数手掛けているロビー・ネビルのコンビをはじめ、アントニーナ・アルマートやアダム・アンダースら「ハイスクール・ミュージカル」等の人気ディズニーチャンネルミュージックを排出してきた実力者が揃い踏みしています。
本作の主人公、歌手志望のティーンガールミッチーを演じたのはミュージシャンとしても活躍するディズニーチャンネル出身スター代表核の1人、デミ・ロヴァート。
あのアナと雪の女王のヒット曲「Let it go」でも非常に有名です。
波乱万丈な人生を送ることになる彼女の本格キャリアは、今作のヒットから始まりました。
著名バンドコネクト3のボーカル・シェーン役には人気兄弟ロックバンド「ジョナス・ブラザーズ」のリード・ボーカルであるジョー・ジョナス。
彼もまたディズニーチャンネルスターの1人です。
又、彼のバンドメンバーであり兄弟のニック・ジョナス、ケビン・ジョナスも「コネクト3 」のメンバーとして本作に出演。
他にもミーガン・マーティンやアリソン・ストーナー、ジャスミン・リチャーズ、等の若手アクター達が多数出演しています。
ハイスクール・ミュージカルの
メガヒットに続きたいディズニーは、
同ジャンル同タイプの
青春ミュージカルムービーを多数制作していく事になり、その
筆頭となったのがこの
「キャンプ・ロック」でした。
視聴数では見事ハイスクール・ミュージカルに次ぐ記録を打ち立て、サントラCDや関連商品も爆売れする等、作品は目論見通りの大ヒットとなります。
評価面ではDCOMらしく賛否のある内容となりましたが、ティーンを中心に揺るぎない人気を獲得し、続編も制作される等、ディズニーチャンネル看板作品の仲間入りを果たしました。
現在でも依然その人気とカリスマ性は非常に高く、公開から15年以上が経過しても尚、さらなる続編を望む声が上がり続ける等、DCOMを代表する名作の一つとして愛され続けています。
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あらすじ
ミッチー・トーレスは気弱で少々内気だが、音楽が大好きな女の子。
自身でオリジナルの楽曲を作り、いつかプロの歌手になる事を夢見ていた。
決して裕福な家庭ではないが、コックである母親の計らいでミッチーは兼ねてから希望していた音楽キャンプ「キャンプ・ロック」に参加できる事となる。
母親がキャンプのコックとして採用され、ミッチーの割引参加が可能となったのだ。
意気揚々とキャンプの日を迎えたミッチーだったが、他参加者達の実力や熱意に気後れしてし、なんとか馴染む為仲間達にとある嘘をついてしまう。。
一方人気バンド【コネクト3】のボーカル・シェーンは、その不遜で横柄な態度により低迷したイメージを正す為、古巣であるキャンプ・ロックのコーチとしてバンドメンバーに半ば強制的に送り出される。
乗り気じゃないシェーンだったが、ある時正体不明の歌声をキャンプで耳にした事から彼の運命は大きく動き始める。
こうして、参加者それぞれの想いが渦巻く中、若者達の【音楽と青春の夏休み】が始まろうとしていた…。
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感想
良くも悪くもまさしく
ポスト・ハイスクール・ミュージカルといった内容の
群像劇風青春ミュージカルムービー。
脚本による細部の掘り下げや必要以上の描き込みを行わず、ミュージカルに見せ場を全振りしたその潔い構成。
不自然なくらいクリーンで甘酸っぱい陽の青春を表現する作品方針。
この辺はホントにハイスクール・ミュージカルのパッケージを踏襲していて、ティーンの琴線に触れるセンスや空気感作りも流石だなと思いました。
そのかわりストーリー映画としての独特の淡白感、雑多感等のマイナス面も受け継いでるのは否めないんですけどね。
ただ、一本の作品として観るとトータルではこちらのほうがクオリティは若干上かなと思いました。
ティーン向けの青春映画でありながらも、どんな人にも共通して刺さるような普遍的なテーマを音楽やミュージカルという手法を通してわかりやすく伝えているのが素晴らしいんですよね。
あとやっぱり何よりも肝心の音楽がちゃん良いんですよね。
この辺はやはり鉄壁のソングライター陣の手腕…流石でした。
