はいどんも。
今日はディズニーの原点である短編映画シリーズについて1本語っていきたいと思います。
ディズニーは元々短編カートゥーンが主戦場の小さな映画制作会社でした。
「白雪姫」の大成功後そのメインは長編アニメーション制作へと移行していく事になります等のキャラクターシリーズやシリー・シンフォニーシリーズ等をはじめ、数は減っていきながらも原点である短編アニメーションの制作は今日まで継続して行われ続けています。
最近ではディズニーの長編作品と併映という形でコンスタントにリリースされていますよね。
何かのシリーズや続編も多いのですが、そのどれにも属さない単発の短編作品の中にも、あまり知られてはいませんが素晴らしい物が沢山あります。
特に2000年代〜の短編作品は、メインである長編アニメーション浮き沈みとは裏腹に非常にクオリティと評価の高い物がとっても多いんです。
アカデミー賞受賞作品もいくかあったりするんですよ。
今回はそんな作品群の中から、半世紀近くぶりとなるの復活となったディズニーが誇る人気キャラクターの短編劇場作品であるこちらの1本について語っていきます。
(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)
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グーフィーのホームシアター
(原題:how to hook up your home theater)
2007年
監督
ケヴィン・ディーターズ
スティービー・ワーマーズ
データ
2007年に劇場公開されたグーフィー・シリーズ第51作目(諸説により前後あり)となる短編アニメーション映画。
グーフィー短編シリーズとしては実に46年ぶりの新作映画となりました。
元々は
手描きアニメーションを
デジタルにて制作する
新システムを
実用実験する為に発案され、特に新システムで
往年の手描きの画風が
維持できるかを
試す意味合いで、
グーフィーの往年の
人気短編コンテンツであった
「How Toシリーズ(教室シリーズ)」に
白羽の矢が立ち、制作が行われれました。
グーフィーが最新のホームシアターシステムを購入しそれを設置するまでの悪戦苦闘が往年の教室シリーズのフォーマット描かれた短編コメディ。
監督のディーターズが私生活でテレビを購入した時の実体験がストーリーの大元となっています。
監督は「ネッシーの涙」や「アナと雪の女王/家族の思い出」を手掛けた事でも知られるスティービー・ワーマーズとケビン・ディーターズの2名。
脚本とストーリーには監督の二人に加えてウィルバート・プリナールや70年以上のディズニーキャリアを誇ったレジェンドのバーニー・マッティンソンも参加。
アニメーターとしてマーク・ヘンやエリック・ゴールドバーグ、デール・ベア等錚々たる面々も参加しています。
音楽はピクサー、ディズニー、マーベルと様々な映画作品のスコアをマルチに手掛けるマイケル・ジアッキーノ。
グーフィー役には1980年代から専属声優を務めるビル・ファーマー。
教室シリーズでお馴染みのナレーターを、ピーター・パンシリーズのフック船長役などでも知られるコーリー・バートンが演じました。
アメリカでは数十年ぶりに劇場公開されたグーフィーの短編作品、そして人気のHow Toシリーズの復活という事で話題になり、その往年のディズニーの伝統的手法と最新のアニメーション技術や現代的題材を組み合わせた内容はディズニーファンを中心に好評を獲ました。
日本では劇場未公開でしたが、2015年にDVD&Blu-ray「ディズニー・ショートフィルム・コレクション」に収録されて初リリースされ、グーフィーフリークを中心に、最近では少くなくなってきたディズニーの純粋なコメディカートゥーンの1つとして現在でも愛され続けている一本です。
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あらすじ
グーフィーは大好きなスポーツ観戦を楽しむため、最新のホームシアターシステムを購入する…。
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感想
