ディズニー映画語り 白雪姫 | すきなものしか語れない

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元ディズニーシー長年単パサー。今はおもにディズニー映画中心に好きなものだけ勝手に語るつまらないブログです。Dヲタだった頃の記事は思い出として残してます。



はいどうも。


さてさて。

今回からついに、以前からやろうやろうと思っていた【ディズニーアニメーションスタジオ映画史を改めて辿るシリーズ】を初めていきたいと思います。


はい。2周目です。


これまであらかた順を追って語ってきたウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの作品達ですが、実は最初期の作品に関してはまだ触れていませんでした。


というのも今更この名作達を語るのも野暮だろうと思ってたからなのと、そもそもがなんとなくの無計画で始まった映画語りブログだったから…。


なんですが、折角ここまで語ったんだから全作品語り尽くしたいという気持ちと、かなり過去に語った記事等は今思うと結構色々手直ししたい物が沢山あるので、過去記事の追記修正も含めて改めて2周目を、というわけです。



兼ねてから考えていたんですがなかなか手が出なくて…w



今回やっと重い腰を上げることにしました。



という事で改めて!


【ディズニーアニメーション映画史を改めて語り尽くす】シリーズのスタートです!





第一回目はもちろん、それまでの映画・エンターテイメントの常識をひっくり返し全ての始まりを告げたこの偉大な名作からスタートですよ!



(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)


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  白雪姫

(原題:Snow White and the Seven Dwarfs)

1937年

監督

デイヴィッド・ハンド


データ

ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ記念すべき1作目の長編アニメーション。


同時に世界初カラー長編アニメーション作品でもあります。


まだアニメーションがあくまで実写映画の間に挟まれる子供の為のおまけとして扱われていた時代。


「成功するわけがない」

「ディズニーの道楽だ」


と多方面から揶揄され、家族から止められながらも、自宅を抵当に入れる借金を抱えながらも、ウォルト・ディズニーが文字通りその人生と社運をかけて生み出した映画史・エンターテイメント史に残るマスターピース、それが「白雪姫」です。



監督はディズニーレジェンドデイヴィッド・ハンド。ディズニーのもとで様々な短編作品を作り上げ、後に「バンビ」の監督を担当した事でも知られています。


彼だけではなく「シンデレラ」「ふしぎの国のアリス」「ピーター・パン」等を後に監督する事になるウィルフレッド・ジャクソン「ピノキオ」「ダンボ」ベン・シャープスティーンなど正に錚々たる顔ぶれが揃い、文字通りディズニーの総力を結集して作り上げられました。


音楽は「三匹の小ぶた」「狼なんかこわくない」が大ヒットを記録し、この後の1940年代までのほぼ全てのディズニー長編作品の楽曲を担当したフランク・チャーチルラリー・モーリー


スコアにはリー・ハーラインポール・スミス

いずれも草創期のディズニー作品に欠かせない存在でした。



原作はグリム童話「Snow White」

要所で変更は加えられていますが、大まかなプロットは原作通りであり、後の作品群程大きな改変は行われていません。


ちなみに、実はウォルトは題材を白雪姫に決定する前ルイス・キャロル「不思議の国のアリス」長編映画にと考えていました。

権利の関係で実現しませんでしたが、もしかしたら「アリス」がディズニーの長編第一号となっていたかもしれないと思うと面白いですね。



美しい王女白雪姫を主人公とし、彼女と森に住む七人の小人達との触れ合いや女王との対決を描いたファンタジーミュージカル作品



白雪姫役を演じたのはアドリアナ・カセロッティ。しかし当時キャラクターのイメージを崩したくないという意向からクレジットに名前は乗らず、映画のヒットで大きな注目を浴びたにも関わらずその後目立った活動は行いませんでした

