ディズニー映画語り ミッキーの騎士道 | すきなものしか語れない

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元ディズニーシー長年単パサー。今はおもにディズニー映画中心に好きなものだけ勝手に語るつまらないブログです。Dヲタだった頃の記事は思い出として残してます。

はぁぃどぅも。



今回はミッキー・マウスの初期モノクロ短編作品語り回です。


実に120以上作品数を誇るディズニーの看板キャラクター、ミッキー・マウス短編シリーズの中でも比較的知名度が低めの作品を中心にご紹介しているこちらのシリーズ記事。


今回は、ハリウッドスターとの相次ぐ共演を果たす等ミッキー人気の正に絶頂期時代とも言える1933年台の作品群の中から、ファンからの人気の高いこちらの一本について語りたいと思います。


(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)


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  ミッキーの騎士道

(原題:Ye Olden Days)

1933年

監督

バート・ジレット



データ


ミッキー・マウス第55作目の短編劇場映画。


1933年に公開された5本目のミッキー作品です。


各作品によって実に様々な時代設定役どころを演じ分けるミッキーですが、今作の舞台意外と珍しい中世ヨーロッパ


そしてこちらも意外と珍しいオペラ風ミュージカルでほぼ全編が構成された「おとぎ話イズム」な一本です。


又、今作では人気キャラクターグーフィーの原形であるディピー・ダウグが、なんとヴィラン役として登場するという珍しい設定を用いた作品でもあります。



監督は1929年「ミッキーの海山越えて」で初めて監督を担当して以来実に30以上ものミッキー作品を監督を務めたバート・ジレット

シリー・シンフォニーシリーズの「花と木」「三匹の子ぶた」等のアカデミー賞受賞作品を手掛けた事でも知られる人物です。


音楽は「白雪姫」「ダンボ」「バンビ」等の錚々たるディズニーミュージックを手掛け、名曲「狼なんかこわくない」を手掛けた事でも知られるフランク・チャーチル



ミッキー・マウスの声優を務めたのはウォルト・ディズニー

ウォルトは会社が軌道に乗り多数の作品の制作とディズニーランド計画で多忙になりながらも最終的に1947年までミッキーの声演じ続けました


ミニー・マウス役にはマーセリット・ガーナー

ガーナーはディズニー初期の制作スタッフ1930年「カクタス・キッド」でミニー役に抜擢されてから1941年にディズニーを退社するまでの約10年以上に渡って彼女の声を演じ続けることになりました。


ディピー・ダウグ(グーフィー)を演じたのは30年以上に渡り彼の声を担当した最初の専属声優ピント・コルヴィグ

又、ミニーの侍女役として登場するクララベル・カウの声も同じくピント・コルヴィグが演じました。


圧倒的な代表作とまではいかないものの、ミッキーの出演短編の中では比較的高い知名度を持つ作品であり、今作に登場する吟遊詩人のミッキープリンセスに扮したミニーは彼らの人気コスチュームとして多数のグッズ展開が行われ、ロミオとジュリエットを思わせるそのポスターアート等も有名となりました。


現在でも1930年代前半ミッキーマウスシリーズを代表する名作の一つとして世界中から愛され親しまれ続けている一本です。


後年の再リリースに際してカラー化も実施されました。


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あらすじ



中世ヨーロッパ。


ララパズー王国に辿り着いた吟遊詩人のミッキー。


王宮では王女であるミニーと新興国ププパドゥーの王子による政略結婚が執り行われようとしていた…。


しかしミニーは結婚を強く拒み王子に暴力を振るってしまった事で牢屋へ捕らえられてしまう。


一部始終を外からたまたま目撃したミッキーはミニー姫を助けるため行動を起こすのだが…


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感想




キャラクター性ギャグアクション重点を置いたスタンダードカートゥーンであるミッキー・マウス短編シリーズの作品ではありますが、その内容はどちらかと言うとシリー・シンフォニーに近い物を感じさせる一本です。

フランク・チャーチルによる独特ながらも圧倒的にキャッチー素晴らしい楽曲と共に繰り広げられるおとぎ話のオペラミュージカル

キャラクターの愛らしさはもちろん小気味よく繰り広げられるギャグは見ていてとても楽しく、飽きることがありません。





珍しくヴィラン役を演じるグーフィー(ディピー・ダウグ)ですが、既にこの時点でその圧倒的なキャラクター力完成されている事にまず驚かされます。

出演時間は決して多くないにも関わらず登場するや否や絶大なインパクトと笑いで残していくそのポテンシャルは圧巻ですね。


 

ちなみに今作はもともとミッキーの前身キャラクターオズワルド・ザ・ラッキー・ラビット1928年の作品「Oh What a Knight」という作品を原型とした作品です。

プロットは非常に類似していますが、この2作品を見比べるとそのアニメーションクオリティの違い圧倒されます。

たった5年とは思えない画力の差です。

ディズニーの1930年代におけるアニメーションスタジオとしての急激な成長を改めて感じさせられますね。

これはやはり、様々なアニメーションの技法や表現試験の場として立ち上げられたシリー・シンフォニーシリーズの影響が大きかったんだと思いますね。

今作に関しては前述の通り特にその構成や表現シリー・シンフォニー培ったイズムを強く感じる一本になっています。



個人的には特にこの時代のディズニーの「食事シーン」凄く好きなんですよね
食事文化の違い流れも感じますし、何よりも単純に非常に画力がきめ細やかなのでどれも美味しそうなんです。

チキンをビールにつけて食べるとか、絶対美味しくないだろうに何故か美味しそうに見えてしまうんですよね…。



ミッキー能天気具合、嫌なことは投獄されようが主張を曲げないミニーギャグポテンシャルの塊であるグーフィー絶妙な存在感を放つクララベル、、

全てのキャラクターそれぞれの個性をしっかりと発揮して一本の非常に上質なコメディカートゥーン形成された素敵な一本です。

フランク・チャーチルによる一度聴いたらなかなか忘れられない癖になるオペラポップにも注目して欲しいですね。



短い短編作品なので、隙間時間にぜひいかがでしょうか?♪


あ、それと今作は色んな意味原語版での視聴をぜひオススメしたいですね。

面白さが数段変わると思いますので!




「ミッキーの騎士道」は現在ディズニープラスで配信中です♪



子供の度は観たことかある方も多いとは思いますが、たかが短編映画と侮らず機会があれば是非大人の視点で、もう一度改めて観てみるのもオススメですね。


それとミッキーファン及びグーフィーファンの方は特に一度チェックしておいて損のない作品だと思います♪



はい。


というわけで今回はこの辺で!


今回も長文駄文にお付き合い頂きありがとうございました♪


しーゆーねくすとたぁいむー。