グーフィーのこの
How to〜シリーズは実はディズニーの
短編作品郡の中でも
随一の人気を持つ
カリスマコンテンツです。
特に1940年代には一世を風靡し、子供だけではなく大人からも大きな人気を獲得。
多数のグッズ展開等も行われ、ディズニーの代表キャラクターである
グーフィーの
世界的な認知度と
人気を
確立させる大きな立役者となりました。
ディズニーファンだけではなく、カートゥーンファンや映画ファンの中にも支持者が多く、特にクリエイター陣から愛されるシリーズでもあり、最近では2021年にディズニープラスにてシリーズ最新作「グーフィーのステイホーム教室」も公開されています。
そんなシリーズの突然の復活となったのがこの「グーフィーのホームシアター」。
まずはやはりそのアニメーションの見事さには驚かれます。
過去の短編作品の映像等も一部取り込みながら、伝統の手描きによる巧みさとデジタル処理による洗練感が見事に融合しています。
グーフィーの大きな魅力であるオーバーリアクションによる動作ギャグも非常に滑らかで、キャラクターののびのびとしたモーションに笑いながらも目を奪われます。
冴え渡るギャグセンスも相変わらず一級品です。
そして個人的には今作で最も関心したのはその
題材の巧みさとこの
How toシリーズの
コンテンツとしての強さです。
この作品、やっている事はそれこそ1940年代のオーソドックスなオールドアメリカンカートゥーンでありそこ自体に目新しさはありません。
往々にしてこういう往年のシリーズの復活作というのは懐古的な物で終わってしまうのが通例なんですが、今作は題材をホームシアターという40年代には無かった時代のものにする事で、懐古ファンだけではなく現代の人もあるあるコメディとして楽しめる工夫が成されています。
この手法は2021年の【ステイホーム教室】にも受け継がれました。
その中で、例えば【ウォルトやクララベルの写真】等のファンが喜ぶ小ネタもちゃんと詰め込んでいます。
この辺のさじ加減は流石ですし、何よりもそれはつまりこのグーフィーのHow toシリーズの【コンテンツとしての強さ】を物語っているんですよね。
本当に
シンプルな構成です。
何せグーフィー1人とナレーター1人居ればそれで成立しちゃいますからね。
グーフィーがただ一生懸命何かに取り組むだけで、一本のコメディ映画になっちゃうんですからw
それこそ初期のチャップリンのように。
しかしながらこのシリーズ独特の空気感と面白さが確かにあり、それを見れば一発で万人が理解できる。
ある意味題材は何でも良いわけです。
スキーでも、探偵でも、ホームシアターでもステイホームでも。
逆に言うとこの題材だけすげ替えればいくらでも、いつの時代でもできるわけです。
恐ろしくシンプルながら恐ろしく良く出来たパッケージです。
そしてそれを可能にしているのは間違いなくグーフィーというキャラクターの地力の高さから所以している事に他なりません。
ストーリーも、共演者さえも最早要らない。
彼が1人で何かするだけで笑いが起き、それが立派なエンターテイメントになってしまう。
これは凄いことです。
まさにコメディキャラクターの1つの完成形と言えるでしょう。
このグーフィーを始めとする圧倒的なキャラクター力の高さが、現在におけるまでディズニーアニメーションの根幹を支えているのは間違いありませんよね。
日本での認知度は比較的低い作品ではありますが、他のHow toシリーズも合わせて、是非もっと沢山の人に知っていただきたい作品の1つです♪
「グーフィーのホームシアター」は現在残念ながらディズニープラスをはじめ一切の配信リリースがありません。
日本では「ディズニー・ショートフィルム・コレクション」というDVDやBlu-rayでのみ鑑賞する事ができます。
このソフト作品は個人的に非常にオススメですね。
アナ雪やラプンツェルの続編等も収録されていますし。
少々観るのが手間な作品ではありますが、気になった方、そしてディズニーアニメーションのコアな部分も知りたい!という方には是非とも一度はチェックして頂きたい1本ですね。
はーい。
というわけで今回はこの辺で!
今回も長文駄文にお付き合い頂きありがとうございました♪
しーゆーねくすとたぁいむー。