これが現在まで続く【ディズニーの過剰なイメージ主義】というパブリックイメージの始まりと言われています。

日本語版は小鳩くるみさん。


王子役にミュージカル俳優のハリー・ストックウェル。日本語版は三林輝夫さん。


王妃役はルシル・ラ・ヴァーン

これが最後の映画出演となりました。

日本語版は里見京子さん。


おこりんぼ役にはグーフィープルート役でも知られるピント・コルヴィッグ

日本語版は千葉順二さん。



「絶対に失敗する」という周囲の冷ややかな声を吹き飛ばすが如く本作は規格外の大ヒットを記録しました。

「子供も大人も楽しめる最高の芸術作品でありエンターテイメントの革命」とされ、最高の評価と賛辞を獲得

ウォルトはこの白雪姫を生み出した功績を称えられアカデミー名誉賞受賞


これまで彼をこき下ろしていたメディア達が掌を返すように彼やディズニー社に公に【謝罪】をするという異例の事態となりました。


その功績輝きは現在でも決して衰えることはなく、1987年には白雪姫がハリウッドウォーク オブフェームに異例の殿堂入りを果たし、1989年には米国国立映画保存委員会が保存対象とする歴史・文化的に重要な映画として選ばれ、2008年にはAFIアメリカ映画100年シリーズにおいて史上最も偉大なアメリカのアニメーション映画として1位に輝きました。


そしてこれは言わずもがなですが、この白雪姫の成功があったからこそ、後のディズニー長編アニメーションは制作が可能になり、ディズニープリンセスという概念も生まれ、更に言うとディズニーランド構想の足掛かりともなったという、正に全ての始まりと言うに相応しい一本です。



作品としても白雪姫やチャーミングな小人たち、さらに初のヴィランとなった王妃絶大な人気を獲続けており、歴史的価値を差し引いてもディズニーには無くてはならない人気作品として今も尚輝き続けています。



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あらすじ



むかしむかし。

とあるお城に白雪姫という美しい王女が暮らしていた。

しかし継母である王妃は美しい白雪姫を妬み、まるで下働きのようにこき使い働かせていた。

王妃は魔法の鏡に「この世で一番美しい者」を尋ね「それはあなたです」と返される事を心の拠り所としていた。

しかしある時いつものように王妃が鏡に尋ねると「白雪姫の美しさは王妃以上です」との返答が。

この事で怒りを爆発させた王妃はついに家来の狩人に白雪姫の暗殺を命令する。

人里離れた場所で殺害に及ぼうとする狩人だが、白雪姫を不憫に思い殺す事が出来なかった。

白雪姫を逃がした狩人は彼女の代わりに豚の心臓を殺害の証拠として王妃に差し出す。

一方森の奥をパニック状態でひたすら逃げ続けた白雪姫は、動物達の案内でとある一軒の小さな家屋に辿り着いた…。

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感想




こんな世界的、歴史的名作に今更何の感想を語るんだって感じですよね。。

月並みな言葉しか出てきませんよ。

1937年ですよ。

何回観ても信じられません

今観ても、そのへんの現代アニメーションの何十倍もハイクオリティですし、何十倍も美しいです。

間違いなく全ての始まり

であると同時にある種の最高到達点


正直なところ、ウォルト・ディズニーが残した功績って、ミッキーマウスとかディズニーランドとかいっぱいあるけど、この【白雪姫という作品を生み出した事】が間違いなく彼の偉業の半分以上を締めてると個人的には思っています。


それくらいの作品です。


ロトスコープという他社が生み出した技術を積極的に取り入れた制作手法、そして当時画期的であった最新のマルチプレーン・カメラを導入して実現した滑らかで自然なアニメーション、平面アニメでありながら奥行きのある立体的な映像世界

さらに今現代においても誰もが口ずさめると言っても過言ではない「Heigh-Ho」「Someday My Prince Will Come」をはじめとする圧倒的なミュージカルナンバーの数々。
(※ちなみに「ハイホー」は日本語版だと「仕事が好き♪」と訳されていますが実際には【仕事が終わって家に帰れることを喜ぶ歌】なんです。なんだか日本人らしい和訳ですよね。)

さらに王妃等のドラマチックシーンの描写、演出の実写顔負けの迫力と素晴らしさ…

などなど、特筆すべき事は山程あるんですが、まぁキリがないしもうこれまで色んな所で色んな人達が80年以上に渡って褒めちぎってきた作品だと思うので、今回は個人的に白雪姫の一番凄いと思う好きな所】一つだけ語って終わりたいと思います。