気軽に見れてちょっと元気になれる、、DCOMらしい爽やかさの素敵な作品だと思います。
溢れる人間臭さ
個人的に今作の
構成で良いと思ったのは大きく
ニ点。
一点はデミ・ロヴァート演じるミッチーという主人公のリアルな人間らしさです。
見栄を張り注目される為に嘘をつき親を隠し、周りに流されるその様子は非常に人間味を感じます。
さらに他の登場人物も、どこかフラフラしていて明確な意思やアイデンティティ、まとまりがないキャラクターが多くそれがこの作品独特の生臭さをDCOMのキラキラした雰囲気にプラスしてくれています。
いかにもフィクション的なキャラクター像の多い他の多くのディズニー作品とは違いどこかキッパリしていない、、ティーンとしてあくまでもゆるゆると成長途中なキャラクター達のリアリティがこれまで見たDCOM作品とちょっと違ってて良いなと思いました。
成長物語自体は沢山あるんですけど、今作はその表現が悪く言うと雑多で曖昧で、そこが逆に人間らしくて良いな、と。
あと、
ミッチーの
本気の歌パフォーマンスを
最後の最後までとっておく構成も、
効果的だったと思います。
まさにラストの一曲「This Is Me」で、一曲の歌のみでこのキャラクターの成長を表現するという、ちょっと乱暴ですがこれがかえって作品の色になってて良かったですね。
潔く剛腕な演出構成
二点目は、これも上記に関連した話にはなりますが、今作は兎に角ストーリー後半の【ファイナルジャム】すなわちライブシーンが全ての見せ場になっていて、それまでの一時間以上は言わば全てがこのシーンへの前振り…という構成がとられています。
これも言ってしまえばちょっと乱暴なんですけど、その分このライブシーンでの達成感と爽快感、感動がとても大きくなるんですよね。
何しろこれまでの問題がこの数曲のライブシーンで全て解決しちゃうんですから。
ホント…強引ではあるんですけどね。
特にこのマーガレットというキャラクター下りなんかは土壇場の隠し玉として非常に大きな印象と感動を視聴者に与えてくれます。
本当ならこのシーンの前に彼女に関しての伏線やリードをもうちょい入れそうなもんですがそれをしない脚本が、逆にこのシーンの感動をより増してくれてるんですよね。
このミュージカルムービーとしての潔さも個人的には非常に好感を持てましたし、とても楽しめた要因でした。
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まとめ
丁寧に物語を追いたい人からしたら【雑】と一蹴されてしまうかもしれませんが、個人的にはこの雑さがかえってストーリーの人間味とエンターテインメント作品としての爽快感を増す結果になっているのが非常に良いなと思いました。
音楽もとても良く、流石に
本業ミュージシャンな
ジョー・ジョナスと
デミ・ロヴァートなだけあって
パフォーマンスも素晴らしいです。
もう普通に「This Is Me」は本当名曲ですよ。
ダンスミュージカルも見応えたっぷりな出来に仕上がっていて、これだけでも充分に見る価値のある作品だと思いますね。
物語に入り込んでかぶりつきでストーリー映画を楽しみたい方にとっては厳しいかもしれませんが、ティーンにとってはとても素敵な1本になると思いますし、大人にとっても小難しい事を考えずに気楽に楽しめて、尚且つ見た後にほんのちょっと元気と前向きさを貰えるような、そんな作品になっていると思います。
子供達の成長を通して自分達も少しだけあの頃の、初心の気持ちを思い出せる…。
そういうところが個人的にDCOM作品の大好きなところなんですよね。
もちろん一本の映画として見ると雑でお粗末な部分ももちろんあります。
なかなか厳しいなと感じる演出や構成、演技もあります。
ただ同時に、映画って、エンターテインメントってこういうもんだよな、ていう清々しさも感じるんですよね。
テレビ映画なんて…と嫌遠はせず是非とも一度通はチェックしてみていただきたい一本です♪
「キャンプ・ロック」は現在ディズニープラスで配信中です♪
はい。
というわけで!
今回はこの辺で。
いつも長文駄文にお付き合い頂き本当にありがとうございます。感謝です!
では、また次回!
しーゆーねくすとたぁーいむ。