ディズニーにしかできない長編映画



個人的にこの映画で最も素晴らしいと思う点は、この作品が紛れもなくこれまでディズニーが短編映画製作で積み上げてきた物の延長線上にある事なんです。


つまり【いつもの・これまでのディズニーの強み】を忘れてないんですよね。

そりゃ史上初のカラー長編アニメーション作品です。最新技術の使用や製作人数、期間、予算等全てがこれまでの短編とは持ち勿論違うんですが、やってる事自体はこれまでのディズニーのまんまなんですよ。


ていうのも、この「白雪姫」実は上映時間83分のうち、約70%【小人と白雪姫が出会った夕方から夜にかけてを描いたコメディなんです。


要は時間お金をたっぷり使ってこれまで通りの短編コメディをやってるだけなんですよね、7割が。




長編だからって無理矢理深いこととかメッセージ性の強いこととか、難しい事をやろうとしてないんですよ。

いや技術面ではやってるんですよ、難しいこと。


だけどあくまでも、コメディ音楽映像で魅せるいつものディズニーなんです

1シークエンスのコメディ30分以上やってるんですよ。

「食事の前に手を洗おう」って下りで何分使うんだよ!…とw


これが本当に凄いと思うし、本当に大好きですね。

「The Silly Song」のシーンなんかもう本当に大好きですね。曲も最高だし、まんまミッキーの短編シリーズですもんねこれ、言っちゃうと。


個人的にはここを忘れなかったことがこの「白雪姫」最大の成功の要因だと思うし、この成功で【もっと映画的なものを】求めすぎてしまったピノキオバンビファンタジア商業的に失敗してしまったポイントなんじゃないかな、と勝手に思っています。


感動のロマンス映画とかじゃなく、間違いなくコメディ映画なんですよね「白雪姫」は。

人物描写とか、王妃のシーンとかのクオリティーが凄すぎて印象が凄いですけど、7割はコメディなんですよ。

わかりますけどね。
ハゲタカのミスリードとか凄いですもんね。

本当に1937年かよって思います。本当に。

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まとめ



はい、という事で。


まぁほんとはもっともっと沢山あるのですが…


色々だらだら語りたいのをグッと堪らえて1トピックだけ綴らせて頂きました。


今更自分なんかがだらだら語るまでもなく間違いなく歴史に残り続ける屈指の名作映画です。




だからこそ、これまで語るのを避けていたんですけどね…。




やっぱり、、何ていうか、、ウォルト・ディズニーってもう今では本当に色んな所で色んな事を言われる偉人なわけじゃないですか。



で、個人的には、あくまでも残されている資料とか逸話を通してだけですけど、正直決して一人の人間として素晴らしく尊敬できるような人物ではないんですよね。


あくまでも個人的にはですよ。




ただ。




この時の、白雪姫を製作した時のウォルトの情熱決意というのは。

家族や知人皆から止められ、世間から笑われ、多額の借金を抱えても、それでもこの白雪姫の製作を完遂させた彼のこの熱意というのは、、

本当に掛け値なしに尊敬に値するなぁと、、、いつも素直に思っちゃうんですよね。




おそらく、長編カラーアニメーション映画。


がやらなくてもいつか誰かがやっていたでしょう。


だけど間違いなくそれはもっともっと後だった筈です。


そして、そうなっていれば間違いなく今のディズニーは無いでしょう。


ピノキオバンビファンタジアシンデレラピーター・パンも、今沢山の人々に親しまれている名作達は間違いなく存在してなかったでしょう。


ディズニーランドもおそらく無かったと思います。



だからやっぱり。


その決断力意地先見の明には、感服しちゃいます。



そして何よりも、ただ作っただけではなくて、それが今も尚超えることが難しい程の傑作として輝き続けているということ。



これにはもう本当に、ウォルトだけではなくて、この作品の製作に携わった全ての方心から感謝したいですね。


映画史、そしてエンターテイメント史に間違いなく永遠に残り続けるディズニー最大のマスターピース


それが白雪姫です。


これは永遠に残り続ける、揺らぐことのない功績でしょう。




「白雪姫」は現在ディズニープラスにて4Kリマスター版が配信中です♪


非常に鮮明な美しい映像歴史的な名作を楽しむことが出来ますので、もう何度か観たよ〜という人も是非改めて再鑑賞してみては如何でしょうか!










はい。



というわけで。



今回はこの辺で〜。



いつも長文駄文にお付き合い頂き本当にありがとうございます。感謝です!





では、また次回!







しーゆーねくすとたぁーいむ。